9話 セドル
なんか説明多くね?って思われる方々も多いと思います。
自分自身もそう思います。
シャネ邸から馬車で30分の所にあるセドル。
ここはレックロームの都市だ。
雰囲気はこんな感じ
↓
広場の中心には噴水があり、食べ物や装飾品を売る屋台が所狭しと並んでいる。
噴水を中心として道が8本、放射線状に走っている。
噴水の直径は約25メートル。
丸いがこのサイズはプールだ。
十字の道は日本の道路4車線から5車線程あり、メインストリートだろう。
高級感のあるレストランにバーラウンジ・服屋に宝石店・武器屋から薬屋などが並んでいる。
斜め45度に通る道は道路2車線ぐらいかな?
少し古い定食屋など、メインと同じ店のレパートリーだが、こっちの方が俺は好きだ。
言い方は悪いが庶民的なのだ。
そして路地が複数あるが、上から見たら正八角形にみえるだろう。
路地はお決まりの怪しい店だ。
道幅も2メートル位しかない。
鍛冶屋や製鉄所は町外れにあるそうだ。
海沿いに行けばビアガーデンらしき場所もあり、漁港もあるそうだ。
それはまたのお楽しみにしておこう。
組合はメインストリートにありレックローム入り口の門に一番近くなっているらしい。
逆に教会は一番遠い場所で、海に一番近い。
不仲なのかと聞いたら
「その逆だ。
連携がしっかりしていから海岸付近の厄介事は教会で対処する。
それ以外は組合が対処する。
揉め事が起きたら直ぐにどちらかが駆けつけられるようになってるんだ」
頭いいなぁと感心した。
「組合は屈強や猛者が居るのは何となくわかるが、教会もそうなのか?」
俺の疑問はもっともだろう。
筋骨隆々の冒険者が強いのは分かるが、シスターがムキムキは夢がない。
「教会にも戦士はいるが、組合員が駐在してる事が多いんだ」
だそうです。安心してください母さん、セドルは想像以上良いところです。
冗談はさておき、
夕飯を食べたいのだが、先ずは服装だな
俺だけ少し浮いている。
周りをみると獣人やドワーフっぽい人はなかなかゴツい格好をしている。
ジーンズにロンTは見当たらない。
「物をお金にしたい場合はどこがいいんだ?
この世界に準ずる服がほしいんだけど」
「それならあたしが買ってやるよ」
おいおいコイツは俺にヒモ男子になれってか?
「あざっす!!」
おっと、心の声・・じゃなくて思ってもいない事を口にしてしまった。
あまり高そうな店は苦手だが、ここは文句を言わずについていこう。
中央の噴水から30分ほど歩いた。
「着いたぞ」
まさかの路地裏スタイル。そんなフラグ立てた覚えはありません。
「おぉい!ナーサ!アタシだ!」
「今いくからちょっとまってぇ」
嫌な予感がする。イヤではないが声からして幼い。
「シャネぇ!!長旅ご苦労様ぁ!」
予感的中。見た目がシャネとほぼ同じ年齢だ。しかしシャネと違って胸にメロンが2つスタンバっている。
「えぇっとこの方はどちらさまですか?」
「名前はハクレイです。
シャネとは旅仲間ですかね」
「シャネのお仲間さんですか!?
私はナーサっていいます。
メックのオーナーです」
「自己紹介はもぅいいからコイツに似合う服を適当に見繕ってくれ。
職業は明日の教会で適正診断をしてから決めるから装備はまた後日な」
適当って雑だな。
「んん~変わった服装ですね。
この方のセンスを残すならこんな感じのロングコートとかの方が良いですかね?
羽織れば冒険者っぽくなるし」
「じゃあそれでいいや
いくらだ?」
「9万5000HCになりまぁす」
「相変わらずだな。
買った!!」
「まいどありぃ。
さすがシャネだねぇ。その即決が格好いぃわ。
大好きぃ!」
色々とついていけない。適当過ぎだし即決だし、そもそもヘックってなに?9万は高いの?普通なの?このダブルメロン娘も売れてニコニコしてるし、大好きとかそっち系ですか?
