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時のトキ  作者: ガオ
ハジマリノトキ
2/4

幸せ

俺は産まれた。

産声を上げる事なく、鼻から酸素を取り込む。


「大変!この子息出来てないわ!」

「な、なにぃ!ど、ど、どうすれば・・・」


その後逆さまにされたり、背中を叩かれたのでとりあえず、泣いておいた。


まさか、自我がある状態で赤ちゃんスタートだとは・・頭脳は大人!身体は子供!その名も・・・まだ名前はないか。



しばらくの間赤ちゃん生活に勤しんだ。


「はぁい!ジーちゃんおっぱいの時間ですよー。」


これが母。ブランドヘアーで、恐らく二十代前半であろう。綺麗な髪とパッチリ二重、そして美乳であった。


「・・・」


俺のハッスルタイムを陰から見ているのは父だ。

三十代前半で、渋めのグレーな髪、引き締まった筋肉、そしてキリッとした目で、仲間になりたそうにこちらを見ている。

仲間にしますか?イエス オア ノー

アイム セイ ノォー!!

父は悲しそうな目をして去っていった。


俺はジーク・ブルースと名付けられた。

母よ…ジーちゃんはやめてくれ。いろいろと複雑な気分になる。上手く喋れないから伝えれないのが残念だ。



それから5年が過ぎた。

この世界の事も少し分かってきた。

文明は恐らく中世、電化製品は一つもなかった。

代わりに、魔法があった。薪に火を着ける、洗濯物を洗う時の水、それらは当たり前のように魔法で行っていた。


俺も身体の中に流れる魔力?なるものを感じ取れるようになってきた。


「リトルファイア」


今日も食事の準備に母が魔法を使っていた。

魔法は恐らく魔法名を詠唱し、その分の魔力を注げば発動するらしい。


今日は魔法使ってみようと思う。

火は危ないから、風属性のウインドをやってみよう。


「ウ、ウインド」


手を前にかざして唱えてみた。

身体の中心から手の先に向かって魔力が流れていく。


ブワッ!


家の中で突風が吹き荒れた。


「きゃっ!え、ジ、ジーちゃん??」

「あ、あのごめんなさい…」


まさか一回で成功するとは…


「今のはなんだ!」

「あなた…ジーちゃんが…ま、魔法を…」

「ジークが?」

「父さん、母さんごめんなさい。」

「五歳で魔法なんて…きっとこの子は天才よ!」

「ああ!魔法学院に行く前から使えるなんて貴族くらいのもんだ!だが、ジークいいか。魔法の練習は外でしなさい。」

「は、はい!これからはお外でするよ。」

「簡単な魔法ならお母さんが教えてあげるからね!」


よ、よし!成功でもあり、失敗でもあったが初めての魔法は出来た!これからの許可も得た事だし、万事うまくいった。明日から毎日練習してチートでも目指すか…







この時は、自分の力に自惚れていた。

人は失う事で幸せを知り、失う事で後悔をする生き物なのだ。

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