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みーちゃんとダンサン②:みーちゃんからダンサンへ、相談事

「その職員採用に関して、少し相談したいことがあるのだけど

 話を聞いてくれるかしら?」 みーちゃんは切り出した。


「実はですね、あなたがいない間に、人手不足を痛感しました。

 

 いつのまにか、あれやこれやと事務関係の仕事をあなたに任せてしまって

 あなた一人が欠けると ダンジョン経営に手が回らないくらい仕事が増えているという現状をなおざりにしていたことを 反省しています。


 というわけで 新たに人を採用するにあたって、いろいろ考えたのだけど、聞いてもらえるかしら?」


「いいですよ

 具体的には どういった内容でお考えですか?」ダンサン


「以前、増員するならばの話に出ていた時の 事務職や転移スタッフとはちがって


 優秀なプログラマーとプログラムも組めるシステムエンジニアが欲しい。

 そこで ダンジョン設計とダンジョン経営の設計を再点検して、

 必要なオペレータ―の数を算出する。


 それから オペレータ―の雇用について考える」みーちゃん


(ブログラマーとシステムエンジニアはどう違うんだ?

 それに 何故システムエンジニアに、わざわざプログラムも組めるという条件をつけるのだ?)ダンサンの頭の中で ?マークがとびかった。


しかし ここで 下手に質問を入れると、みーちゃんが 説明することに疲れ果てて、本来やろうとしていた仕事に取り掛かる気力をなくすことを、ダンサンはこれまでの経験から知っていた。


(「ミーちゃんの相談」というのは、「これから彼女にとって『仕事上の冒険』をやるけど 何も言わずに支えてくれるかどうかだけを確認したい」と言う意味だし

 「話を聞いて」っていうのは、自分の頭の中の考えをまとめるための聞き役を求めているという意味でしかないから、慎重に受けごたえしなくては)とダンサンは心の中でつぶやいた。


「なるほど」と相槌を打つダンサン。


その心は、【ミーちゃんがやろうとしていることを理解しているわけではないが、協力は惜しみません】と言う意味だ。


そして その言葉のニュアンスは、ミーちゃんにも伝わっていた。


 ちなみにダンサンが【~】の部分をはっきり言ってしまうと、

ミーちゃんがこれまたダンサンに気を使って、仕事に集中できなくなる、

ということも すでに ダンサンは体験から学んでいた。


(職務においては きわめて優秀な方ではあるけれど

 過去のトラウマが大きすぎて、対人関係では 突然ヘタレる人なんだよなぁ。

 その辺を ちゃんと見分けて対応しないと)というのが、

ダンサンからみーちゃんへの気遣いポイントであった。


そしてまた みーちゃんもまた、ダンサンがそういった気遣いができるほど、仕事熱心で(だから 職務効率を維持するために仕事相手にも気を遣う)、頭がいい(的確に気遣いポイントを見つけることができる)と言う点で、彼を高く評価していた。


逆に言えば ミーちゃんにとって、他人が自分に好意を抱いてくれることがあるとは

(おそ)れ多くて とても考えられなかった。


 目の前の人が 敵意を示すか? 目の前の人から害意を感じるか?までは判別できたが、それ以上のことはよくわからない というのがみーちゃんの正直な思いであった。


(なにしろ 人が持つ 嫉妬・妬みの心なんて 幾重にも覆い隠されていたり、巧妙に偽装されていたり、突然切り替わったりして理解不能、しかも 人の数だけその形態もさまざまだから対処不能、人が持つ人生の不幸の表象形態である負の感情に関わるということは その人の過去を丸ごと引き受けることに等しいからパス!

そんな不特定多数の人の人生を 求められるままに引き受けていたら 私が擦り切れるわ!

というか もう その点(=目の前にいる人の個別の感情)に関して対応できるほどの力が私には残ってません。


 すでに 私の心も頭も使いつぶされて機能できません!

これ以上 目の前の人が抱く個別の感情に関われば 私の存在そのものが破綻する><)


というのがみーちゃんの実体験から来た本音であった。


「それを「自己肯定感が低い」なんて知ったかぶって解釈してみせる人間なんてろくでもない。


 そういうことを平気で言う愚か者・劣等感を傲慢不遜な態度でコーティングした人間とは絶対に関わりたくない。


  他人の心を傷つけ、傷ついて弱った人間をさらに支配しようと「でっちあげの理論」をぶちあげるろくでなしの言い草なんてうんざり」


というのが みーちゃんの見解でもある。


もっとも 対人関係を維持することそのものに疲れ果てている自分のありようを、あからさまに知られてしまうと、人事評価が下がるという現実も知っているので・・


「職場では自分の感情を出さない⇔疲労が募って職務能力の低下」の自縄自縛に陥らないために、一人になって ストレスを放散する時間の確保の重要性を実感しているみーちゃんでもあった。


 そして 職場など公的な場での対人ストレスを癒すことのできる「私的な人間関係=家族」を持たない人間の弱み・もろさを自覚しているみーちゃんでもあった。


 もちろん それを自覚することは、文字通り身を切る痛み(=孤独)を自覚することでもあるので、

ふだんは「ない袖は振れん。家族運に恵まれない星の下に生まれたと言うと(わび)しくなるので

「家族ガチャにあたらない」と言い換えることにして、

「外れガチャにあたったのは私のせいじゃないもん!」ばっくれることにしている。


 要は あたりガチャが出るまで ガチャ回しをして破産しないように、「アッ外れ」で終わらせる割り切りが肝心よ!と。


そんなみーちゃんであるが、本来の精神は チャレンジ精神旺盛な・自由闊達を愛しあこがれる性格であったので、「ダンジョンを立ち上げる=憧れの起業のチャンス」とばかりに

ここまで がむしゃらに あのれの才覚のありったけを絞って頑張ってきた。


が一方で、新たに増員して 長期的展望に立った事業展開という、「起業家から経営者への質的転換期」を迎えた今、「信頼できる部下が欲しい・All or nothingではなく安定した長期展開ができるように支えてくれる人が欲しい、自分の感情を殺して一人で頑張り続けていては 不安に押しつぶされて(ストレス過多で)失敗しそうで怖い」と心底(しんそこ)怯えていたのであった。


が、しかし、「ダンジョンは発展させたい but(しかし) ダンジョンの成長に合わせて増員しなくていけない」という現実に直面して、

腹をくくって事を処理する覚悟を決め、

気持ちの上では 共同経営者のように感じ始めていたダンサンに相談してみようと考えたミーちゃんであった。


とはいえ、ダンサンは みーちゃんの部下ではなく、個人的な友人でもなく、同僚ですらなく、

現実は 上部部門(ダン管)から派遣されてきた担当者にすぎないのだけど・・


 それでも 現在 相談相手として 一番身近に感じられ、実際問題 「唯一」といってもいいかもしれない存在となってしまったダンサンに、話を聞いてもらうことにしたみーちゃんであった。


次は 本日夜8時公開です

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