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5話 道中

 文章の書き方がを少し変えてみました。


 ちと長いです。

 


「・・・・・・」


「・・・・・・」


 アルマと別れてから約3時間。

 運転席と助手席の距離で全く会話がない。ギスギスした空気の中ひたすら走らせる。

 馴れてない道を運転するのはかなり疲れるのだが、信号もない草原は疲れることもない。

 だからこの微妙な空気が堪らなく辛い。


「もう少し先に湖があるからそこで休憩しよ」


「おぉぉう」


 急に話し出したな。ずっと肘をついて窓を眺めていたからかなり不機嫌なもんだと思っていた。乗り心地も馬車と違ってかなり快適だろう。

 結局ははしゃぐの我慢して大人を演じていたんだな。


「湖って車で近くまでいけるもんなのか?」


「ちょっと道が悪いけど馬車で通る事が出来るから大丈夫。

 この先道が2つに分かれるから右に行ってくれればいいから」


 でもなんか微妙に冷たいんだよなぁ。


ーーー1時間後ーーー


「この道あってんのか?」


「なにが?」


 明らかに道が無い。いや、あるんだけど道じゃない。無理やり馬車を突っ込んで道にしました的な感じだ。


ーーーガッガサガサッギィィーーー


 おいおい新車ですぜ?屋根と両サイドが枝で引っかかれてる音がする。

 ミラーなんて内側に向き始めちゃってるよ。


「もう少しで道が開けるから。

 そしたらすぐ湖だよ。」

 

「さっきのもう少しから1時間以上走ってるのに更にもう少し?

 到着は15時ですねぇ。

 ぁああぁあ腹減ったぁぁ」


「着いたらご飯にしていいから頑張って!」


 それから本当に1時間走ってやっとの思いで湖に着いた。

 日本の湖とは違う明らかに自然の中の湖だった。


「んんんっ着いたぁぁぁ!!」


 車を降りて大興奮で湖に駆け寄る。

 まるでジ○リ映画のも○のけ姫に出てくるような湖だ。


「ハクレイは湖を見たことがないのか?」


「そんな事はない。でもここまですごいのは見たことがないな」


「確かにここは特別な場所だからな。

 昔はアルマとよく来たもんだよ。

 懐かしいなぁ」


 少しだけ機嫌がよくなったようにみえる。 


「そういえばここにたどり着く間の草原は本当になんもなかったな。

 一定の間隔でポツポツ家があっただけだし。

 あれはなんの家だ?」


「他の王国の人がヘイル王国に出入りするにはカルミスを通らなきゃ来れないからね。

 一定の間隔で見張りの為の拠点としてあんな感じにあるのよ」


 見張りって戦争とか物騒なことでもあったのか?

 そのあたりは全く想像ができない。

 元の世界では縁のない話だっからなぁ。

 こんなに綺麗な湖を前にしてネガティブになるのはやめよう。

 せっかく4時間以上も走ってきてんだ。休憩を有意義に過ごそうではないか。


「ご飯にするけど俺と同じでいいか?」


「作ってくれるならなんでもいいぞ」


 なるほどなるほど。

 こいつは駄目な主婦だ。手伝う気がまるでない。たぶん何でもいいと言いながら出てきたら文句をいう奴だな。


「よし!カレーにしよう!!」

 

「カレー?うまいのか?」


「まぁ出来てからのお楽しみだ。

 準備するから待ってろ」


 遂に念願のキャンプ初日です。

 1.まずテーブルとイスを用意します。

 2.次にお湯を沸かします。

 3.沸騰したお湯にレトルトカレーの袋を入れて温めます。

 4.レトルトカレーを温めてる間に備え付けの電子レンジでパックご飯をチンします。

 5.電子レンジで温めたパックご飯を皿に盛りつけ、レトルトカレーを盛り付けて出来上がり。


 休日の独身貴族飯完成です!!


 ・・・・・キャンプ感ねぇな。

 だが!!

 キャンプは何を食べるかではなく、どこで食べるかが大事!!

 場所と雰囲気が大事!

 大体はシチュエーションで乗り切るのがキャンプだ!!

 気分良くテーブルまで運ぶ。


「おっ!なんかいい匂いがするぅ」


「ふっふっふっ

 俺の世界の国民的かつ家庭料理のカレーだ!

 うまいぞぉぉ!!」


 とは言っても基本辛口しか俺は食べない。だからこのカレーもすべて辛口だ!!

 シャネには悪いが辛さで悶えてくれ。

 これも社会勉強の一環として・・・


「おおぉぉ!!これは旨いなぁ!!」


 ん?あれ?辛くないのか?お子様には結構な辛さのはずだが・・・


「この舌にピリッとくる香辛料特有の辛さが堪らないな!!

