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23話 予期せぬ事態

 寝苦しい。顔に何か乗っているのか?


「んんん~あぁ?」

 

 パックだった。こいつの寝相はなかなか酷いな。あえて人の顔面の上で寝るなんて悪意しかないだろ。

 最悪の目覚めだ。

 昨日の夜はさっさと寝ればよかった。

 何で奴隷の話になってしまったんだ。

 

ーーザザァーー


 外はどうやら雨が降っているようだ。

 シャネは帰ってきただろうか?

 俺はシルバープレートを貰えるのだろうか?

 乞うご期待!

 と行きたいのだがとりあえず朝食。

 ヴェルさんが迎えに来ていた。


「シャネは帰ってきましたか?」

 

「えぇ、先程お帰りになりました。

 今は部屋でお休みになられています」


 事後処理やらで組合長も大変だな。

 俺は朝食を済ませ、車に戻る。

 この世界で雨は初めてだがやはり出掛けるのも少し苦痛だ。

 やる事もないので車の中でお菓子を食べながらスマホでゲームを始める。

 特に気にせずゲームをやっているが、少し違和感を感じる。

 電話は使えなかったのに何故かネットが使える。

 これって最強じゃね?

 発電機やコンプレッサーなどの構造を理解できれば魔法創生で再現できる。

 それを作る事が出来れば家電製品を作れる。

 この世界で新しく家を建てたらエアコンや冷蔵庫を使える様になるから、広々とした快適な空間で冷たい飲み物が飲めるじゃないか!

 

「ハクって欲がないよね」


「なんだ起きてたのか。

 マイホームを持つって夢があっていいじゃないか!

 家を持てばパックの部屋もあるし、広いベッドで大の字で寝れるんだぞ?」


「そこは一儲けして豪遊するとかじゃないの?

 日本の技術をこの世界で再現したら

 富も名声も思いのままだ!金も女も自由に手にはいるぜ!

 とかならないの?」


「一理あるな。

 でもパックはそんな俺は嫌だろ?

 欲望に満ち溢れる人間はろくなもんじゃないからなぁ」


 昨日の欲の塊みたいな人間がいる話をしたばかりだ。

 まぁ俺には元々無理な話だから関係ない。


「ハクっていつもヘタレだけど意外に芯があってカッコいいときあるよねぇ。

 そんなハクだから一緒に居れるってのもあるんだろうけどねぇ」


「なんだ照れるなぁ。

 お前に言われるとなんか背中がかゆいや。

 でも嬉しいよ。ありがとなパック」


「・・・・・」


「・・・・・」


 あれ?なんで変な空気になってるの?パックさん?


「・・・・まぁいいや。

 それより今日は一日中ゲームするの?

 せっかく車あるんだからこのまま街に行って素材を売らない?」


「素材ってミノスの角の事か?

 勿体ないだろ?命懸けの戦利品だぞ?」


 命は懸けてないし、なんなら自分は何もやってないけどな。


「ミノスってダンジョンの中ではかなり低いよ?

 良くても浅い階層の中ボスぐらいかな?

 持ってる意味ある?」


「王国騎士団が来ないとヤバいレベルじゃないのか?

 あの時シャネは泣き叫びながら言ってたぞ」


「この世界はレベルが低いっていっただろ?

 持ってても意味ないから売りに行こう!

 雨の日は馬車走ってないから車でもって目立たないし、ジェイドの店の裏に隠せばいいからさ」


 なんだかんだで出発した。

 ジェイドの店に裏は無かった。路駐確定。


「やってる?」

 

 寿司屋をのぞく感じで言ってみた。

 おもしろいと思って言ったがシラフでこれは結構ハズいな。そもそも一度しか来たことなかったのに言葉のチョイスを完全にミスった。


「おぉなんだ!昨日の英雄様じゃないか!」


 後悔した。この世界で「やってる?」は駄目だ。

 そんなことより何故バレた?昨日は誰にも見つかっていないのにありえない。


「ありえないって顔に書いてあるぞ。

 全ての魔獣の首を一撃でおとす事が出来そうな奴はこの町にはいない。

 この町で強くて得体の知れない存在なんてお前しかいないだろ?」


 どうやら憶測での発言らしい。

 合ってるけど対応にお困るな。

 するとパックが


「本当は隠してたのに、さすがジェイドだね。

 全てはこの名刀、十黒じゅっこくのおかげだよ!

