表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/13

Day9

九日目です。

           Day9

 アラームが鳴る。止める。時間は3時だった。昼の、ではない。朝の、だ。

 は?

 慌てて時間を確認し直す。やっぱり早朝3時だ。

「どうなってやがる。」

 とりあえず、机に向かう。机には手紙と宿題。宿題?

 手紙を広げる。読む。

『おはよう、陽人君。』

「おはよう、ところでこの時間はなんだい?」

 昼寝をしたはずなんだけどな。

『こんな遅くにしたことは謝罪する。ただ、今日謎解きをする必要がある以上、寝不足になる必要があったんだ。だから、限界近くまで僕が活動し続けて、アラームも1時間後にした。』

「寝不足になる必要って、…え?」

 今日謎解きをする?それはひょっとして?

『それはさておき、何があったか教えてあげよう。まずは、昨日の件だ。僕が思った通りの結果が検査で出たらしい。山口JBも感謝していたよ。』

 話を逸らすな。

『検査の内容は今伝える訳にはいかない。ここで変な事態になる訳にはいかないからな。』

「その度は本当に申し訳ありませんでした。」

 クソ、全然強く出れない。

『で、それに従い、今日は待望の謎解きをする。名探偵がよくやる、僕が一度やってみたかったあれだ。』

「おぉー!」

 関係者が一堂に会する、あれか!

『まあ、本当に関係があって、集めても問題の無い人しか集まらないがな。』

「…おー、」

 盛り下げないでくれよ。

『その都合上、今日君は公欠だ。』

「よっしゃー!」

 思わず大声を出す。

「うるさーい」

 速攻クレームが入った。

「ごめーん」

『決して興奮して叫ばないように。』

「遅いよ。」

『手遅れだろうが。』

「ふざけんな。」

 いや、待て待て、事情は多少分かったが、この早朝に起こされたのは何なんだ?

『本題に入ろう。引き出しの中に風邪薬がある。副作用が強くて眠くなる奴だ。謎解きの直前にそれを飲んでほしい。』

「はあ、……まさか」

『こればっかりは君に説明してもらう訳にはいかないのでね。僕が出張って直接謎解きをしよう。』

「マジで!」

 陰人が初めて直接、面と向かって謎解きをする。二重人格じゃ無ければぜひ見たいところだ。

『という訳で、いざという時によく眠れるように、今日はしっかり寝不足になっておいた訳だ。』

 事情を知らない人からすると意味の分からないセリフだ。

 それはそうと、

「いつどこに行けばいい?」

『午前10時集合、場所は二重作警部補の勤める警察署、そこに着いたらすぐトイレに行って薬を飲んで欲しい。』

「了解。」

 これで準備万端、かな?

『あぁ、そうそう、昨日のお礼だ。宿題の山を見て見たまえ。』

「ああ、分かった。」

 とりあえず、手ごろなノートをめくる。文字でぎちぎちになっている。……ひょっとして、

『課題は終わらせておいた。考査の範囲も前にデータが入っていたところにある。もちろん、更新済みの状況で。』

「よっしゃー‼」

 今度は気を遣って小声で叫ぶ。ただまあ、やっぱり嬉しいものだ。

『あと、感謝を述べる。どうもありがとう。』

 気のせいか、少し手紙がにじんでいる。

『追記、眠らない用の眠気覚ましとしてガムも買ってある。活用してくれ。』

「……こっちこそ、ありがとう。」


 時間が来て、警察署に着く。いつも通り、父さんがいる。

「おはよう。」

「ああ、おはよう陽人。」

 少し緊張してくる。なんだかんだ言って、この事件がそろそろ終わるのだ。緊張しないわけがない。

「じゃあ、早速行くか?」

「あ、ちょっと待って。トイレ行きたい。」

「それなら、あそこだ。あんまり遅れるなよ。」

「うん。」

 こうして、無事トイレに向かうと、個室に入る。

 引き出しにあった風邪薬に水もある。(しっかり市販品だ。お茶に入っているカフェインでどうこうあったらまずいからな。)それに今の時点で結構眠い。緊張と眠気が拮抗している。(昨日どんだけ起きていたんだろう?)

 薬を飲む。

 …

 ……

 ………

 …………何も起きないが?

 とりあえず個室から出ようとする。派手に転ぶ。やっぱり何か起きていたらしい。

 僕の意識がだんだん遠ざかる。それと同時に、動かしてるつもりもないのに、体が、動き、出、し、……


 顔面に衝撃が走り、続いて背中にも走る。

 慌てて目を開ける。すぐどこかが殴られる。ただ、どこかは分からない。

 状況は分からないが、どうやら誰かが馬乗りになって僕を殴っているらしい。

 なんか分からないけど、非常にむかつくので、とりあえず殴り飛ばす。

「プゲラ!」

 よく分からない悲鳴を上げながら殴っていた誰かが飛ばされる。近づいて誰だったのか確認する。

 うーん、寝起き、殴られた後、状況が分からない、と3つ条件が重なって誰なのか分からない。

 辛うじて働く脳みそを稼働してようやく思い出す。

 福田さんだ。

 ……なんで?


 より一層混乱した僕を尻目に、事態は勝手に進んでいったらしい。気づいたら家に着いていた。ようやく落ち着いたが、これはひょっとして後の祭りって奴じゃないだろうか?

 とりあえず、状況整理。僕の分かっている事。

・警察署に行った

・陰人に主導権を譲った

・気づいたら福田さんに馬乗りで殴られてた

 うん、端的に言って意味不明だ。

 ただ、多少は予想がつく。何かあったのは陰人が主導権を握っていた間の事だ。つまり、謎解きをしていた時、何かしらの事があって福田さんに殴られるに至る訳だ。

 待て、という事は、福田さんは謎解きの場に呼ばれていた訳か。つまり、

 犯人?

 いや、関係者ではあるから、でもよっぽどじゃない限り呼ばれないんじゃ、でもトラック関連で何かあったのかも、じゃあなんで殴られる?

 うーん、分からない。どういうことだ?

 一旦落ち着くためにセルフビンタ。そのまま椅子に座る。足を組む。

 きっと名探偵のふりをしながら考えたらこの謎も分かるだろう。


 二時間くらい死ぬ気で考えたけど、一切分からなかった。分かってる。分かってるとも。格好や見た目の問題じゃない事くらい。

 ただ、唯一分かったのは輸血カーの事だ。輸血センターの傍で井上さんが働かされていたあの輸血カー。最初は気にならなかったが、いくら何でも嫌がらせでそんな所に置くわけがない。じゃあ、何故か。ひょっとして、本人が望んだんじゃないか?豊島の病院に近すぎず遠すぎない、怪しまれないがすぐ駆け付けられるあの場所に。

 でも、それだとまるで井上さんが共犯者みたいになってしまう。既に福田さんも怪しいのに。まさか、二人とも共犯者、ってこと?

分からない。

 ただ、猛烈に眠いので、そろそろ寝よう。

 椅子を立つ、正確にはその直前、机の端っこの方に書き込みがあるのに気が付いた。

『キーポイントはトラックと血。この二つを結び付けられれば謎が分かるだろう。僕が知らせていない情報もあるにはあるが、もう推理するには事足りる情報がある。自力で解きたければ頑張りたまえ。』

 名探偵のふりなんてしてるんじゃなかった。よく見とけばよかった。クソゥ……。

 頑張って考える。ただ、もう頭が働かない。休養を求める。

 諦めて寝る事にした。

さて、皆さんにはこの謎が解けましたか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