くじ引き
「おめでとうございます」
目的の部屋に入ると 立派な紳士が45度のお辞儀で迎えてくれた。
「どうぞこちらへ」
隣の部屋に入るように促される。
椅子がひかれ、座るように誘導され
座ると お茶が出てくる。
そして 簡単に宝くじを買った場所と日時、その時の状況について確認される。
「えっとー 失恋して 人生がむなしくなってー 自殺する代わりになんか馬鹿なことしたいなぁと思って宝くじを買いました。
場所は xx 仕事帰りの途中下車です。
ほんとはお酒が飲みたかったのだけど 翌日早出だったんであきらめたんですぅ」
「それで 人生大当たりを引き受けるとは その失恋は幸運の先駆けだったのでしょう。おめでとうございます!」
「はい ありがとうございます」
なんてやりとりのあと、今度は奥の部屋に案内された。
重役用の椅子とどっしりとした事務机があった。
そこで 頭取さんと面談。
「ダンジョンの種は大変貴重なものですから、自由売買はできません。
お売りになる場合は 勧誘銀行が3億タートルで買い取ります。
ほとんどの方が3億タートルの受け取りを選択なさいます」
「せっかくですから 私 ダンジョン経営します。!」
(以下略)
速い話が ダンジョンの種を育てることもダンジョンを経営することもむつかしいから、勧誘銀行に3億タートルで種をゆずるか、投資信託の種として勧誘銀行に種を預けよという説明&お誘いが延々と3時間続いた。
一応、最初の小部屋を出る前に渡された紙切れに、ダンジョンを自分で経営したい場合は、重役室の面談で居眠りしたり逃げ出すことなく 最後まで質疑応答にこたえて合格しなければならないと書いてあったので 頑張りました。
「それでは 種の扱いについて説明します。
途中で気が変わればいつでも 種の売却説明に切り替えられますからおっしゃってくださいね」
(以下略)
結論から言うと ダンジョンの種を植えるには土地がいる。
筆記試験に合格すれば くじを無償で引いて土地を入手できる
筆記試験に不合格ならば 種は没収
自分で土地を購入できれば 筆記試験は免除
その代わり ダンジョンのための広大な敷地購入資金の借り入れローンを組まなければいけない
というわけで 私は筆記試験を受けました。
一応 参考書リストと試験問題集を渡され 1週間の受験勉強期間が与えられました。
有給休暇を取って受験勉強しました。
合格しました。
試験内容は 実地にダンジョンを経営するノウハウだったので 受験勉強は役に立つと思います。たぶん。
そして いよいよくじ引きです。
利便性のよい狭い土地か 広大だけど辺鄙な土地か ほどほどの土地かは あらかじめ選べます。
ダンジョンの種のおまけとして、10年分の基本食料と日用品はついてくるとのことでしたので、広大な土地の当たるくじを引きました。
くじを引く前に 自分の希望を語れと言われましたので
「自給も可能なダンジョンリゾート遊園地。老若男女が楽しめ、日帰りも長期滞在も可能な内容と設備が充実した長期発展型ダンジョン♡」と述べました。
そしたら なんとなんと 「お隣の大陸」の地下全部と、エアポートエレベーター1基分の地表の土地が当たりました!