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短編集:私がダンジョンマスターになったわけ  作者: 木苺
(5)憧れのキャンピング??
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ファミリーエリアの新設:採り採り食べ放題エリアの顛末②

日帰りエリアでの 魚モンスター騒動により、ファミリー層から もう少し刺激の穏やかなワクワク感のあるキャンプ場が欲しいとの声が上がりました。


やっぱり毎週のように、過失から魚をモンスター化させてしまうお客様が発生するので、お子様連れのグループには刺激が強すぎるそうです。


その一方で、警備係であるヒラメモンスターや、巨大カニ改めヤシガニモドキに ときめくお子様もいらっしゃって、保護者としては 心配でならないそうな。


というわけで バンガローエリアのオープンより前に、

ファミリーエリアを開設することにしました。


題して「♡幻影城のお堀端にある芝生広場♡」



╰(*°▽°*)╯ ╰(*°▽°*)╯


ダンジョンの特性を活かして産み出す幻。


それは、ダンジョン区画の壁をスクリーンにして映し出す光景。


今回は「お堀端の対岸にあたる石垣の向こうに見える天守閣」の光景にしました。


掘は 石壁に挟まれた人工の川です。


このダンジョンの壁に沿って流れる掘の中に入ることはできます。


 でも 掘の対岸には なぜか行き着くことができないのです。

 だって ダンジョンの壁に映し出された川の半分と対岸の石垣は幻影だから。


このダンジョンでは、ダンジョンマスター以外の人間が ダンジョンの壁に触れることができません。

ダンジョンアの壁に近づくと幻惑されてしまって

 「進もうとしても進めない。進んでいるはずなのに進んでいない」

そんな不思議に感覚にとらわれてしまうのです。


お堀の向こうに見える天守閣の回りの光景は季節によって移り替わりますし

天守閣そのものも 天気によって違って見えます。

 

実在するかに見えるのに 決して行きつくことのできないお城、だから幻影城。


✿ ✿


お堀には 魚や水鳥 水生動物がいます。


お堀の幅は広いので いずれ 遊覧船を走らせる予定です。


その為に 堀やお堀端にもいろいろと趣向を凝らすことになっています。


その詳細は後で述べることにしましょう。


✿ ✿


掘の手前の石垣を囲む土手。


その土手の手前に広がる木々


それらを背景に 芝生エリアが広がります。

 芝生エリアには ところどころ シロツメクサが固まって咲いていたり

 ヒナゲシがポツポツと顔をのぞかせています。


芝生エリアの脇を流れる小川は 小船を浮かべられるほどの深さをもって掘りに流れ込んでいます。


小川の対岸は野原です。


 四季折々の 野草が咲いたり 実をつけたり 

 さりげなーくハーブが生えていたり、わさびモドキが成っていたり。


「またまたぁ~ そんないたずらをして、小さな子が誤って口に入れたらどうするんですか?

 ファミリーランドに 仕掛けは無用です!」 ダンサンからストップがはいりました。


「いいじゃない ちょっとくらい。

 少しは 警戒心も持ってもらわないと」みーちゃん


「ほのぼの設定はどこに行ったんですか?」ダンサン


「ダンジョンに感情エネルギーを食わせ続ける ダン菅新方式を無視していいの?」


というわけで、未就学児を連れたファミリーは 芝生エリアの利用を推奨し、

「野原には、『わさびモドキ』が生えてます。

 この実を食べると 刺激が強いです!

 わさびモドキをかじった人に対する補償は一切しません!」

と絵入りで宣伝して 入場者には 同意書にサインさせることにしました。(爆)


野原には せせらぎが流れ、泥んこ湿地や、

雨が降った後だけ水が流れて、水たまりが残り、やがては乾いてはしまう水の通り道もあります。


あるいは やたら幅の広い川も。

 これは 自然風の人工的な川なので、水の流れているところは狭く、河原に変化をつけました。

  広い砂場風 ゴロゴロ岩野原 葦の群落

  大岩がごろんごろんとしていて よじ登て遊びたくなるところ


 あるいは 飛び石伝いに川を横切ったり、 石をどかして沢蟹を探したり

 あるいは 石を並び替えて天然の生簀を作って 小魚を閉じ込めたり・・いろいろ遊べる川



魚は メダカやモロコなど子魚だけ。

あと オタマジャクシとカエルが泳いでいるだけなので、

こどもたちは たも(網)ですくったり 手で作って 捕まえては逃がす、そんな感じです。


✿ ✿

ファミリーランドは 好評でした。


 見かけによらず、野原には植物性の食材があふれていて

 さらに クラフト材料にも事欠(ことか)かないので、宿泊して愉しみたいというご要望も多数出ました。


その結果できた新規則&新サービスが これ↓


(採集したものをクラフト材料にする場合は、クラフト用素材袋を別途ご購入願います。

 この袋の中から取り出したものは、側に居る限りはモンスター化しません。

 ただし 3m以上離れると 活性化してあなたの後をついて回るようになります。

 ゆえに 素材としてご利用になった残りは きっちりと素材袋の中にお戻しください。

 さもないと 貴方の後を ぞろぞろと ゴミがついて歩くことになります。


 なお加工済みの作品は、管理棟で購入手続きをとることにより、ダンジョン外に持ち出し可能となります。(転売不可)


