調理スタッフ
一仕事終わった段階で、案の定 第一チームからは、「自炊にあきた。外食したい」という要望が出た。
そこで 食堂スタッフ候補を紹介するから、君たちで仕事を教えなければいけないと伝えた。
「なんですか?それ」ジョン
「確かに 雇用契約には3食自炊。1年間は外出禁止。外部との接触制限ありってかいてありましたけどねー」レノン
「まさか 私の趣味が料理だという点を評価して採用されたんじゃないでしょうね?」ポール
彼は 第一チームの中では ただ一人のシステムエンジニアであり、
優秀な学生ではあったが、卒業学年の時に、実家が火災に見舞われ、父親は焼死、母親が精神的なショックと重度のやけどを負ったために、その看護にかけつけ、かろうじて卒業はしたものの就活のチャンスをなくした若者であった。
今では 母も一人暮らしができるほどに回復しており、息子には自分の人生を生きてほしいので自分は一人暮らしでも大丈夫と息子の背を押している。
面接のとき、ポールは、もろもろの雇用条件に目をつぶってもこの年俸でシステムエンジニアとして働けるのであれば、就労中の生活環境改善のための努力は惜しまないと答えた。
「チームの生活環境が改善されれば、君たちの仕事への意欲も高まり、業績を上げれば 次年度の雇用条件のアップにつながるかもよ」みーちゃんは にっこりと答えた。
「あくま~。
でもその点に関して同意したうえで 契約したからいいですよ。
まさか ストレートに ほんとうに こういう環境に放り込まれるとは思ってなかったけど」ジョージ
「言えてる」ほかの4人もうなづいた。
「もしかして もしかして 面接のときに 俺の親父が床屋だから俺も人の髪を切れるかたずねたのは・・」アップルが小声でつぶやいた。
「その時、君は 理容師の国家資格を持っていないから 散髪は無理ですって答えたよね」みーちゃん
「はい」アップル
「それで正解。
この先 散髪が必要になったときは・・・理容師とその見習いを探して連れてくるから
練習台になってもらおうかなぁ」頭をかしげて考えるポーズをみせるみーちゃん
「あのう 調理師には調理師免許がいるのでは?」ジョン
「食堂スタッフが ごはんを作っても違法ではないよ。
食品衛生と防火に関する知識は必須だけど」みーちゃん
「でも ちゃんと教えないと スタッフの腕はあがらないし、いじわるしたら」逃げられるわよ」みーちゃん
「掃除・洗濯・その他家事サービスは?」レノン
「贅沢言わない! チームで分担すれば?」みーちゃん
「食材の幅を広げてほしいという要望は通りますか?」ポール
「とりあえず要望を出してくれたら、手に入ったものから提供するわ。
できれば6人分の献立という形で食材希望を出してくれると助かる。」みーちゃん
「スタッフさんに味を覚えてもらうために、7人分を調理して、スタッフさんにも食べてもらうってのはダメかななぁ?」ポール
「うーん それに応じてくれるスタッフを手配できればそう言うわ。
うちのスタッフは 基本的に 料理はレシピ通りに作るからね。
ただ あなた方の専属調理人になるなら ある程度あなた方になじみのある調理ができたほうが良いと思って、それなら 最初から見習いの子をつけたほうがいいかなって」みーちゃん
「発想がユニークですね
ということは 調理方法を教える時には、量とか時間とかレシピの形で伝えないとだめなのかぁ・・
料理本 用意できます?」ポール
・というわけで、第1チームの次なる仕事は、調理スタッフ育成のためのレシピづくりに決まった。
※現在 第1チームメンバーは
システムエンジニア:ポール
プログラマー :ジョン・レノン・ジョージ・アップル・パイ
の6人です
(参考)
飲食店の開業と調理師免許に関して
https://osyobu-osyobu-3889.hatenadiary.jp/entry/tyourisi2018.04.11
※上記サイトを参考にはしましたが、この物語はあくまでも架空世界のものであり
リアル日本の制度とは関係ありません (;'∀') m(__)m




