ダンジョン管理部(ダン管)の新方針
(ダンサンの先ほどの一言に続く、二人の会話)
「これまで 鑑賞系の多いダンジョンでしたが、そろそろ野性味を加味しませんか?
一応ダンジョンなのだから」
という先ほどのダンサンの言葉に対するミーちゃんの返事はコレ(↓)
「野性味といえば やはり 採集生活でしょうか?」みーちゃん
「採集生活って なんとなく原始生活のような気がしますが」ダンサン
「そうそう マンモス狩って、でっかい骨付き肉にみんなでかぶりつくみたいな、
って冗談は置いといて」みーちゃん
「なんだ ジョークだったんですか。
せっかく 冒険的要素が出て来たと思ったのに」ダンサン
「たしかに いずれは『スリルと刺激のあるダンジョン!』展開に行きつくとは思うんだけど・・
今はまだ いいかなって
それこそ フルーツランドやお花畑や小動物たちになじんだ幼い子たちが、成長して、冒険にあこがれだした頃に、『ダンジョン攻略!・冒険ワールド』オープンでもいいんじゃない?」みーちゃん
「長期戦略としては いいかもしれないですね。
お客様と共に成長するダンジョン。
幼い頃から老後まで 人生のあらゆるステージを共にするダンジョン
その歳になってみないとわからない 新しい出会いがいっぱい♪
なーんちって」ダンサン
「わーお、ミーちゃんダンジョン30年計画が出たよ^^v」みーちゃん
「で、話をもとにもどしますと」ダンサン
「はいはい、今現在の問題として 野性味をいかに付け加えるか?
現状では やや物足りない感があるってことですね?」みーちゃん
「そうです。
ダンジョンが 人間の興奮エネルギーを食って育つ存在である以上
常に 来場者に新たな刺激を加えて興奮させ続けなくてはいけないんです」ダンサン
「はぁ・・ そこが ほんまもんの自然環境と根本的にことなるダンジョンの怖さですね」みーちゃん
「そうなんです。
本物の自然には調和が必要だから、人間は安らかに穏やかに過ごしている方が望ましいんです。
ガツガツと欲に駆られて乱開発に走ると自然が壊れる。
でも ダンジョンは 人間(生物)が欲望をたぎらせて自滅しようと絶滅しようとかまわないんです。
興奮エネルギーを撒き散らかす次の獲物(生物)が来るまで、休眠して待てばいいだけですから」ダンサン
「めっちゃ 怖い。」
「だから ダンジョンのある大陸は荒廃する運命にあるというのが、最近の学者の見解です」ダンサン
「だからこそね、ダンジョンを上手に育てて、
人間達はダンジョンで楽しみ、そこで気持ちをリフレッシュさせて、
自分たちの住む大陸や自分たちの生活を活力を得るように持って行こうというのが、
この度 新しく決まった『ダンジョン管理委員会の新方針』です」ダンサン
「えっ そんなの聞いてない」
「あっ これ 今届いたばかりの最新情報です」
そういって ダンサンは さきほど読み終えたばかりの紙を差し出してきた。
「お客様からのご要望をまとめていたのじゃなかったの?」
「こちらがさきほどまで読んでいた『ご感想ポスト』の中身で」と言って机の上の紙束をおさえ
「それらをまとめたのは、すでにインプット済みです」とモバイルを指した。
「ご感想を読み終えたので、続けてダン管からの連絡を読み終えたばかりです」ダンサン
「で、読み終えてすぐに 野性味云々の話が出て来たわけ?」
「そうです。じっさい それ系の要望の割合は 一貫してありますから」
とモバイルの画面に「ご感想」の集計一覧ページを呼び出しすダンサン。
「うわぁ 流れるように作業をしてるぅ~」
(彼が優秀なのは 知ってたけど、展開の速さにちょっとびっくり)
「すみません、前置きを端折りすぎましたかね」ダンサン
「あっ うん びっくりしたけど ちゃんと追いついた・・かな?
ほかに 話してないことは?」
といった具合に話がすすみ、これまでの 宿泊ホテル・リゾート型(イベント会場付き)ダンジョンエリアに加えて、野性味を加味したキャンプエリアを加えることとなった。




