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第19話 初授業へ

ラウスは陛下に貸してもらう家を見に行った。


「ラウス様、こちらになります」


 王宮のメイドが案内してくれる。


「昨日のうちに清掃を入れておきましたので綺麗になっているはずです」

「ありがとうございます」

「陛下からは好きに使うようにとのことです」


 そう言うと、メイドは粛々と一礼し、王宮へと戻っていく。


 ラウスは陛下からもらった鍵で玄関を開けると、家の中に入る。


「結構、広いな」


 1人では持て余してしまいそうなほど広い部屋だ。

一通り家の中を見て回ると、そろそろ出勤の時間になっていた。


「行きますかぁ」


 今日はラウスの初授業である。

コートを羽織って学院へと向かう。


「おはようございます」

「おはようございます!!」


 警備中の衛兵に挨拶をして学院内に入る。

教室に向かって歩いているときは初めてのことで少し緊張していた。


「みんなおはよう」

「「「おはようございます!!」」」


 ラウスは教壇に立つ。

元気の良い挨拶が帰ってくる。


「では、早速授業を始めます。まず、この学院は魔術の基礎を学ぶ座学と実践があります。今日はみんながどこを目指したいのかを聞いておきたいと思います」

 

 この学院を卒業したら就職先は色々ある。

魔術を生かして冒険者として活動する者、王宮の宮廷魔術師になる者、魔術大学院で魔術の研究する者といったのが多い。


「冒険者になりたいって人は?」

「「はい!」」


 クラスの8人は冒険者を目指す者であり、残りは宮廷魔術師を目指している者だった。


「宮廷魔術師は狭き門だ。これから3年間、きちんと勉強するんだぞ」


 実際に宮廷魔術師になったから分かる。

王宮の魔術師の採用は年に6人ほどである。

そこに食い込むのは容易なことでは無い。


 その分、宮廷魔術師の給料はいいので目指す者も多いのである。


「では、今日は汎用魔術について教える」


 汎用魔術とは一般的に使われている魔術のことである。

魔術適正があれば使用することができる。


「まず、魔術というのは詠唱が必要になってくる。例えば、そうだな」


『光の精霊に願い奉る。我が願うは雷精の紫電。ショックボルト』


 ラウスが詠唱すると、電撃が発射される。

この教室は魔術耐性が付与されている為、多少の魔術を使っても問題無い。


「これは全員できるよな?」


 ラウスの問いに皆んなが頷く。


「素質がある者なら、ショックボルトの一説だけで発動させることも可能だ。これが出来るものは?」


 ラウスの問いに手を上げたのは4人だった。


「まあ、これは今後覚えていけばいい。魔術ってのは人の心を突き詰めるものなんだよ」


 言葉で世界に影響を与えるのが魔術である。


「要は、連想ゲームだ。それができたら」


『雷精よ』


 ラウスの一言で魔術が発動した。

それに生徒全員が驚きの表情に変える。


「まあ、このくらいの改変なら出来るようになるさ」


 そのとき、授業の終了を知らせるチャイムが鳴った。


「では、今日の授業はここまで。明日は固有魔術について話そうと思います。午後からは実習なので遅れないように」


 ラウスの初授業は終了したのだった。

そして、昼食を挟んでラウスは実習へと進む。

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