「まぁ着てみなよ。
この素材は暑い日は涼しく、寒い日は暖かい合成素材だから。
動く時も楽だよ」
それは凄い。早速着てみる。
おぉ!軽いし動きやすい。実は隠れた名店なのか?これは9万5000HC出す価値があるのだろう。たぶん
「アタシからのプレゼントは気に入ってくれたか?」
「あぁ、最高だよ。でも本当にいいのか?
高いんだろこれ。」
「気にすんなって。アタシたちは知らない仲じゃない。
・・・仲間・・なんだろ?」
なに照れてんだ?こっちまで恥ずかしいわ!
「フゥゥゥ!!」
ナーサがおちょくってくる。このメロン娘が(怒)
売れたから調子に乗ってんな?
「親友として応援してるからね!
シャネがんばってね!(笑)!」
はい。誤解全開の脳内お花畑さんが出来上がりです。
しかも!(笑)!の表現はかなりおちょくってやがる。
「そっっそんなんじゃなぃ」
やめろおぉぉ!!こっから先が気まずいわぁ!!童顔メロンに乗せられるな!!
こうなったらーー
「おいシャネ!気をしっかり持て!!
自分を取り戻せ!!!」
「おっおまえなに言っ『次の店いくぞぉ!』あぁ」
シャネの腕をつかんで出口に向かう。
「またどうぞぉ(笑)」
最後まで(笑)かよ。
なんとかメックから抜け出すことが出来た。
だが、この後の予定は決めていない。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
はい、気まずいぃ!!!
「ハクレイの服も買えたし今日は帰るか?」
「そーですねえー(いい○も風)」
こうして俺たちは帰路に就いた。
シャネ邸に着いたが俺は車で寝ることにした。
言い訳として少し考えたいことがあると伝えたらあっさりOKを貰った。
そもそも家に入れてくれる気は無いのだろう。
車からイスを出し澄んだ夜空を見上げる。
そして座って考える人のポーズをとるぐらい本気で悩んでいる。
それは、
視界のアイコンが最初以降に凝視してもなにも起こらないことだ。
あと寝れないこと。
一時間ほど考えた結果以下の結論に至った。
そもそも視界の電源マークは意味がない。
ステータス見れて何の意味があるの?この世界はアニメや漫画・ゲームのようにステータスの数値化がされてないから。
次は睡眠時の意識の分離だ。
夜寝れないのは辛い。
暇つぶしに小説を読みたいが、例の如く小麦粉してしまう。
寝たい。何とか分離した意識を外に出せないものか?
別の生物とかに憑依させるとか、別の生命体を・・・・
[分離する一部の意識を分身体として創生します]
「おぉぉ!きたきたきたぁぁぁ!!」
目の前で七色の炎が燃え上がる。
その炎は周囲を昼間のように照らし、そのまま空中で小さく圧縮されていく。
圧縮された炎の中からへんなうめき声が聞こえてきた。
「何事だ!?」
シャネ邸から騒ぎ声が聞こえてくる。さすがにこの炎の光は目立ちすぎだな。
しかし、なぜかこの炎からは恐怖感がない。
何か得体の知れない生物が生まれてくる。直感?たぶん違う。確信はある。
ソフトボール位に圧縮された七色の炎は静かに地面に着地し、そのまま地中に埋まっていく。
ん?おいぃぃ!!埋まっちゃだめだろ!!
ここまで引っ張ってまさかの不発とか無いわ!
あれ?よく見ると発芽してね?
埋まって数秒で葉っぱが七枚出てきた。
「ハクレイ大丈夫か!?」
「俺は大丈夫だけどこれ」
芽を指差し苦笑いしながらなにが起きたか話した。
「もうめちゃくちゃじゃないか!!
大人しく寝ろよ!今何時だとーーー」
約1時間の説教を聞かされた。
「さーせん」を何回言わされたかわからない。
すっきりした顔でシャネは邸宅に帰って行った。
俺もいすを片づけてベッドに入る。
「どうせ寝れないんだよなぁ・・・Zzz」
ふつうに寝れた。