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第18話 住まい

 全ての業務が終了したら、ラウスは王宮へと帰る。


「部屋も探さなきゃなぁ」


 陛下からはずっと居てもいいと言われているが、流石にずっとお世話になる訳にもいかないだろう。


「おかえりなさい。初出勤はどうでした?」


 アーナが出迎えながら尋ねてくる。


「うん、まだ授業はやってないけど結構楽しそうだよ」

「馴染めそうならよかったです」

「紹介してくれてありがとうね」

「いえいえ、本当は教授待遇にしたかったんですけどね」


 学院長の下に教授という役職者がいる。

ほとんどの教授が講師から上がっているそうだ。


「いいんだよ、俺は講師くらいがちょうどいいさ」

「でもきっと、ラウスさんならすぐに教授に上がっちゃいそうですけどね」


 アーナはそう言って笑みを浮かべた。


「陛下って、今は忙しいかな?」

「多分、大丈夫だと思いますよ。この時間はリビングに居るはずです。何かお話が?」

「うん、ずっとここにお世話になる訳にもいかないから、どこか部屋を紹介してもらおうかと」


 流石に王宮にずっと住み着いているのは気が引ける。


「出て行っちゃうんですか?」

「でも、王都にいるし、会いにくるよ」

「嬉しいです」


 アーナは王女という立場上、あまり自由に外に出ることができない。

だから、ラウスの今までの旅の話や冒険の話を聞くのが好きだった。


「陛下、少しよろしいですか?」

「おう、帰ったか。大丈夫だよ」


 陛下はメガネを外しながら言った。


「流石にずっとお世話になる訳にもいかないんで、どこか部屋を借りようと思うのですが、どうしたらいいとかありますか?」

「そうか、私としてはずっと居てくれて構わないんだが、そういうことなら手配しよう」

「ありがとうございます」

「一軒家とかどうだ? ちょうど近くに誰も住んでいない王家所有の家があってな。せっかくならそこに住んでくれると嬉しいんだが」


 一軒家というのはラウスの夢でもあった。

宮廷魔術師としてもっと成功したら一軒家を買うのも悪くないと思っていたのだ。


「ラウス君なら年王金貨7枚で貸せるが、どうだ?」

「安すぎませんか? 一軒家ですよね」

「そんなに大きくはないがね。君は恩人だ。借りは返させてくれ」


 王都の一等地で王金貨7枚は破格である。

通常なら倍以上はしそうなものだ。


「いや、もう十分すぎるほど返してもらってますよ」

「いいや、あの時ラウスくんがいなかったらアーナは殺されていたか、どこかに売り飛ばされていたかもしれん。私から言わせればまだまだ足らんくらいだ」

「では、お言葉に甘えさせてください」

「うむ、なら明日から住めるようにしておこう。ずっと空き家だったから誰かが住んでくれるなら嬉しい」


 こうして、ラウスは夢の一軒家を手にすることが決まってしまった。

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