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マーダーミステリーの作り方  作者: もくはずし
あらすじとキャラクター
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あらすじとキャラクター③ キャラクター

このページはマーダーミステリーシナリオ『夜行列車に銃は踊る』『あなたは幽霊を見たという』のネタバレを含みます。

https://mokuhazushi.booth.pm/items/2819396

https://mokuhazushi.booth.pm/items/4144378


 まずはプレイヤーキャラクターの人数を決めなければならない。

 これはシナリオの都合の良い人数でもよいし、ゲーム上必要な人数や、収益の上必要な人数で考えてもよい。人数が多ければ多いほど収入源になるが、その分作るのは難しくなってくる。キャラクター同士の関係性や議論導線は、人数が増えれば指数関数的に複雑になっていく。

 逆に人数が少なすぎるシナリオは、マーダーミステリーが一般的にもつ「投票によって、議論に参加しているキャラクターの中から犯人を多数票にする」ゲーム性を損ない、特殊なゲーム性にしてしまう。

 最初に作るゲームは5~7人程度のシナリオがよいだろう。おすすめは5人だ。


 さて、キャラクターは、マーダーミステリーにおいて最も重要な要素だ。

 プレイヤーはキャラクターについての情報を読み込み、置かれた状況でキャラクターがどう考えるかを悩み、キャラクターを演じながら議論を行う。

 ここではキャラクターの概観を決めていく。【ルール】の次の章と次の次の章も、キャラクターについて深堀する比重が大きい。それだけ、マーダーミステリーを作るというのは、キャラクターを作りこんでいくということに他ならない。


 私の製作順だとキャラクターに触る機会が上記の通り3回ある。このページでは、あくまでどんな魅力のもっているキャラクターなのか、肝となるキャラクター同士の関係性はどことどこにあるのか、それはどんなものなのかを決めるに留まる。

 前ページの事件の見た目と同様、ここで推理やトリックに関わる情報を突き詰める必要はない。今回も風呂敷を広げに行こう。


 ここで確認しておきたいことは、

 

① どんなロールプレイができそうなキャラクターなのか。

② 事件にどんな形で関わったのかor議論でどのように立ち位置が変わるのか。

③ 他キャラクター(NPC・被害者含む)との関係性や、それがどう変わるか。


 である。

 すべてのキャラクターについて、全ての項目を埋める必要はない。シナリオのコンセプトとして、外せない部分を作っておく。

 例として『夜行列車に銃は踊る』『あなたは幽霊を見たという』のキャラクターを見ていく。

 まずは『夜行列車に銃は踊る』だ。制作前の段階で、下記のようなものだった。


PC1:久遠丈

① さわやかな青年。

② 怪盗。犯人ではない(暫定)が、銃の窃盗に関わってほしい。

③ 探偵キャラをおちょくってほしい。



PC2:皇由芽

① ミステリアスな女性。

② 探偵。犯人ではない。

③ 怪盗キャラの逮捕を第一優先で動いてほしい。



PC3:神宮寺守

① かっちりとした口調の壮年男性。

② 殺人事件の探偵役かつ議論を回す役回りをしてほしい。

③ 特になし。


PC4:弥益大門

① おちゃらけた、もしくは女性口調の壮年男性。

② 特になし。

③ 特になし。


PC5:天利奏多

① しっかりめの女性(PC2と対になりそうなキャラ)

② 警察かつ殺人事件の犯人。

③ PC2と因縁がある。



 『夜行列車に銃は踊る』の内容を知っている方は、ずいぶん今の内容と違うということに気が付くだろう。現段階で修正していく内容もあるし、これ以降の内容を作っていくうえで変えていく内容もある。

 また、この時点で犯人すら決まっていない。シナリオというのはゲームを作ってから、後から付随させることができる、マーダーミステリーにおけるおまけ的存在なので、今決まってなくても問題ないのだ。


 さて、この段階で上記のキャラクター付けで修正しなければならないことがある。それは、特徴がうすいキャラクターにテコ入れをしていくことだ。

 本シナリオは「怪盗と探偵が出てくる」「複数銃が出てくる舞台での銃殺」という情景が先に思いついて書き始めたものだ。故に、殺人事件周りの設定についてはキャラクターを出してから、それぞれに属性をつけていこうとしていた。

