表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/71

26話 大工

 天気は晴れ。

 今日から大工仕事だ。

 俺には大工の経験は無い。

 だが、この世界の俺はイメージをすればそれが現実になる素敵スキル魔法創生を持っている。

 俺に出来ないことはない!


 まず鉄を生み出すイメージだ

 

【鉄生成獲得】


 よし!これを使って外壁を鉄の支柱でつくる。そして土魔法で鉄の支柱を覆えばかなり強固な外壁の完成だ。

 外壁には耐水と耐火・耐汚・耐衝撃を付与するが、魔法反射も付与しておく。

 これなら知らない奴が外壁に魔法陣を描いて発動しても、魔法は描いた本人に向かって発動する。


 次に家だ。外壁と同じ様に鉄生成で骨格を作り、土魔法で覆う。

 これで見た目は同じでも強度は桁違いだ。そして外壁と同じ魔法を付けておく。

 家と外壁は完璧だ。

 実はここまでやるのに半日以上経っている。

 どうやら思った以上に身体は疲労しているようだ。

 全てを1から創生するのは相当魔力を使うらしい。

 家の外観は同じにしたが中はかなり作り込んだ。

 客間にキッチン、使用人部屋とマスターベッドルーム、ダイニングにリビングと昔テレビで見た豪邸のイメージを再現した。


 これならシャネも喜んでくれるだろう。

 後は家具だけだ。

 家具は・・・食器を買う時一緒に買えばいいか。

 正直面倒になってきたからそこら辺は買うとして、大事なのは結界だ。

 壁や家に魔法陣を描いても効果は発揮されないなら直接破壊を試みてくるだろう。

 外壁の外から魔法攻撃と物理攻撃を跳ね返る結界を張る。

 これなら完璧に守ることが出来る。


「なんとか出来たなぁ」


「お疲れ様。

 よくここまで魔法創生を操れる様になったね。

 でも・・・残念なことに客人が来たよ」


 門の前には軍隊みたいな奴らが沢山いる。

 見た目はスマートな服装だが、明らかに敵意のある視線を向けている。


「見た感じこの辺りの人間じゃ無いな。

 あいつらどっから湧いて出たんだ?」

 

「さっき空から羽付きの馬で現れたよ。

 多分王国の軍人じゃないかな?

 さっきからずっとこっちに来ようとしてるけど、敵意丸出しだから門を通れないんだよ」


 成る程な。

 あいつらが壁や家の中に魔法陣を描いたシャネの馬鹿兄弟のパシリどもだな。


「そこの者!!

 この土地で何をしている!!

 今すぐ結界を解除して敷地内に入れろ!」


 おぉぉ!叫んでるよ。

 話し合う気は無さそうだが、一応大人の対応はしておくか。


「どーもです!

 どこのどなたか知りませんが今はシャネ様の命令で燃えた邸宅を修理しています!

 危ないので外壁を境に立ち入りは禁止です!」


「我々はゲル王子配下の王国騎士団に所属する者だ!

 修理は我々に任せて頂きたい!

 この結界を解いて敷地内に入れろ!」


「危ないので立ち入り禁止です!!!」


「我々は—————」


 おおぉぉい!!今聞いたよ!てか俺の声聞こえてないの?

 まぁまぁデカい声で立ち入り禁止って言ったよね?馬鹿なの?

 門の前に近づいてもう一回言っとくか。


「危ないので立『我々は———!!』」


 駄目だ。人の話を聞く気がないらしい。

 なら俺も聞く気はない。シカトして作業の続きだ。


「あの者を国家反逆罪として捕える!!

 弓隊構えぇ!!」


 えぇぇ!!?俺が一体何に反逆したんだ!?

 独裁者の使いっ走りはどんな心の狭さだよ!

 

「やめた方がいいぞぉ!!

 この張ってある結界は物理攻撃を全て撃った本人に跳ね返すから怪我しますよぉ!!」


「放てぇぇ!!」


 あぁ撃っちゃった。

 軍隊の矢は100本以上飛んできた。

 だが、


【物理カウンターシールド発動】


 結界に干渉したすべての矢は、持ち主に向かって跳ね返っていく。


 ぐわ〜とか、ぎゃ〜と悲鳴が聞こえてきた。


「あらぁ〜これでハクは反逆者確定だねぇ。

 見てよ!先頭の奴!ビビって丸くなってるよ!(笑)」


 パックってこんなに性格悪かったっけ?人の姿になってから悪い印象しか無い。


「こらこらパック!

