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15話 道具

 ジェイドの店を後にしてから数分。

 侍従関係が逆転したハクレイです。

 今僕はパックさんと共に次の店に向かっています。


「ハクぅ。

 下らない被害妄想はやめてよね。

 別に侍従関係とかそんなの無いから」


「さーせん」


「落ち込んでもしょうがないだろ?

 切り替え切り替え!気を取り直して次の店に行こう!」


「うぃ」


「次は道具屋なんてどうだ?

 便利なグッズがたくさんあるよ!

 ガジェット好きのハクは楽しいと思うなぁ」


 元気付けようとしてるのが久々と伝わってくる。

 やはり一心同体だからなのか?

 少し歩くと魔道具屋があった。

 店の前にあるショーウィンドーにはポーションやカバンなど冒険者の必需品が並べられていた。

 何の気なしに見ていると、ふと思うことがある。

 ジェイドの店の品は何か惹かれる物があったがここには全くない。

 それどころか良さが感じられない。

 

「ハクも気づいた?

 それだけジェイドのナイフは凄かったんだよ」


 普通のポーチ型のカバンが600HC?高すぎる。

 初めて解析を使ってみた。

 使用してる素材・組み込まれてる魔法陣・容量などが頭に流れ込んでくる


「このクオリティはなんとまぁねぇ?」


「そだね。

 これが大々的に出されてるなら大した店じゃないのは確かだよ。

 革でも買って自分で作ってみれば?」


 パックはバッサリ言った。

 店の呼び子は凄い顔でこちらをみてくる。


 そそくさとその場を去る。

 思ったことを普通に言ってしまうのは良くないな。

 後で教育しなければ。


「それより魔法陣ってどうやって組み込むんだ?」


「一番手っ取り早いのは完成した作品に複写の陣書いてから魔法陣の上において発動することだよ。

 簡単な魔法陣なら1サークルで済むし、魔力も殆ど必要ないよ。

 さっきのカバンだって耐水と耐火しか付いてなかったしね」


「へえー。

 じゃあ俺がカバン作ったら魔道具化するの手伝ってくれるか?」


「勿論だよ!

 ハクのスキルにピッタリだし、早速材料買ってカバンを作ってみよう!」


 俺はパックを頭の上に乗せて素材を売っている店まで走った。

 カバンなら材料は高くないし、道具も簡単に揃えられる。

 日本にいるときに革細工は趣味でやっていたのでやり方もわかる。


「ハク楽しそうだな!」


「あぁ!この世界で何かやるのは楽しみでしょうがないよ!」


 店に着くと迷いはなかった。

 必要なものは大体わかる。

 2メーター角の革と金具、ハンマー・糸に針・ロウや仕上げ液など一通り買った。

 これだけ買っても大銀貨一枚でお釣りがくるとはリーズナブルな店だ。

 日本で牛革の半裁なんて安くても1万~2万はするだろう。

 厚紙は売ってなかったが、車の中の段ボールを使えば型紙は作れそうだ。

 これから先のことを考えると楽しくなりそうだ。


「材料は粗方揃ったからそろそろ帰るか?」


「そだね。

 これ以上は多分ハクが大変だよ」


 たしかに3時間かけて帰るには両手の荷物はちと重すぎる。

 頑張れ俺!

 自分に活を入れて行こうとすると目の前で馬車が止まる。

 シャネの馬車に似てるが色が違う。

 権力者でもないのにこんな馬車そうそういないだろう。


「あらあらぁ~先日はどうも」


 教会のモアナだったか?

 教会とは逆方向に向かっているが何かあったのか?

 

「モアナさんでしたよね?

 先日はお世話になりました。教会とは逆ですがどちらに行かれるんですか?」

 

「シャネさんのお宅に呼ばれてましてね。

 お買い物の帰りですか?」


「えぇ。

 今から帰るところです」


「それなら乗っていかれますか?

 目的地は同じなんですから」


「あざっす。

 ラッキーだったなパック」


「ハクは変なとこだけ運がいいなぁ」


 モアナの馬車はシャネの馬車並に豪華だ。

 外装もだが内装も凄い。イスがフカフカだ。


「ところでハクレイさん、その可愛らしい方はどちら様ですか?」


「コイツはパックって名前です。

 俺の相棒なんですけど俺より賢くて凄いんですよ。

 ほらパック、挨拶挨拶。」


「パックだよ。よろしくぅ」


「あらあらまぁぁ。

 なんて可愛らしいの。

 モアナです。よろしくお願いします。

 こっちにいらっしゃい。」


 

 モアナは小動物が好きなのか?デレデレじゃないか。

 クールビューティーが見る影もない。


「いやぁ助かりました。

 荷物が多くて大変だったんですよ」


「何か始めるんですか?」


「見よう見まねでカバンやらの魔道具を作ってみようと思いまして」


「それはいいことですね。

 パックちゃんはお手伝いですか?」


「ハクとパックは一心同体だかんね!

 相棒なら手伝うのは当たり前だろ?」


「まぁそれは素晴らしいですこと!

 ハクレイさんは素敵な相棒をお持ちで羨ましいですわ」


 あれ?俺邪魔な存在なの?

 モアナはデレデレになっていて、パックも楽しそうだ。

 輪に入れない。女子に囲まれたが逃げれない学生時代のような感覚だ。


 それからモアナとパックは目的地に到着するまで話し続けた。

 俺は完全に孤立していたので、そのまま眠りに入っていた。

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