 現段階で要素が薄いのは、弥益大門である。このシナリオは5人用であることが最初から決まっていたのだが、もちろんこのキャラクターを削除することも可能だ。しかし、ここでは属性を追加することに決めた。


 まず、この事件の根幹となる犯人が未定であった。当初天利奏多の予定であったが、弥益大門を犯人として、天利奏多を犯人その2とすることにした。天利奏多は殺人に関与する警官、ということで銃にまつわる悪事にも手を伸ばすことができる(推理の横で目論まれる銃争奪戦)ので、犯人という強い属性をつけなくてもいいと思ったからだ。

 また、ここで犯人その2である天利奏多に警察という強力な属性があるのなら、弥益大門にも有利となる属性を付与したいと思った。そこで、車掌の神宮寺大門には、彼と親友となってもらい、弥益大門を犯人投票からかばう存在として属性を付与した。


 以上の変更点によって神宮寺守の③、弥益大門の②と③が決まったのである。

 このように、複数の事件や大目的がある(今回の場合は殺人事件と、複数ある銃の取り合い)、属性をつけるのは比較的簡単だ。

 



 次に『あなたは幽霊を見たという』を見ていく。

 このシナリオは「館の主人が順当に犯人だと面白い」「幽霊の目撃談が推理の手がかりになっているシナリオ」という2点から製作がスタートしている。


PC1:鬼龍院幽才

① ダンディなおじさん。

② 犯人。シリアルキラー。

③ 館の主人。PC2の雇用主。


PC2:柳雫

① メイド。

② 議論の始点役。屋敷の霊的現象を一番に体感している人間。

③ PC1の従者。



PC3:夢路昇

① 体躯の良い活発な男性。

② 生前PC1に殺された経験から、PC1を捕まえたい幽霊。霊的現象を否定したい人間。

③ 生前PC1に殺されている。


PC4:柘榴優華

① 温和な女性。

② 被害者と友人。

③ 被害者、PC5と友人。


PC5:宵谷昌貞

① 理知的な青年。

② 被害者と友人。

③ 被害者、PC4と友人。


 このシナリオの場合、全てのキャラクターにおおよその属性が備わっているように見える。しかし、PC4、PC5については差別化が難しい。

 さらに、このゲームには「犯人を最多票にする」に関わる目標以外が存在しないので、柘榴優華と宵谷昌貞が徒党を組める状態になってしまうと、一気に犯人の絞り込みが楽になってしまう。

 そこで、犯人候補として最も都合の悪い情報が出てくる、いわゆるスケープゴート役には宵谷を抜擢した。彼には被害者を殺す動機、凶器が備わっているとして、柘榴優華との差別化と、手を組んでも有利にならない状況にしたのだ。




 このように、事件にかかわる形のなんらかの状態を付与することも、キャラクターを位置づけるひとつの方法である。

 ゲーム上でどのような役割を果たさせるか、思いつかない場合は人狼ゲームの役職を参考にすべし。『夜行列車に銃は踊る』の神宮寺守のように、多くのマーダーミステリーのシナリオで「狂人」の役職のようなキャラクターが存在する。

 「狂人」は犯人をかばう為に嘘をつく動機付けがされているキャラクターと言える。その程度はさまざまで、自身が投票多数になるようなことがあっても犯人への投票を避けたいという強い動機から、なんとなく友達だから助けたい、くらいの弱い動機まで様々である。また、その動機によって最終目的も変わってくる。

 また、『夜行列車に銃は踊る』の久遠丈は「狐」のような存在である。彼の死亡条件は警察に捕まっていない状態で皇由芽に怪盗ジョーカーであると見破られたときであり、投票多数になっても死亡エンディングとはならない。

 故に、彼が皇由芽に怪盗ジョーカーだと見破られた、と思ったその時点から、警察に捕まるために自らを犯人であるかのようにふるまい始めるというのがシナリオで想定されている久遠丈の役割である。

 「狐」は投票によっても死亡するところや、投票多数になった時には死亡してしまう点が久遠丈とは異なるが、ここからアイディアを導くことも可能だ。


 ここまででゲームの内容要約となるあらすじ、導入トレーラー、キャラクター紹介が書けるようになった。

 いよいよ次話より、具体的なゲーム性をどう作りこんでいくかという話になってくる。

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