 素材の残り(屑も含む)持ち帰りを希望されない作品は 素材袋に入れて、管理棟でご返却ください。) 


宿泊希望にこたえて、固定式の大型テント村エリアを増設しました。

 木製のしっかりとした床と柱を常設し、そこにテント生地をかぶせて、ロープとペグで固定した大型テント。


 だからお客様は 自分でテントを張る必要はありません。


 しっかりとした固定テントなので、3か月ぐらいは張りっぱなしでもOKなので スタッフの負担も軽減できます。


大型テントの回りは木で囲まれ、隣のテントは見えない仕組み。


一部のテントには、五右衛門風呂コーナー(井戸つき)をつけました。

 ご自分で 水を汲んで湯をわかして ご利用ください。

 マキは 林の中で集めてもいいし、「友達広場」の売店で購入してもOKです。


大型テントのある林の隣には、

管理棟・食堂・野外炊さん場・露天風呂(男女別・更衣室つき)・WCのある「友達広場」を設けました。

(実質は 中央広場と同じですね。ただ 空き地が少ないだけで)


「友達広場」には、「ファミリーランド行」の扉があります。

  その扉を開けてくぐれ抜ければ、芝生広場の横の川岸に出ます。


逆に、ファミリーランドには、芝生エリアの真ん中と、

野原の川岸(大型テント村から転移してきた場所の対岸)に

「大型テント村」行の扉があります。


これらの扉を利用できるのは、ゲートエリアで利用料を払って諸手続きを行ってパス(腕輪)をもらった人だけです。



若い人達から ちょうちょの飛ぶお花畑も欲しい♡との要望が多数寄せられました。


 ちょうちょと 青虫は一対なんですよねー。


というわけで、ちょうちょのいるお花畑は 別区画に用意しました。


そこでは 大小さまざま・色とりどりのちょうちょと花をおたのしみいただけます。


ただし 夕方4時~朝の4時の間は 青虫・芋虫が出てきます。


 というわけで 幼虫観察をしたい方は 夕暮れ時からご入場

 カップルは 日中のご利用とすみわけを(はか)りました。


中には 「美しい夕暮れを見よう」と彼女を引き留めて、

 夕暮れをバックに 顔を出した青虫にびっくりした彼女にキャーと言わせようなんて考える

 若者もいましたが。


あるいは、青虫コミでに日の入りを楽しみたいご令嬢が、

 芋虫に腰を抜かした彼氏に愛想をつかすというカップルも。 (^_-)-☆


この青虫ランド、失礼「蝶と花ランド」には、

 日の出~夕方4時までは、芝生ランドの真ん中にある管理棟から行くことができます。


 それ以外の時間帯は、ゲートエリアをご利用ください。


(安全のために ファミリーランドのご利用は 日の出~日没までとなっております)


イベント企画として 蝶と幼虫のデザインコンテストを開いたところ


子供達から モンスター案がどっと寄せられました。


 巨大青虫・巨大芋虫カラフルバージョンに 載って移動したいとか


 大きな蛾(モスラ)に載って 空を飛びたいとか。


そして(あん)(じょう) 蜂さんモンスターへのリクエストも

 (刺されても しーらない!)


大型テント村開設と同時に、バンガローエリアも開設することにより、ファミリー(こどもつき)と

個人・グループ(15歳以上)のすみわけを図ることにしました。


もっとも 五右衛門風呂付大型テントは カップルからの申し込みも多かったのですが

じっさいには 湯の沸かし方の上手下手や 役割分担でもめて、破局に至るケースもけっこうありました。


(別に カップルを引き裂くようなしかけをしているわけではありませんが

 要は 男のわがまま・未熟さ・無能さ・ずぼら加減がキャンプ中に露呈して

 女性から愛想をつかされるだけの話です。


 もしくは 女の方が良くできると嫉妬する男に 女の方がブチ切れるとか(笑) )


というわけで 結婚前に下手に同居するよりも、ダンジョンキャンプに行って

相手の性格・本性を見極めよう なんて話も 若者たちの間で流行ったとか。


 「イチャイチャするより、仕事しろ」←無能男に見切りをつけた女性の決めぜりふ

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