解答編|みつをさけるとは隠れた宣戦布告であり、と同時に救いの鍵のヒントが隠されている可能性もあるのです 【お嬢様 悪治物語】
この物語は天使で、いえ、あくまで五十界が舞台の、架空とされるお話です。
「お嬢様、あのお茶は美味しゅうございましたね。また買ってきましょう」
さて、いよいよ本題に入りたいと思います。
”みつをさける”の語源についてです。
「口と心と行と、三つ揃うたまことを命といふぞ」
この文言は、わが家系に代々伝わる書物の第一巻 第一帖に記された内容の一部です。
大切なことですので、復習の意味も兼ねて二度ベルをではなく、二度いいました。
「この文言、違和感が少しあるのですが、お嬢様は気づかれましたか」
『……』
「判りました。では説明いたします」
よく、”あの人は言動が一致している”と言ったりします。
これは、発言と行動が一致している事を指します。
有言実行とも云えます。
書の文言においては、発言が”口”、行動が”行”になります。
心で思うこと、本音が”心”です。
それで、”三つ揃うたまこと”とは”三つ揃った真”です。
最後に命とは、私達の遠いご先祖様であらせられる、いざなぎの尊さま、いざなみの尊さまの様な”尊きもの”を意味します。
これらを繋げて意訳したものが、
”本音と発言と行いの三つが一致したモノ(者・物)を尊きモノ(者・物)という”
になります。
なぜ、モノ(者・物)にしたかと云うと、本音と発言と行いの三つが一致した人(者)を指す場合もありますし、三つが一致した状態(物)を指す場合もあると深読みしたからです。
簡潔に言えば。「心と口と行いが一致したモノは尊い」になります。
さて、ここで私が感じた違和感について、説明します。
書の文言では「口と心と行と」になっています。
私が意訳したものは「心と口と行い」です。文言とは心と口の順番が逆です。
なぜ、心と口にしたかと云うと、思考(心)したものが発言(口)になるので、時系列順に並び替えたのです。
なぜ、文言では「口と心」なのか……
導き出した結論が”選挙”です
治める者を選抜する際、候補者は口約を誓いますが、それが果たされることは稀です。
なぜなら、選挙に受かりたいため、とても調子のいい事を言うからです。
受かってしまえば、これ幸いと自分が本来したかった事の実現に勤しむのです。
この状態は、心(本音)と行いは一致しているが、口(口約)とは一致しないになります。
口約をして、受かった後に本来したかった事(心、行)の実現となりますので、
時系列順には、口・心・行になるのです。
「お嬢様、選挙において口約が果たされないのは、公然の秘密のようなものでした」
既に、口と心と行が一致していない、三つ揃っていない、”みつをさける”状態だったのです。
それをあえて、”みつをさける”と聞きなじみのない言葉を用いて、公衆の面前で発表したのです。
おそらく、その意図は、これからは秘密でも隠しもしない、本性を出していきますよとの決意表明と思われます。
また、口約で調子のいい事を誓って、治めるモノに就いた者の敵となるのは治められる者、一般の人々です。
”みつをさける”とは一般大衆に向けて放たれた、”隠れた宣戦布告”だったのです。
本作が、皆様がこの大難の時代を乗り越える助けになれば幸いです。
※応用編(最終編の予定)へと続きます。投稿は明日以降になると思います