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短編集:私がダンジョンマスターになったわけ  作者: 木苺
(9)チームでお仕事♡
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ダンジョン内で植物が育つということ

Aチームのクインは、ダンジョン内で育つ植物のエネルギーの消費と放出に関する研究を始めた。


その結果、わかったことと、マスターとしてみーちゃんがすでに知っていることをまとめると・・



・ダンジョンマスターがコアを操作すると、指定された場所(1点)やエリア(範囲)に植物が生える。


その時に その区画で消費するエネルギー量も、植物が育つ間に消費されるダンジョンエネルギーも マスターであるみーちゃんは、知ることができる。

(マスターは ダンジョン内のエネルギーの流れを見ることができるのだ。

 だからと言って それらを理解できるわけではないが)


作物の成長が止まると、その作物によるダンジョンエネルギーの消費も止まる。

(=ダンジョン内での成長には ダンジョンエネルギーが消費される)


・収穫された作物が誰かに食べられると 食べられた部分に蓄えられていたエネルギーは食べた人の体内に移動する。

 食べられずに残った部分は モノの形でダンジョン内に残る


消化されてその人の体内に移動したダンジョンエネルギーが

 その人のダンジョン内での活動に使われると、その分のエネルギーはダンジョンに戻ってくる。


・体内に「ダンジョンエネルギー」を抱えたまま生体がダンジョン外に出ようとすると、転移の際に 未利用のエネルギーは転移陣に吸収される(その分転移コストが下がる!)


未消化物を体内に残したまま、その人がダンジョンの外に出ていく場合は・・

 ダンジョン内のエネルギーがその分減るだけでなく、余分な転移コストがかかる!! これびっくり!


・人がダンジョン内で活動すると ダンジョン内にエネルギーが放出される。

 それは 興奮・感動などの感情的なものだけでなく、

 何かを集中して考えているときも 活発にダンジョンへエネルギーが放出されていた!!




・ダンジョンが生み出したモノが モノのままダンジョン内で分解されたときには

それを生成するのに使われたエネルギーがそのままダンジョン内に戻ってくる 


・外部からダンジョン内に持ち込まれたものは、そのままの形でダンジョン内に残り続ける。それらを分解するときには ダンジョンエネルギーが消費される。


運が良ければ 外部から持ち込んだものがダンジョンに同化して、分解エネルギーが不要なこともある。

 それが なぜかはわからない。


ただ 分解にエネルギーが消費されたか 消費されなかったかが モニターできるだけである。



「これって 転移陣を使わずに ダンジョン内に人や物が出入りする場合にもあてはまるのかしら?」みーちゃん


「ダンジョンはすべて お隣の大陸にあると聞いてます。

 そこで、それを確かめることはむすかしいのではないか?」クイン



みーちゃんは この問題について ダンサンに相談した。


ダンジョンマスターの立場からすれば ただ報告すればよいだけだなのだが

ダン菅及びダンサンとの協力関係を思えば、ダンカン支部が存在するダンジョンの存続も みーちゃんダンジョンの存続も どちらも必要だと考えたからだ。


「つまり 何が心配なんです?」ダンサン


「これまで うちのダンジョンからエネルギーを吸い上げて、ダン菅支部から人を転移させていたでしょう。


 しかし これからは ダン菅支部は自前のダンジョンエネルギーで人を転移させたないといけないのだから。」


「その点に関しては うち(ダン菅)も考えましたよ。

 

ただね その点に関しては うちの研究陣だけでは対応できないので

ミーちゃんが設立したシンクタンクに研究委託する予定になっています。


逆にいうと あなたからそういう提案なり問題提起なりがなければ

うちとしても お宅のシンクタンクをつぶしたり

ダンジョンマスターによるダン菅への重大な裏切り行為として

マスター資格をはく奪する予定でしたから。」ダンサン


「なにそれ!! えげつない!!」


「うちも国家機関ですから。

 ダンジョンも マスターも監視する。


 個人への信頼と 裏切りへの制裁の両方を活用しています」ダンサン


「ショックで これ以上声も出ません」

みーちゃんは 両手を上げて 降参のポーズをとって 退室した。


ミーちゃんを見送ったダンサンは 悲しげに溜息をついて

自室に引き上げた。


(仕事とはいえ いやだな、こういうきらわれそうなことを言うのは)

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