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35話 脱走

 シャネの死刑執行まであと2時間

 俺は必死に考えていた。

 パックの連絡は無いし、このままだとシャネを見殺しにする事になってしまう。

 車の中は沈黙が続く。


 俺は久しぶりでは無いんだけど、死刑が迫るシャネのテンションが低すぎて困る。

 更に1時間が過ぎる。


「あぁぁ!!もう無理だ!あと1時間しかないぞ!?

 面倒だから取り敢えず脱走しないか!?

 後の事はモアナとパックに任せれば良いだろ!?」


 シャネは下を向いたまま沈黙

 完全に悲劇のヒロインだな。

 こんな状態が続くのは面倒だから手っ取り早く済ませよう。

 死ぬよりは生きていた方が良いに決まってる。


「すまないシャネ」


【思考回路略奪】


 ん?まさかの変化無しかよ。

 コイツはそもそも考えることをやめている。


【洗脳】


 これなら俺の自由に記憶を書き換えることも出来る。


【警告—この人間は既に洗脳されています—】

 

 マジか!?俺以外にも洗脳持ちがいたのか!?


【念話】


「パック大変だ!

 シャネを洗脳して連れ出そうとしたら既に洗脳されているっぽい!

 洗脳ってダブっても大丈夫なのか!?」


「洗脳って・・・

 人としてどうなの?」


「時間がないんだよ!

 それに・・・どんな奴でも死ぬよりは生きてた方が良いに決まってる!」


「ダメじゃ無いけど、洗脳の上書きは精神崩壊を起こす可能性があるからお勧めはしないな。

 解呪すれば洗脳は解くことができるけど•••」


「なんだ!?解呪もまずいのか!?」


「解呪したら自殺しちゃうと思うんだよね。

 思い詰めて自殺しようとした時に私が洗脳したからさ」


「お前かぁぁ!!」


 人としてどうなのっていってた奴が犯人だった。


「洗脳を解きたいし時間もないからさらっちゃっていいよ」


 聞くタイミング間違えたら誤解される発言だな。

 何にせよ許可が出たので攫いまぁす。


「早速だけどキャンピングカーとシャネは何処に移動すれば良いんだ?」


「んん〜モアナと話したんだけど1番良いのは元ジェイドの店かな?

 あそこなら基本ジェイドしか居ないから多分見張られてないと思うよ。

 他の邸宅だと王国のスパイみたいのが混ざってる可能性もあるし」


「わかった」


 早速やってみよぉ!

 

【空間移動】


 ・・・・なにも起きない


【念話!!!】


「パック!!

 どうしよう!!なにも起きない!!」


 かなりテンパる俺


「落ち着いて。

 多分イメージと魔法が合ってないんだよ」


 かなり冷静なパック


「どうする!?時間がない!どうしたらいい!?」


「だから落ち着け!!

 焦ったって何にもならないでしょ!」


「・・さーせんした。」


 パックは怒ると意外に迫力がある。


「落ち着いた?よく聞いて。

 ハクのイメージは多分だけど移動じゃなくて転移なんだよ。

 異世界に行けるハクは壁みたいな障害があってもなにも問題ない。

 でも、車とか人が移動するにはその障害を通り抜ける術がないと移動出来ないだ」


 いや、パックが空間移動って言ったんだけどなぁ。


 こんなやり取りをしているといつの間にか周囲に人の気配を感じる。


ーーガンガン!


「おい!死刑執行の時間だ!

 箱から出て来い!!」


 お迎えが来てしまったらしい。

 俺の車を雑に叩かないで頂きたいなんて馬鹿な事考えてる場合じゃないな。


「パックさんパックさんよろしいですか?

 お迎えが来てしまったのですが、どうする?」


「・・・力を見せつけるのもいいか。

 よし!堂々とシャネを連れて脱走だ!」


「マジっすか?やっちゃうの?」


「やりましょう」


ーーガンガン!!


「おい!聞こえているのか!?」


 俺は堂々と車のドアを開ける。


「貴様!いったい何者だ!?」


 女だと思って待ってたら浮浪者のナリした男が出て来ればそんな反応にもなるよな。

 パックを連行する為に用意された王国の騎士っぽい奴が3人

 2人は槍を持ち、腰には剣を帯いている。

 もう一人は腰の両側に剣を帯びているが、一番俺を睨み付けている。

 3人とも全身に鎧を纏っているがどれも高そうだ。

 

「その鎧は新品ですか?」


 2人は俺に槍を向けてきた。


「怪しい輩め!

