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短編集:私がダンジョンマスターになったわけ  作者: 木苺
(5)憧れのキャンピング??
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休日に見た夢

「採り採り野山・食べ放題野原」の日帰りコーナー、

そこから派生したファミリーランド・蝶と花ランド・大型テント村、

そして「採り採り野山・食べ放題野原」につながるバンゴローエリアがオープンしました。


これまでの、ホテル・イベント会場などリゾート施設っぽい一群を第一階層と位置付けるなら、

ファミリーランド群は、第二階層

採り採り野山・食べ放題野原が第三階層といえるかもしれません。



「階層化っていうと なんだか急にダンジョンっぽくなった気がするわ♬」


「階層化することによって、ダンジョンの進化形態も第二段階に移行します」ダンサン


「というと?」


「たとえて言うなら 平面状にちらばっていたダンジョンの各区画が

 階層化することによって 立体化するって感じですかね」ダンサン


「あら、これまでもコアルームとダンカン支部との移動陣のあるお客様広場と・・ 

 あっそうか

 コアルームはともかくとして それ以外の区画は単に強化壁でへだたっただけの一塊でしたね。


 今回初めて、リゾートランド・ファミリーランド・・・と言った具合に

 関連性を断ち切った独立空間として設計して、転移陣の関係性を構造化したことにより、

 ダンジョン内の各パーツの成長・発展がやりやすくなったってことね」


「そうです。

 ダン管でダンジョンの種オーナーを宝くじ形式で 募集・採用しはじめてから

 はじめての快挙です!」ダンサン


「そうなの?」


「これまでは『階層化』といっても、それは単にオーナーがそう思っているだけで

 ダンジョンとしては ただの一群の塊でしかない育ちかたでした。

 

 それが ダンジョンの短命化の原因だったのではないかという仮説もあります。


 しかし 今回ミーちゃんダンジョンが初めて、

 階層それぞれが成長パワーを持って独自に発展していく成長第2段階に到達したのです。


 これは ミーちゃんダンジョンだけでなく、ダン菅にとっても画期的なこと。

 大事な第一歩であります!」

ダンサンは まじめな顔で力説した。ニコニコしながら。


(うーん まじめにニコニコする顔って めったにないものを前にしてしまった。)


「えーっと そこまで言われちゃうと これは 何かお祝いをした方がいいかしら?

 内輪で」


というわけで、二人で ささやかなお祝いをした。


その日は、ダンジョンを休園して、ダンジョン生物たちにはぐっすりと眠ってエネルギーを充電してもらうことにした。



私達は二人で、

地上にあるお店のカタログを見ながら取り寄せて置いたお料理を飲み食いしながら

地上で人気のムービービデオを見た。私室で。


せっかくだからと カタログを見ながら二人でデザインして合成した衣装をまとっておめかししてみた。


 執務室には、ダンジョン経営の資料として、大陸のいろいろな商品カタログが置いてある。

 これらは、ダンサンが、定番のものから、最新の流行まで、幅広くそろえてくれている。

  そのカタログを見て、ちょっと遊んだのだ。


ダンサンは 

  マリンブルーのズボン

  ライムグリーンのベスト

  レモンイエローのシャツ

  スカイブルーのフロックコート

  パールピンクのタイ


  胸元を飾るブートニアは 淡い香りの漂う柔らかなイエロー系のバラ、カクス・ドール


 袖口からちらりと見えるカウスボタンは 一見深い青色の輝きを持つ石なのだが、光を当てる虹色のきらめきを放つブラックオパール

いわゆるノーブルオパールと呼ばれるものだ。


 私は、クリーム色系でプリンセスの名を冠した、バラららしい形の花(いわゆる 古典的なケーキの上にクリームで形づくられるバラの花ね)が好きなのだが、

 最近は 花びらの重なり方がもう少し単純というか、牡丹っぽい咲き方をしたバラが増えてきたような気がする。

 それはそれで 華があるからいいのだけど。



一方私に贈られた衣装は、それはかわいい プリンセスラインのドレス。


胸元は、包み込むように 前中央に少しだけ切れ込みがはいり脇は後ろ下がりのビスチェタイプ。


そこに、肩から腕 バストを覆うケープ風で緩やかな丸い襟ぐりのレース飾りがついている。


桜色の生地に薄いピンクの透け生地やレース飾りが重なり

濃淡のグラデーションを産み出している。


私は ピンク系の服を着るのは すごく恥ずかしくて抵抗が強かったのだが、

私が何気に「このデザインいいなぁ」と指さした白いドレスのデザインを

ダンサンが桃色系できれいにまとめてしまったのだ。


おかげで 二人が並ぶと 赤青黄色と 信号機のようなカラフルさになってしまった。(笑)


なにしろ ダンサンが私のために選んだ髪飾りにはルビーがあしらわれ、手首にはレモン色の花飾りがついているのだから。



「ここまで おしゃれしてしまうと、ただ 食事をするだけではもったいないですね。

 二人で踊りませんか?」


ダンサンに手を差し出され、思わずその手を取ってしまった私。


私達は ルームミュージックを切り替え、シュトラウスの曲に載ってワルツを踊った。


(一応 リゾートホテル経営のために その手の音楽やダンスなどについても学習したのだw)


「なんだか 魔法にかけられ 夢をみているよう」みーちゃん


「たまには こうして 夢の世界の住人になって 楽しむのも良いと思いませんか?」ダンサン

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