オルフェウスの約束
夜空の彼方に
耳を澄ませば
かすかに聞こえる
竪琴の音色
オルフェウスは奏でる
それは愛の詩
木々はざわめきを
小鳥もさえずりをやめて
美しい詩と音色に
酔いしれる
アケローン河の渡し守も
たとえ
相手が冥府の神でも
愛する人を
取り戻すため
約束はただ一つ
決して
ふりかえらないこと
ずっと逢いたかった君に
あと少しで逢える
聞こえてくる君の足音
すぐ後ろに君がいる
その刹那、
彼はふりかえる
愛とは
ふりかえることなのかも
知れない
楽しき日の想い出を
交わした優しい言葉を
あたたかなその微笑みを
いつも胸に抱き
忘れないこと
そして
大切な人が
闇の中にいるなら
ふりかえらずには
いられないこと
それが
彼の愛だったから
それが
誓った約束だったから
竪琴は奏でる
それは愛の詩
詩人の想いは星となり
地上には物語が残った
貫いた愛は時を越え
今も夜空に
響き続ける




