36話 キャラ変?
多分窮地です。
ざっと見て500人位に囲まれています。これは完全にリンチですね。
人数に圧倒されていると後ろから金色の鎧を纏った如何にも偉そ・・・じゃなくて強そうな奴が歩いて来た。
「貴様が我が王国に害をもたらす者か?」
「違います」
「・・・・・」
「・・・・・」
「もう一度聞くぞ?貴様が」
「いや、全然違います」
「・・・・・」
「・・・・・」
さすがに無理があるか?
でも王国に害を与える気はない。
俺には一切の得がないし、ぶっちゃけめんどくさい。
「・・だよな~
お前から一切の悪意は感じられない。
いや、本当にすまなかったな」
え?意外にイケた!?
何でもチャレンジしてみるものだな
「俺は王国第13騎士団隊長のルブだ。
今この辺は危険人物が潜んでいるから整備された街道を使って帰ることだ。
じゃあな」
悪い人ではない?それともただの馬鹿なのか?
今の所王国騎士団にまともな奴はいなかったが、このルブは信用出来そうだ。
難なく騎士の集団を交わす事に成功した。
歩いて30分程で完全に騎士が見えなくなったので空間移動で元ジェイドの店に移動する。
【空間移動】
作業場の前に到着
特に怪しい輩は見当たらない。
ポーチから車を取り出し傷や凹みが無いことを確認。
我ながら完璧な付与だ
室内の確認
非常食の類は一切見当たらない。他のモノは無事だ。
パックとモアナは一緒に行動しているならここで待っておけば問題ないだろう。
車に鍵をかけて店の正面に向かう。
店内には店員が5人と貴族の格好をした3組の客が品定めしている。
色々とこの店もお高くなったもんだ
「失礼しまぁす。
ジェイド居ますか?」
「副社長なら只今鉱石の採取に出掛けております。
ご用の方はお名前と用件をお話ください」
美人な受付嬢だな。長い黒髪に白い肌は大和撫子の美白バージョンとでも言えばいいのか?
まぁ後半は完全に留守電だったが。
「名前はハクレイで、用件は何となく顔を見に来ただけかな?
あとパックの帰ってくる時間も聞きたいかな?」
「ハクレイ?
失礼ですが、英雄様の名前ですよね?」
死んだ事になってるの忘れてた。
「それにパック様は我が商会の会長ですが、
面識があるのですか?」
やばい、この流れはかなり面倒だ。
「いや、えぇっと、また来るので今日は帰ります!」
多分正体がバレるのも結構面倒な事なんだろう。
店を出ようとするとタイミング良くドアが開いた。
「王国第1騎士団副隊長のアモです。
剣を取りに来ま」
「え?」
最低のタイミングで狂犬登場
「おぉ!!これはハクレ「あぁぁぁぁあぁ!!」?」
察してくれ!何事もなく俺は店から出たいんだ!
強めに俺の意志をアイコンタクトで送る
「覚えていてくれたんですね!
何故私がこのお店に来たのかですか?」
違う違う!そんな事は聞いてない!
頼む!!このアイコンタクトで読み取ってくれ!!俺の意志を!!
「ハクレイ様がお帰りになったあの後、私も岩切りに挑戦したんですけど、やはり剣がボロボロになってしまって・・・」
ダメだ!全く伝わっていない!
そして全然目線が合わなくなってしまった
てかなんでコイツ顔を赤くしてるんだ?
もしかして照れてるのか!?
「ですからハクレイ様と同じお店で新しい剣を新調したんです!
それもなんと!お揃いの真っ黒の剣です!
キャ!言っちゃった!!」
「キャ!言っちゃった!!じゃないよ!
なんで最初の頃と違うキャラになってんだよ!
いいか?俺のアイコンタクトは再会の喜びを表現したんじゃなくて、何も言わずにスルーしてくれってことだったんだよ!」
静かで気品ある室内に俺とアモの声が響きわたる。
俺とアモのやり取りを見ていた受付嬢が
「ちょっとお姉ちゃん!ここお店の中だよ!?恥ずかしいから静かにしてよ!」
と、結構デカい声で注意してきた。
ん?お姉ちゃん?
「アド!ここは家じゃないんだよ?
お姉ちゃんって呼んでいいのは家だけって言ったでしょ!!」
話が逸れてきたな。今のうちに退出しとくか?
そっと扉の方に向かっていると、ガシッとまぁまぁな握力で狂犬に腕を掴まれてしまった。
「待ってくださいハクレイ様!!
まさかアド!
ハクレイ様に何か失礼な事してないよね!?
ハクレイ様申し訳ありません!
妹はまだ働き出して半年で、まだまだ未熟者なのです!
もし失礼があったなら・・・私の身体で」
「ストップストップ!
何も質問なことはされてないし、お前も身体でとか誤解を招く発言はやめてくれ!」
ポカンとした顔で俺とアモのやり取りをみている妹アド。
最初の頃は狂犬みたいで面倒な奴だがまともだと思った。
が、今は違う!
騎士になる奴は何かが欠落していることが採用条件なのか?
店内を見渡すと俺は白い目で見られている。
「解散!!」
俺は急いでその場を去った。
当分この店には顔を出すことはしないと心に誓った
俺は車に戻りパックかジェイドが帰ってくるのを待つことにする
車に寄りかかると凄く疲れたのかそのまま寝てしまった。




