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38話 ダンジョン

 パック邸に帰宅した俺は特にする事もないので風呂に入る。

 しかし風呂に入るにもメイドがついて来て服を脱がす手伝いをするとか、背中を流すとか結構対応が面倒だ。

 その全てを断りやっとの思いで入浴

 無駄にデカい風呂に一人で浸かりながら今後の事を考えようとしたが、既に社長なのだから残りの人生は会社がある限り安泰だ。

 王国との小競り合いさえ無ければ平穏な日常を送れるだろう。

 趣味のキャンプをするも良し。

 堕落した生活をするも良し。

 なんか人生に光が見えて来た!


 風呂から上がり食堂で食前酒のワインを飲み夕飯を頂く。

 さすがシェフを雇っているだけあってうまい。

 強いて言うなら酒の趣味が少し合わない位だ。


 そうだ!!

 酒を作ろう!

 日本だと免許が必要だとか酒税法違反がどうとかあるがこの世界なら関係ない。

 ブランデーに日本酒何でも作り放題だ!

 そんな事を考えているとパックが帰ってきた。


「もう風呂に入って夕飯を食べているのか?

 やる事が早いな」


「まぁね。

 それより俺さ、酒作ろうと思うんだけ」


「却下」


 えぇえ!?返事早くないか?


「それよりハクにはやってもらいたいことがあるんだよ。

 やってくれるか?」


「いや、内容を言ってくれよ。

 じゃなきゃ判断できないだろ?」


「そこは任せろじゃないのか?

 まぁいい。ハクに任せたい事はある種キャンプだ。

 キャンプ好きだろ?」


「普通のキャンプは好きだがお前の言い方はキャンプじゃなくてサバイバルみたいで多分嫌いだ」


「助かるよ。実はお前が居なくなったあの日から謎のダンジョンが悲惨なほど沸き続けてな」


 助かる?まだ引き受けていないよ?


「商会で把握してるだけでもこの数年で30はある。

 ジェイドに素材採掘の名目で色々調査しているんだが・・・」


「ジェイドの身に何かあったのか!?

 さっき会ったけど元気だったぞ!?」


「アイツ弱すぎて浅い階層しか調査してこないんだよ」


 心配して損した。

 確かに俺の添えたパンチで吹っ飛び、2時間も気絶していた男だからな。


「そんな時こそ冒険者を雇って調査するもんじゃないのか?」


「今この国は冒険者組合と王国騎士が協力して国の警備をしているんだ。

 組合員の中でも優秀な奴は王国騎士団に所属している。

 王国に所属の奴は何人かいるんだが、弱い奴の比率が多くてな。

 それにジェイドもお前からしたら弱いが、組合では強い部類に入っているんだぞ?」


 確かに王国騎士団にオドが居たぐらいだからな。

 5年前より守りを固めるってなるとそれ位しないとダメってことか。

 社長なんて名前だけだしある種キャンプならやってもいいかな?ダンジョン行ってみたいし。

 ダンジョンの調査を承諾するとパックは珍しく笑顔だった。

 後になってこの時の承諾を後悔することになる。


——翌朝——


 俺はジェイドの元に向かおうと準備していた。

 非常食の類は全て無くなっていたので鹿肉や牛肉みたいな奴を凍結させてポーチの中に入れていく。


「水や火は魔法で何とかなるとして、寝床はキャンピングカーを持ってけばいいか。

 後は特にないな」


——コンコンコン、ガチャ——


 ドアをノックした意味ある?


「準備出来たか?

 今日からダンジョンの調査に向かってもらうが同行者を1人連れてきた。

 王国騎士団でも中々の精鋭だぞ?」


 聞いていない。良い予感はしない。


「失礼します!」


 狂犬再登場。


「元王国第一騎士団副隊長のアモです!」



 元ってなんだ?


「昨日付で第一騎士団から特殊部隊に配属になりしたのでよろしくお願いします!!

 これからはハクレイ様の側付きとして料理雑用から下の世」


「ストーップ!!

 なんでアモがいるんだよ!?

 そもそも特殊部隊って変わった人間があつまる部隊ってことか!?」


「なんだ知り合いだったか。

 なら話が早いな。これからハクには王国非所属の独立部隊長として動いてもらう。

 国に所属してない方が他国と揉めたとき便利だからな。

 あとジェイドは行かないらしいから2人で仲良くやってくれ」


 ジェイドの裏切りは予想外だ。

 一緒に行くって言った時も溜息してたし、ダンジョン嫌いなんだな、

 しかし非所属とは少し気になる。

 揉める事を前提としている時点でなにかあるんだな?