 ここら辺じゃ香辛料は高価だからこんな風に贅沢につかえないぞ!」


 まぁ気に入ってもらえたならよかった。

 この静寂の中二人でカレー頬張るとスプーンと皿のカチャカチャ鳴る音がとても大きな音に聞こえる。


「旨かったぁ」


 2人して食べ終わると目が合う。なんか笑えてくる。

 シャネが笑いながら


「もういい時間だから今日はここで夜を越すことにしよう。

 山は暗くなったら無理に行動するのは危険だからな」


 完全にキャンプだ!!しかもソロではなくデュオ!!

 

「それなら俺は薪を拾ってくるからゆっくりしててくれ。」


「気をつけてな。

 あんまり奥まで行くなよ」


「わかってるって。保護者みたいなこと言うな」


 念願のキャンプ。1週間位このままでもいいが、レックロームという目的地がある以上あまりのんびりはできないだろう。

 次はいつこんな素晴らしい湖に出会うかわからない。

 今のうちにこの雰囲気を堪能するとしよう。


 薪を集め火をつける。チビファイヤー完成。

 暗くなってきたので一応ランタンも用意しておく。


「ハクレイと出会って驚きの連続だな」


「急にどうした?」


「いやなに何となくだ。

 出会ってまだ2日しか経っていないのになんか落ち着くなと思ってさ」


 おおおぉふ。なんか恥ずかしいし照れるな。恋人みたいだ。

 シャネは若いがかなりの美貌だ。

 理性をしっかり保って紳士に振る舞う事が大人の男性と・・・

 静かな森の中で美女と二人で誰にも邪魔されずにキャンプ。

 しかも寝るときはキャンピングカーとはいえ狭い車の中。

 

 ・・・・・・・・・・・・



 のぉぉおおおぉぉぉ!!

 頑張れ俺の理性!!頑張れ!!!


 こんな時に不埒な妄想をしてしまうのが男の子の悪いところだ。

 とりあえず話題を変えよう。


「確かレックロームまで領地を2つ通るんだよな?

 なんてとこだ?」


「あぁ、ディブロとワレインの事だな。

 一番近くがディブロで主に魔道具とか武器とかの装備品がメインだ。

 王都の武器もディブロから仕入れてるくらいだ。

 元々職人が多くてドワーフが王国内で一番多い。

 鉄や金なんかは国内では一番多く採掘できる場所だな」


「ドワーフとか会ってみたいな。

 そこに人間は居ないのか?」


「人間がいないとこなんてないぞ?」


「あれ?アルマさんが人間は少ないっていってた気がするぞ。」


「アルマは世間知らずと言っただろ。

 カルミスから殆ど出ないから他を知らないんだよ。

 んであとはワレインだな。

 そこはドライアドとかエルフが多いとこだ。

 領土の大半が森になってて精霊や稀に神獣とかも居たりする。」


「神獣?神様の獣ってなんだ?名前からして凄そうだけど。」


 神の名が入るって凄いことだよな?龍とかの架空生物が実在するのかな?


「凄いなんてもんじゃないよ!

 森の管理人のドライアドですら一般的にはお目にかかれない存在だからね。

 神獣もそうだけど、神霊も一生に一度だってみることは出来ないよ。


 神獣の最後の目撃情報は865年前で神霊の目撃情報に至っては0なんだからね?」


 おいおい目撃情報が0ってそれは架空生物じゃないのか?

 865年前だってほぼ0に等しいと思うが・・・・

 

「まあいいか。それじゃ見つけることは無さそうだし、そもそも会ってどうこうも無いな」


 なんとか普通にシャネと会話できるようになったな。

 この後も永遠と神獣と神霊について語ってくれた。

 それにしても神話級の生物の事でやたらと暑く語ってくるとは・・・相当惚れ込んでいるな。

 今までで一番目が輝いてる。まだまだ子供だな。

 気がつくとあたりは真っ暗でランタンの光とチビファイヤーが湖の水面に反射してとても綺麗だった。


 なんだか一気に話したからなのかシャネはイスの上でウトウトしていた。


「そんなとこで寝ないで布団で寝ろよ。風邪引くぞ」

 

「ハクレイはいつ寝るの?」


「もう少ししたら寝るから先寝てろ」


「わかっらぁ」


 あいつ大丈夫か?冒険者としてチョイチョイ心配になる。

 一時間ほど小説を読み、俺もそろそろ眠気に勝てなくなってきた。

 チビファイヤーを消しランタンを持って車に向かう。


「・・はく・・・・・・ね・・」


 ?


 なんか聞こえた?

 いやいや気のせいだ。


「・はく・・」


 !?絶対聞こえた!!

 いやだ 無理 怖い!!3拍子揃った。こんなとこで声とかマジで無理っすよ。

 

 「はく・・・きっとすぐ・・きっとね」


 車まで猛ダッシュ!!直ぐに鍵を閉めて布団に潜って寝る!


 幽霊関係は無理です。はい。


 あと2話か3話でテンポがよくなると思います。

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