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短編集:私がダンジョンマスターになったわけ  作者: 木苺
(2)育て!ダンジョン:運も不運も気の持ちよう!厄払いは運気転換のチャンスです♡
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  ダンジョンの成長と転移陣

・一口に「ダンジョンの成長」と言っても 三つの要素があるらしい。

 一つはコアが支配する領域の拡大

  俗にいうダンジョン領域の拡大である


 二つ目がダンジョンの構造化


 三つ目が コアやコアが置かれたコアルームの拡大


・速い話が コアに成長を任せっきりにすると、コアのある最初の部屋コアルームがひたすら膨張していくらしい。

そしてコアが鎮座する床面がどんどん沈下していく。


そこで あわててオーブに命じてコアルームの拡大を休止させ、しばらく成長エネルギーをコア内部にため込むように指示した。

 現在のコアの大きさでは ため込める成長エネルギーは3日分。


・・

「現在のコアの大きさ? コアも大きくなるの?」みーちゃん


「コア本体を膨張させたり、コアを分裂させる手法がないわけではなりませんが、

 それをうかつにすると、コアが爆発したり、暴走して、大陸全体が崩壊した事例もございます。

 それゆえ コア本体の調整に関しては、ダン管の特別管理部の管轄におかれています。


 しかし 一般的に言って、コアを置いた部屋=コアルームが拡張するほど、コアの成長エネルギーをより多くため込むことができます。


 それゆえ 一般的には「コアの大きさ」とは、「コアルームの大きさ」を意味するものとお考え下さい」シツジ―


「なるほど、マル秘事項に抵触しそうな情報は、シツジ―さんに尋ねないと教えてもらえないのね。」


私の感想を華麗にスルーするシツジ―

 この人って、宝くじに当たってダンジョンマスターになった人を補助するだけでなく

 宝くじを使って大衆の中から釣り上げた人間に、ダンジョンの種の育成実験をやらせる勧誘銀行の手先かも?

 まっ いいか。 それならそれで、遠慮なく この人を通して、ダン管からの便宜や支援を引き出そうっと。


 

・話をもとにもどすと、オーブを使って ダンジョンを設計通りに建築していくことを「ダンジョンの構造化」という。


 構造化できる範囲は、コアが支配する場所=「ダンジョン領域」のみである。



「ということは、コアルームの成長を抑えて、ダンジョン領域を広げるように命じることもできるわけね?」


「さようでございます」


「ダンジョン領域の広がり方もオーブを使って設定することができるの?」


「詳しくは補足資料2をご覧ください」


出たー!新資料!


「ダンジョン機密を守ることが ダンジョン及びダンジョンマスターの安全性を高めることになりますので」

 しれっとした顔で補足説明をするシツジ―


 というわけで、コアルームに3日分のエネルギーをため込んだあとは、ダンジョン領域の拡大にエネルギーを回すことにした。


 コアルームにエネルギーを充電する3日間の間に、補足資料2を読み込んで、ダンジョンの構造化とダンジョン領域の拡張についてしっかりと勉強した。


・・

 ちなみに、ダンジョンコアに命名したことにより、マスターはエネルギーの塊のようなダンジョンコアと、その意識体であるオーブを分離して扱うことができるようになった。


 おかげでコアのあるコアルームはどんどん地下に沈んでいっても、

 オーブを保管してオーブを扱うマスタールームは、ある程度地表近くに固定しておくことも、状況に応じてマスタールームをひっこしさせることもできる。


 オーブを自由に移動させることはできるが、オーブとコアの間の距離が離れすぎてはいけない。

 たとえて言うなら、コアはコンピューターの本体、オーブはキーボードである。



・なぜ マスタールームを地表近くに置く必要があるかといえば、ダンジョン管理部で扱っている転移装置の転移距離が限定的であるからである。


すなわち 地表から1回の転移で移動できる距離には限度があるということ。


だから ダンジョン深部まで移動したければ、階段を作って歩いて降りるか、動力装置とエレベータ―を作って設置するか、自力で転移陣を作って増設しなければいけない。


それゆえ、ダンジョン管理部から貸し出される最初の1組の転移装置をフル活用するには、

転移陣やマスタールームの設置場所等をよく考えて選ばなければいけない。


 ちなみに転移陣の購入は 原則不可らしい。

というのも 管理部で扱っている転移陣は、管理部が所有する「転移陣制作専用ダンジョン」で作られているからであり、現在 汎用型転移陣を作成できるのは、管理部が所有するダンジョンのみなのだ。


その他のダンジョンでは、そのダンジョン専用の転移陣が作れなくはない。

 ただし 実用的な転移陣を作るためには、コアの品質・コア制御装置(マスターによってコアが命名されることによって完成する装置、私のダンジョンではオーブと呼んでいるモノ)・マスター、この三者の能力が大きく関係しているらしい。


 マスターが上手にダンジョン領域を広げたり、ダンジョンを構造化することによって

 ダンジョンの維持エネルギーが小さくなり、


 マスターが上手にダンジョンを運営することにより、ダンジョンの吸収エネルギーが増え


 ダンジョンが吸収するエネルギーが増えれば コア本体が成長し、


 オーブは マスターに使われることにより、いろいろな癖が身に着くので

 マスターが上手にオーブを使いこなせば、オーブの機能性や操作性もアップするそうな。



わーお!

 マスターの責任重大


道理で ダン菅での試験の中に、マスター適性検査に性格検査や知能検査なども含まれていたはずだわ。

 あれ? 一般的な職業別適性検査とは別に、対人関係に絡む項目に特化した性格検査があったのはなんで?


「それは 10年間 密室で ともに作業にあたることになる、マスターサポーター選定の資料とするためでございます」


「うーわー、シツジ―さん あなたが 私との相性良しとして選ばれたのですか?」


「そこは 御想像におまかせします」


(実際には、相性の良さがある一定の範囲内に収まっていれば、

 あとは こちらで どのようにして マスターさんに合わせて行けばいいか、対応を工夫する資料としても 使わせていただいているんですけどね)とは シツジ―さんの胸の内

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