 笑ってはいかんぞ!

 それに俺は忠告したのにあいつらが勝手に撃ったんだから反逆はあいつらだろ?」


「それは無理じゃないかな?

 偉そうな態度をしてるってことは結構権力あるってことじゃないの?」

 

「マジっすか?

 俺の感覚だと偉い人は優しいけど下っ端は威張るだけって相場は決まってる」


「%3&!$:¥!&#ー!」


「パックさんよろしいですか?

 向こうで何か叫んでいるんですがよくわかりません。

 翻訳お願いします」


「あれは無理だよぉ。

 ちゃんと近くで聞いてきて」


 仕方なく門の目の前まで行って聞いてみた。

 

「我々はー『ゲル王子配下の王国騎士団に所属する者なんでしょ?わかってるから何回も言うなよ』

 ぐっ!この様な反逆行為をしてタダで済むと思っているのかぁ!!」


 近くで叫ばれると殺意が芽生えてくるな。

 それにこいつの発言は雑魚フラグが半端ない。


「人の話を聞けるようになったらもう一回チャレンジしてくれ。

 あと、ゲルさんに配下の者にちゃんと教育しろって言っといて」


 男はこちらを睨んで何かを言いたそうにしていた。

 だが、物理的に攻撃出来ないことを身を持って感じたらしく、大人しく?帰って行った。

 

「今日は疲れたなぁ。

 飯食って風呂に入って寝るかな。

 家具とかはその人の好みもあるから明日にでもシャネ達に行ってもらうか。

 キッチン周りはサティさんに選んでもらわないとわかんないし、

 ベッドやソファーとかはヴェルさんとシャネのセンスに任せよう」


「じゃぁハクとお風呂にでも入ろっと」


「やめてくれ」


 一日でほぼすべて片付いたな。

 魔法創生にかかれば家を建てることは簡単だった。

 道具も使ってないし片付けも特にない。

 カップめんでも食べようとしていたらシャネが現れた。


「ハクレェェイ!

 差し入れ持ってきたぞぉ!」


 ナイスなタイミングだ。

 夕飯を作らなくてもよくなった。


「こっちもほぼ完成だ。

 あとは明日にでもヴェルさんとサティさんを連れて、家具とかを買って使い易いようにセッティングしてくれ」


「もう出来たのか!?

 まだ1日しか経ってないぞ?」


「まぁな。それはいいんだけど、さっきゲルって奴の騎士団とやらが攻撃してきたから追い返しといたぞ」


 シャネに今日あったことをすべて伝えた。

 家も壁も魔法陣だらけだったこと。

 この家は常に監視されていたこと。

 火事は遠隔で発動されていたこと。

 変なおっさんが襲ってきたけど、勝手に自爆して帰って行ったこと。


 それを聞いてシャネは落ち込んでしまった。

 どうやらゲルってのはシャネの唯一仲の良い兄弟だったらしい。

 信頼していた兄に裏切られて悲しいんだな。

 

「落ち込んでもしょうがないな!

 それより家の中を見せてくれ!

 内見して明日ヴェルとサティと買い物にいってくるよ!」


 切り替えはや!


「そうしてくれ。

 物が揃えば直ぐに元の生活はできるよ」


 中に入ってあれこれと説明した。

 シャネは驚いたり喜んだりと中々忙しそうだった。

 一通り説明したら、


「明日全員集めて買い物に出かけるよ。

 物が揃い次第またみんなとの暮らしがスタートするな!」


 ウキウキで帰って行った。

 元気にしてたけど、明らかに空元気だった。


「パック。

 俺はゲルって奴を許せないんだけど仕返ししていいのかな?」


「こっちから出向かなくても大丈夫だよ。

 そのゲルって奴はハクに必ず近付いてくる。

 その時に思い知らせればいいよ。

 それにこっちから仕掛けて、シャネの身に何かあったら困るだろ?」


 確かに矛先がシャネに向けられるのは厄介だ。

 大人しく待って向こうから何らかのアクションを起こさせることが一番手っ取り早いか。

 

「この世界の兄弟って歪んでるな」


「こればっかりは慣れるしかないねぇ。

 歪みを直したいならハクが神様にでもなるんだね」


 無茶苦茶言ってるなコイツ。

 俺にはカリスマ性が無いから無理だろうな。

 それからシャネの用意してくれたから夕飯を平らげ、風呂に入り、車に戻って眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