 我々は王国第七騎士団のものだぞ!」


 はい出ました。

 王国騎士は必ず何々騎士団だーを言うのがテンプレなのか?

 てか第七ってそんなに騎士団あるのか?

 そして第七ってことは大したこと無いんじゃないのか?


「聞いているのか!我々は栄光ある王国第七ーーーーー」


 車を降りて辺りを見回すとかなり広い部屋だ。

 そしてどこから入ってくるのかわからないが微弱な風を感じる。

 オドは地下牢って言ってたけど俺は地下に感じない。そしてさっきから槍の奴がうるさい。


「おい!貴様聞いているのか!?我々は王国最強の第」


「黙れ」


 お?槍を持っていない奴の一言でうるさい栄光ある王国最強の第七騎士団の下っ端であろう奴が黙るだと?


「いやいや部下がすまないね」


 あれ?謝ってきた奴は初めてだな。少しはまともな奴が王国騎士にもいるらしい。


「私はこの王国最強にして最高の栄光と名誉を持つエリートな第七騎士団の華麗な団長ウルだ。

 多分貴様はここで死ぬが最後に私の名を聞けたことを生涯の宝とし、その死をーーーー」


 前言撤回

 かなり頭の中がお花畑の幸せ者だった。


 話が長そうなので周囲をよく観察すると、所々から小さい光が見える。それも部屋全体に。

 出入りはお馬鹿騎士の後ろに扉が一つあるだけだ。天井は5メートル位あるが、開口部らしきモノは見当たらない。

 どうやったら車をこんな所に運び込むことが出来たんだ?

 謎が多すぎる。


「ーーーと、まぁ自己紹介はここまでにしといて貴様に聞こう!

 どうやってこの牢獄に入り込んだ?

 ここは特別な者以外は決して立ち入ることも許されない天空牢獄だ!

 我々のようなエリート第七ーーーーーー」


 おいおい天空牢獄ってなんだよ!

 オドの奴、何が地下牢に幽閉されてるだよ。

 下じゃなくて上じゃないか!


「話を遮って悪いんだが、通してくれないかな?

 誰も怪我させたくないし」


 俺の発言に最初はポカンとしていた3人だが、急に大声で笑い出す


「ハハッ貴様は何を言っているかわかっているのか?

 そんな事出来るはず無いだろ?

 出口は一つだ。通りたくば我々を倒【威圧】オゥック」


 オゥックって何語だよ。

 それにしても威圧って凄いな。

 一瞬にして3人は泡を吹いて気を失った。

 俺は脱走するにあたり1度気合いを入れ直しがてら、ポーチからポーションを取り出し飲み干す。

 ファイトォォ!!○パァァツ!!!


 魔力が全回復した。ポーションは魔力回復薬にもなるのか。便利だな 


 よし!これから全力で脱走しますか!

 シャネ入りの車をポーチに突っ込む。

 さすが未来のにゃー型ロボのパクリポーチだ。

 サイズをフルシカトして入れることができた。

 俺は牢屋の壁一部を破壊し穴をあけた。

 空いた場所から結構な風が入ってくる。

 外を見ると城下町を見下ろせるほど高い位置に居たらしい。

 地上まで50メートル位あるか?

 そしてこの場所は王国の城らしき場所のド真ん中に建っていた。でも俺には関係無い

 壁の穴から普通に外にでる。

 俺には無重力浮遊があるから牢屋からの脱走は結構簡単だった。


 時速20キロ程で約30分飛んでいるが王国の端に全然見当たらない。

 この町はどんだけでかいんだろうか。


 丁度良い機会なので人気ひとけの無い場所に降りる。

 道路は綺麗に整備されていて街並みも非常に綺麗だ。

 100メートル間隔でフル装備の騎士が立っていなければ景観は完璧だ。

 街を観察しながらのんびり歩いていると周囲の騎士は慌てて城の方向に走り去る。


 どうやら脱走がバレたっぽい。

 俺はドキドキしながらも、堂々と出口を目指し歩く。

 3時間程歩くと壁が見えて来た。


 入口の門付近は騎士が検問しているっぽい。ある種の不正入国をした俺は通らないだろう。

 誰にも見られないような場所から壁をすり抜けて外に出る。


 今更だが、車とシャネをポーチに締まった時点で空間移動出来たんじゃないか?

 街並みをみれたから別に良いけど。

 こうして俺はなんの苦労もなく脱走することに成功した。

 はずだったのだが、王国騎士様は簡単に逃してはくれないらしい。


「構え!!」


 えぇそうです。俺は今相当な数の騎士様方に囲まれています。

 ピンチです。


 

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