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19話 試験

「いってぇ。

 なにがおこったんだ?」


 ジェイドが目を覚ます。


「すまなかった。

 まさかあれで吹っ飛ぶとは思わなくて」

 

「いやいやあれって言われてもなぁ。

 突進系のモンスターに突っ込まれた衝撃だったぞ?」


 大げさな奴だ。軽く殴っただけでそこまで話を盛らなくてもいいだろ。


「さすがジェイドだよ。

 ハクもビックリして全力で撃ち込まなくてもよかったのに」


 パックはなにを言ってるんだ?

 

「ジェイドも起きた事だし、買ったモノでも確認して解散しようか」


「そうだそうだ!

 かなり質がいいモノ仕入れてきたから確認してくれ!」


 自信満々のジェイドは仕入れてきた宝石やレアメタルを並べて話し出した。

 

「アレキサンドライトとブラックダイヤはないが、知り合いの冒険者から買ってきた一級品だ」


 並べた品を見て、パックも満足そうにしている。

 パックが満足してるならコレは相当がんばったんじゃないか?

 なのに俺は吹っ飛ばしてしまった。

 罪悪感ハンパない。

 

「あと刀だったよな?こいつをみてくれ」


 そう言って取り出した刀は鍔のない真っ黒な日本刀だった。

 こんなのは店頭に並んでなかったな。


「これは俺の店にある最高の刀だ!

 売りたくてもこんな細いのは誰にも売れなくて倉庫にしまってあったんだ。

 ハクレイなら譲ってやってもいいと思って持ってきたんだよ」


 そう言って刀身を見せてくれた。

 刃だけ黒く他は真っ白な少し変わった日本刀だ。


「こんなに揃えてくれたのは感謝するが、渡した銀貨じゃ全然足りなかったろ?」


「そんなことないぞ。

 冒険者の間で取引すればそこまで高くはないんだよ」


 鍛治をやったり薬草売ったりしてるだけあるな。

 コイツのネットワークなら商社とかになれば苦労なく財を手に入れられるだろう。

 こうして俺はジェイドの頑張りのおかげで大体揃えることができた。

 ジェイドには手間賃として追加で大銀貨10を渡してその場で別れた。


「ジェイドも帰ったことだし薬草使ってポーションでも作ろうか?」

 

 パックさんはどうやら俺を休ませてはくれないらしい。


「ポーションって作るの大変なんじゃないか?」


「本来は薬師の仕事だからね。

 でもイメージで出来るのは事実だよ。

 時間勿体ないからコッチでイメージした脳内映像を思念伝達で送るからやってみて」


 そう言ってパックは俺の肩に手を乗せてイメージを送り出した。

 たしかに表現が難しいな。

 一通りの手順は理解したのでビンと薬草を並べてイメージしてみる。

 瓶の中に無色透明な液体が溜まっていく。

 案外簡単にできてしまったが、


「ポーションって青色とかじゃないの?」


「ランクが低いと色付きだね。

 これは限界まで濃度を圧縮して濾過してるから無色透明でOKだよ」


 最強のポーション完成ってことか?


「じゃぁ明日の試験はこれで準備万端だな!」


「本当は宝石とレアメタルで魔法リングとか作りたいんだけど、それは試験終わってからでいいね

 明日の為に今日はゆっくり休もうか」


 まだやることあったのかよ!

 パックはスパルタだな。

 今日はシャネに報告して休むとしよう。


ーーー試験当日ーーー


 昨日手に入れた日本刀を腰の後ろにぶら下げて、いざ試験会場に!

 馬車で向かいます。


「今日の試験はハクレイだけだから気軽に受けてくれ。

 パックがいるから大丈夫だと思うけど、試験官をあまり怒らせるなよ」


 シャネは心配してくれてるのか?

 そんなことはないな。心配するなら冒険者になれなんて言わないだろう。

 きっと自分が紹介しといて落とすのは避けたいってことだな。

 

 組合に着くと建物の裏まで連れて行かれた。

 建物の裏はドーム型の闘技場になっていたようだ。

 闘技場の中央に足をはこぶと観客席から待ての指示がでる。

 観客席には10人ほど試験官らしき人が座っていた。そこにはシャネとオドもいる。


「これより試験を始める!」


 オドの声だ。アイツが仕切るのか?


