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10話 教会

ーーードンドンドンドンドンドンーーー


「うるさぃなぁ」


 ドアを連打する音で目覚める。

 昨日はふつうに寝ることが出来た。

 時間は・・・・・13時!?すげー寝たな。


「ハクレイ大丈夫か!?

 返事しろォォ!!」


「すまん。昨日普通に寝れたわ」


「なんだそうなのか?よかったな。

 それより今日は教会に行くんだろ?

 早く準備しろよ」


 準備の催促か。

 コート着れば終わりだ。

 準備を済ませて馬車に乗ると、

 

「これ渡しとくから無くすなよ。

 教会でも5枚ほど使うと思うけど、街で欲しいものがあったらとりあえずそれで買ってくれ」


 銀色の硬貨をもらった。硬貨は100円サイズが20枚ほど入っている。

 

「これって一枚で何ヘックになるんだ?」


「大銀貨は一枚で100HCだ。

 教えなかったか?」


 全然聞いてません。

 硬貨は金と銀と銅の三種類に大小のサイズがあるそうだ。

 単位は下から順に1・5・10・100になるが、

金貨だけ桁が飛んで1万と10万になるらしい。

 結構不便だな。

 その上の100万HCは金塊になるらしく、重くて持ち運びが不便だから見ることはほとんどないらしい。


 そんなこんなで教会に到着した。


「教会の適正診断は個人情報になるからアタシは入れないんだよ。

 1時間後に迎えにくるからまた後でな」


「おいっす」


 馬車は去っていった。異世界での一人行動か。気張っていきましょう。


 デカい教会だな。城みたいだ。

 大きな観音開きの扉を開けると、 

 イスイスイスイスイスイスイスイス。

 キリスト教徒じゃない俺は教会に行ったことが無いので新鮮な光景だ。


「あなたがハクレイさんですか?」


 ・・・・・振り向きたくない。

 察してくれ。

 

 声が例の如くあれだ。


「モアナと申します。

 シャネから話は聞いてますよ。

 早速始めましょうか。こちらです」


 おそるおそる振り返ると・・・


 やっぱり小柄だ。

 全身真っ白の服で、白い帽子にはデカい十字架の刺繍。白いマントも十字架の刺繍。

 ザ・聖女って感じだ。

 回復魔法を得意げに使いそうなイメージだな。

 シャネの周りはこんなのばかりなのか?

 ついて行くと、階段を相当下る。そして暗い部屋に通された。

 ロウソクに火をつけると部屋の壁が光っている。

 部屋全体が水晶のような透明な石に覆われている。


「座ってください。

 適正の確認を行いますね」


「おなしゃす」


 とてもドライ?クール?な子だな。


「まずこの紙の上に両手を置いてださい」


 古びた茶色い紙の上に両手を置く。

 

「なにも考えず、手から紙に力が流れるようにイメージしてください」


 それは無理だ。イメージする=考えてるってなってしまう。


「んん~なにも起きませんね。

 魔法の才能はないのかな?言ったとおりにやってます?」

 

 出来てません。だって無理だもん。


「違うやり方を変えましょう。

 この魔法石の玉を握ってください。」


 直径5ミリ程の玉を10個ほど渡された。

 握っていると手の中で熱を持ち始めた。


「あの~ちょっと熱いんですけど大丈夫ですか?」


「熱い?おかしいですね。

 熱を持つってことは炎の魔法石が反応してるってことなんですけど・・・・

 手を開いてください」

 

 握っていた手を開くとモアナさんが声を上げる。


「なにこれ!?」


「うわっ!」


 俺も眩しくては驚いた。

 すべての石が七色に光っている。光量が多過ぎで目が悪くなりそうだ。

 部屋の透明な石に反射して部屋がレインボーになっている。


「ふぅ・・まぁ魔法の適性は判明しました。

 次は職業の適性検査をしますが、希望されている職業はありますか?」


「職業の種類をあまり知らないんですよ。

 前は物を作る仕事に着いていたんで、近い方が楽かな?」


「シャネから職種などを聞いてないんですか?

 はぁぁ、あの子はいつも丸投げだから困るわ。

 じゃぁ先に適性検査をして合いそうな職業を言いますので、そこから選んでください。

 額をこちらに」


 モアナは俺の額に左手の人差し指と中指をあてる。

 そして右手には紙とペン。


「いきます!」


 目を閉じ、かけ声とともに右手が何かを書き始めた。

 額が少し暖かい。

 2分ほど書き続けると、


「えぇ!?えぇっとぉ、出来ました。

 けどこんな事って、んん~」


 紙を持ちながら顎に手を当てながら悩み出すモアナ。

 だめなのか?表情を見ると不安になる。


「職業ですけど・・何してもいいですね」


「は?」


 何してもいいは困る。教会なのに導いてくれないのか?


「こんな事は聞いたことも無いんですけど、適性検査だと全職種の才能があるようでして。

 魔法自体も全属性に反応しているんですよ。

 こんなことって・・あるのかな?」


「よくわかんないんですけど、ありがとうございます」


 要は才能の固まりだと言われてるんだよな?

 俺ってすげーじゃん!


「まずスキルの確認なんですけど、

 この魔法創世は初めてなのでよくわかりません。

 それに読書家とフィジカルマスター、ハイスリーパーは意味不明です。

 何なんですかこれ?」

 

「俺が聞きたいですね」


「肉体的にはその見た目では有り得ない位優れています。

 冒険者でもそんな体の人はいませんよ。

 思考能力もズバ抜けてよい結果が出ていますので、商人として富を得るのも簡単そうです。

 他にも製鉄に知識があるようなので鍛冶職人になったとしても最高クラスの職人になれます。あとは、」


「あの~」


「何でしょう?」


「なれそうな職種だけ教えてもらえますか?

 職種と内容で出来そうな職業につきますよ」


 説明だけで頭がパンクしそうだ。簡潔に頼む。


「強いていうなら、冒険者か商人・鍛冶職人・占い師・料理人・政治家が良いでしょう。」


「政治は無理だとして、冒険者ですか?」


「それはそれは優秀な冒険者になれそうですよ」


 屈託のない素敵な笑顔で言われた。またしても惚れそうだがまぁいい。


ーーーカンカン!


「迎えにきたぞお!いるかぁ!?」


 シャネの声だ。もぅ一時間か?


「お迎えが来られたみたいですね。

 選択肢が多いので迷うと思いますが、焦らずじっくり考えてくださいね。

 無理なら職種を変えればいいだけですから。

 それに私も勉強になりました。

 こんな素晴らしい方に会えるなんて、世界は広いですね」

 

「買いかぶり過ぎですよ。

 俺は一般人ですから無難に『それは無理です』へ?」


「あなたの能力は良くも悪くも目立ちます。

 絶対に歩む道を間違えないでくださいね」


「はぁ、気をつけます」


「それと、お代はサービスしときますね。

 幸運を心からお祈り申し上げます」


 おおぅふ。なんて笑顔だ。

 色々と素敵です。

 こうして俺は教会を後にした。

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