 横にいるアモは納得してこの独立部隊に入隊したのか道中で聞くとして、

 溜息が出るほど面倒な事になったが行くしかないよな。

 俺はキャンピングカーをポーチに押し込みアモと2人でダンジョンにした。


「ハクレイ様、最初のダンジョンは王国のすぐ側にある地下洞窟です。

 情報だと3年前に突如出現した事になっていますね。

 サーモファルスを出て西に向かって徒歩1時間の場所にあるそうです」


 アモは調査報告書を見ながら言ってきた。

 1時間程歩くと5メートル程の土盛りした様な膨らみが見える。

 見た目からして人が作ったんじゃないかと思うほど不自然な作りだ。

 大人が3人ほど横並びで通れる程の

穴だが、奥は全く見えない。

 不安だ。


「さぁ!行きましょう!!」


 なんでコイツはこんなに元気なんだ?

 LEDライトを2本取り出し点灯する。


「おぉ!!明るいですね!

 なんですかこれは!?」


「•••俺が作った魔道具だ。

 一本はお前のだから好きに使ってくれ」


 説明が面倒なので基本魔道具でOKだ。

 LEDライトを片手にノリノリのアモと2人で洞窟に入っていく。

 この世界に来て1つ分かったことがある。

 前の世界のエネルギーは減らない。

 車のガソリンもスマホの電池も来た時から消費していない。

 暗闇は魔法で明るくするよりLEDライトの方が明るくて楽で良い。

 洞窟の中で報告書を見ながらアモが話し出す。


「あの、記載されている情報だと当時は6人編成のパーティーが調査に向かったそうです。

 5階層まで調査されていますが、

 その層で大きなコウモリの群れに襲われて治癒師が負傷した為、調査打ち切りとなったそうです」


「俺たち2人だけど6人編成のパーティーってどうなの?」


「この報告書を見る限りだとバランスは良い方だと思います。

 近距離特化2名と長距離特化2名、治癒師と防御特化が各1名です」


 確かに良さそうだ。それに比べて俺たちは近距離2人だ。


「俺たちバランス悪すぎないか?」


「いえ!ハクレイ様がいれば全く問題ないかと思います!

 それにパック様の指示で私は戦闘要員ではなく、報告書作成要員ですから気にせず盛大に戦ってください!」


「・・・・・」


 傍観者1人と超近接戦闘員1人か。

 無謀ですね。引き返したい。

 その後、歩き続けて5時間程で5階層に降る階段まで辿り着く。

 少し遅いが軽く昼食を済ませ気合いを入れる。


「ここから先が例の5階層になると思います。

 戦闘の準備はいいですか?」


 俺は小さく頷いた。

 6人パーティーでも撤退を余儀なくされる程の魔獣だ。

 常に右手は刀を掴んで準備OK!

 いつ襲われるかわからない。緊張感ハンパねぇ


 歩いて3時間程経って異変に気付く。


「おいアモ、一体いつになったら魔獣は出てくるんだ?

 それにあそこに見える階段って6階層に向かうやつじゃないか?」


「そんな事はないと思いますが・・・本当ですね。

 コウモリが出るのは6階層の間違いなのかな?」


「その報告書本当に大丈夫か?

 ダンジョン初めてだから知らないんだけど、ここまで来て魔獣に一回も出会わないなんてことあるの?」


 アモは必死になって報告書をめくる


「ありました!

 ええっと・・・ん?」


 ん?フリーズした

 そんな酷い内容だったのか?


「報告書によりますと、2階層の調査が完了したのは調査開始から10日後らしいですね。

 それに魔獣は2階層から頻繁に出てくるって書いてあります」


 よくわからないが相当運が良いらしい。


「それなら無理に6階層に行くよりはこの5階層でしっかり休憩した方が良いな。

 ここで一旦今日の調査は終わりだ」


「承知しました!」


 そうと決まれば最初に守りの壁を作っておこう。

 鉄生成を使って壁を作る

 ポーチから車を出して野営準備完了だ。

 

「おぉ!!さすがハクレイ様です!」


 終始感動しているアモ

 そしてそんなアモを見ていて気付いた事がある

 俺はポーチに色々入っているから普段と同じ装備だが、アモもかなりの軽装だ。

 なぜ?

 コイツは野営道具持ってる様には見えない


「おいアモ、今更で申し訳ないがよく見るとかなりの軽装だが野営道具とか持ってないのか?」


「え?パック様が寝床と食事の材料、道具類はハクレイ様が用意するので普段の装備で良いと仰っていました。」


【念話】


『パック〜

 聞こえてますか〜』


『どしたの?』

 

『アモに対して適当に対応しただろ?

 無茶過ぎるぞ?飯は良いとして寝床はどうするんだよ?』


『何の為のキャンピングカー?

 7人寝れるんだから別に良いだろ?

 今忙しいからまたな』


 一方的に切られてしまった。

 パックも面倒で適当に流したんだろう。


「ハクレイ様!

 料理は任せてください!!」


 やる気が凄いな。そこまで言うなら任せてみるか。

 キッチンの使い方を一通り教えて俺は車内のソファーで料理を待つ事にした。



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