 これがなかったらなにもできなかったね」


 この刀はいつから名刀になったんだ、

 てかおいパックよ、ネーミングセンスって知ってるか?

 十黒ってなんだ?この刀は砂糖でもお酢でも使われてそうなダサい名前の名刀だったのか。

それじゃ名刀じゃなくて迷刀だよ。


「そんなすげぇ名前だったのか!

 気に入ってくれて俺も嬉しいぜ!」


 すげぇのか?いや名前聞いたらとても残念じゃないか?

 ジェイドの目は名刀の名を聞いて輝いている。助けてパックさん!

 

「それよりジェイドに頼みたいことがあるんだ」


 無理やり話題を曲げたな。

 言ってて恥ずかしくなったのか?


「実は今、ハクはミノスの角を持っているんだ。

 まだ冒険者になってないハクには角を売ることは出来ない。

 元々こんな角を買い取ってくれる奴は少ないだろ?

 だから売上の15%をジェイドの仲介手数料として渡すから買い手を探してくれないか?」


ーーーガシャン!


 ジェイドは持っていたコップを落とした。


「ミッ、ミミッ、ミノスってあのあっ、あれか?」


 ラグいな?バグったか?


「ジェイドの気持ちは十分わかるよ。

 でもあのミノスなんだよ。

 ほらハク、全部出して」


 全部と言われたがデカいので片方だけ出した。

 マジックポーチ30から出た角はジェイドの店の入口を完全に塞いだ。

 太いところで直径2メートルはある。

 いきなり現れた角にビビっていたが、目は少年がスーパーカーを見ているかの如く輝いている。


「おいおいおいおいハクレイよ!!!

 こんな国宝級の角を俺に売れってか!?

 まぁぁかせとけぇぇ!!

 オークションに出してオークション史上初の高値をつけてやるぜ!」


 盛り上がってるなぁ~

 俺には全然わからん。申し訳ないが凄い雑魚だったぞ?

 なんて言わない方がよさそうだな。


「明日の朝から俺が代理でオークションに出展しといてやる!

 結果は10日後になるが問題ないよな?」


「頼んだ」

 

 興奮が凄まじく、若干ウザいので事務的なことは任せてさっさと店を出た。

 

「あいつ大丈夫かな?」

  

「ジェイドなら大丈夫だよ。

 宝石を見た時から切実で真面目、そして人望があるのは確実だよ。後は任せてご飯でも食べて帰ろうよ」


 ジェイドはパックのパシリだな。ドンマイ。


 店から少し歩くと高級中華を思わせるほどのの店構えをした立派な建物の前で止まる。

 

「高そうだけどまだ20枚程大銀貨あるしここでいいか?」


「良いけど・・・この店は魔獣や魔物・ペットはお断りって書いてあるよ」


「なんだよ駄目じゃん。

 次いこうか」

 

 車を走らせようとすると唐突に


「いや、人間の姿になれるよ?」と言われた。


「まじ?」


「なろうか?」


「変身おなしゃす!」


 何かを唱え始めたパック。

 光りに覆われ、下から出てくる煙の渦がパックを包み込む。

 光が消え煙の渦が薄くなって肌が見える。


「おおぉぉ!変身ハンパないっす!」


 完全に煙が消えると目の前には丸裸の美人が立っていた。

 白く長いストレートの髪に長いまつげ。

 身長は160チョイでボン!!キュ!ポォン!

 なんとグラマラスな体型だ。

 このスタイルでこの美貌は10人中10人が振り返るであろうーーー


 ・・・ん?振り返る程の美人?

 ん?ん?


「ん?!!??!!?!

 あれ?!??!

 パックさん?あのぉ今更で申し訳ないが性別を聞いてよろしいですか?」


「は?

 目を見開いて前をよく見ろ。

 付いてないだろ?性別は女だ」


 おぉぉふぅふぉぉ!!

 俺の分身ってまさかのレディ!?

 脳内の思考は停止を余儀なくされた。

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