「まずは対人戦闘をみせてもらう!

 準備せよ!」


 奥からシルバーのプレートをしている5人のゴツいおっさんが出てきた。


「この5人の冒険者の中から一人相手にしてもらう!

 何か意見はあるか?」


 みんな同じ位強そうだ。

 誰にしようか悩んでいるとパックが叫ぶ。


「面倒なので全員で来てくれると助かる!」


「おぉぉい!パックさん正気ですか!?

 5対1ってただのリンチじゃん!

 死んじゃうって!!」


「ハクなら大丈夫だよ。

 信じてやってみてよ」


 無理無理無理無理!!

 ほぼ初の戦闘で相手がゴツいシルバープレートっておかしいだろ?

 相手はパックの一言で殺意剥き出しですよ?

 俺がテンパっているとオドがこっちを笑顔で見ている。

 さすがオドだ。俺のことを理解してくれているっぽい。


「了解した!

 模擬戦を開始する!!はじめ!!」


 おおおぉぉい!?

「はじめ!!」じゃないよ!!馬鹿なの!?


「おぉぉぉぉ!!」


 合図とともに冒険者は一斉に向かってきた。

 

【ーーー超戦闘術極めし者ーーー】

 

・・・あれ?


 発動と同時にシルバープレートの5人は地面に倒れていた。

 観客席の試験官がざわついている。


「シルバープレートの冒険者を一撃で・・」

 

「そもそも動きがみえなかった・・」


「これは伝説の英雄が・・」


 試験官全員が小言を口にしている。

 やらかしたか?でも記憶がないからな。

 パックはよくやった!といわんばかりの笑顔でグッドサインをやっている。

 オドとシャネはフードを被った男にコソコソと何か打合せしている。


「静粛に!!

 これから対魔獣の戦闘を行う!

 準備せよ!」


 今度は魔物かよ。一体いくつあるんだ? 

ーーゴゴゴゴーー

 地鳴りが始まったと思ったら、地面からデカい檻が出てきた。

 牛みたいな魔物と蛇みたいなやつだ。

 明らかに初心者の戦闘ではないだろ?

 牛は普通の5倍はデカいし、蛇は20メートルはありそうだぞ。

 申し訳ないが解析をさせてもらおう。

 

【解析完了】


 あぁなになに?

 ファイティングブルとレッドスネークか。

 牛は重さが8t!?えっ試験官馬鹿なの?

 蛇は・・シルバープレート10人程の戦闘能力!?

 はい試験官馬鹿決定!!

 俺まだノープレートだぞ!?試験で死人を出すつもりか!?


「さぁどちらか選べ!!」


 オドさんそれは選べないよ。


「両方!!」


 バカパック!!俺の意志は伝わってるんじゃないのか!?


「あの!今のは俺じ『了解した!!檻を開けろ!!』・・・・」


 駄目だコイツら。人の話聞く気ない。

 2匹の檻が開く。完全にロックオンされてるよ。


「はじめ!!」


 フードを被った男が鞭を鳴らすと2匹は一直線に突進してきた。


「ヤバいヤバい!どうする!?」


 物凄い勢いで迫ってくる2匹の魔物。


「ハク!刀を握って!」


 とっさに言われたとおり刀を握る。


【ーーー瞬殺ーーー】


「はい?」


 2匹の首は落ちていた。


「今のが瞬殺って技だよ。

 殺意のある相手と対峙した時に刀を握ると、一定の範囲で勝手に発動するから気をつけてね」


 勝手にって俺の意志は?

 これじゃただの殺人鬼じゃん。


「これじゃまるで・・」


「剣の動きが・・」


 またしても試験官がざわつきだす。

 フードを被った男は俺のことを

「バケモノだ!!」と叫びながら走って会場から出て行った。

 悪者になった気分だ。

 

「これにて試験を修了する!!

 冒険者ハクレイ!!あとで組合長の元まで来るように!!」


 これは合格だよな?

 

 俺は試験会場の闘技場を後にする。

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