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拘束兄弟のローズ
俺たち拘束兄弟 幼少期から拘束されている
物心ついた頃から独房で過ごしている
俺たちは小さな島で生まれた
生まれながらに人知を超えた力が宿っていた
島の人々は俺たちをバケモノだと恐れた
話し合いの末 俺たちを独房に入れることを決めたのだ
俺たちには拘束具を破壊する力はない
人間を内側から破壊する力しかなかった
食事を運んできた人間どもの内側に種を植える
種は瞬く間に成長し 皮膚を突き破り ローズを咲かせる
やがて島の人々は食事を運ばなくなった
種は人間の内側にしか植えることはできない
俺たちは放置されたままの死体で飢えをしのぐしかなかった
死体もいつかは尽きてしまうだろう
俺たちはあと何年生きられるだろうか?
餓死までどれほどの時間が残っているだろうか?
俺たち拘束兄弟 幼少期から拘束されている
物心ついた頃から独房で過ごしている
感想頂けると幸いです。




