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タクの運ちゃんの不思議な冒険  作者: ジロジロ
4/6

少女が見た風景 4

遊園地から離れ、郊外の高級住宅地にさしかかった頃、少女に異変が生じた。


先程まで見せていた儚げな姿はどこにもなく、意を決したように前方を見詰めている。

その瞳には、いまだ涙を滲ませていたものの、怒りに満ちた火が燻り始めていた。


ハハ、、おっかねえの・・・

そんな事を思いながら、ミラー越しに少女の姿を観察。


少女が変貌していく過程を、、俺は見てしまった。


顔に血の気の色を感じない。 青白く、歪んで見える。

アレを、、、 少女だと認識できない。


そこには人間の防衛本能があった。

認識できないのではない。 認識を避けているのだ。

認識してしまうと心が壊れてしまうから・・・

俺の本能が知る必要のない情報を避けているのだ。


今や少女の姿は、何処かホラー映画に出て来る怨霊の様にも見える状態。

それは、、、 俺の勝手な妄想に過ぎない。

アレを認識するにはそれしかないのだと、俺の心が悟っていた。



握るハンドルが再び湿りけを帯びる。

恐怖が俺の心を圧迫していた。



ヤバい、少女が俺にひと声かければ・・・ タガが外れる。

ハンドルを強く握り、意識を前方に集中!

なーに、乗せて運ぶ。 それだの事さ・・・




「そこ」 車内に声が響いた。


小さく、ドスの利いた声。

後部座席からではなく、まるで声に包まれている様な感覚を受ける声。

とてもおどろおどろしい声だった。


俺は、唇を噛みしめ、寸前のところで正気を保ち、ブレーキを踏む。

急ブレーキではあったものの、後部座席からの苦情は無い。


前方に車は存在せず。

後続車も存在しない。

そもそも、近くから人の気配を感じない。

有るのは大きな鉄の門。

高級住宅地においても、一際大きな邸宅の入り口に他ならなかった。



ガタ! 後部座席の扉を開く。


代金は、、 取らない約束だ!

仕事は終了。。。


後は少女が降りるだけ!!



・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


・・・気配が無くならない。

恐怖が収まらない。

寒気が・・・ 近づいてくる。



ペタッ!  肩に何かが触れ、、

ピトッ!  何かが耳に押し付けられる。


それはゾッとするほど冷たく、俺の心を締め付けるには十分な出来事だった。


もう、、する事と言ったら絶叫と共に、、、逃げるだけ!!


グイ!!!! 肩に触れる、何かに力がこもる。

お前は逃がさないと言う意思表示を強く感じ取れた。



ですよね。。。


俺は恐怖で顔を引き攣らせながら、見る事を避けていたモノに顔を向ける。


ゆっくりと ユックリと スコシヅツ・・・






そこに化物などいなかった。


ムッと頬を膨らませる少女が一人。

唯々、日中に見た生意気な少女のご尊顔があるだけであった。

後部座席で、ぷんすか! と擬音をばらまきながら、こちらに抗議の意思を伝えている。


「もーーー! 運転手さんも行くの!!」


何処に? なんて無粋な事を言う元気が、俺にはもう残されていなかった。


少女は顔を崩さず、真剣そのもの。

俺を連れて行く事が、決定事項だと言いたげだ。




だから、、、

「・・・いいけど、 うちは他より安くないぞ?」 返答を帰してやった。


すると

「いいけど、 うちは金持ちだぞ!!」 ドヤ顔が帰って来る。


それに

「それはそれは、 重畳に御座います」 とびっきりのゲス顔で答えた。



少女が口を開く。

「何でもするから、私が望む場所まで連れて行って!!」


その表情から見て取れる。

それは真摯な願い。 切なる思い。


俺は優しく微笑んだ。

少女も満足そうに微笑む。




ここに契約は成立した。




だから かなえてあげる  そのねがい・・・

だから のせてあげる・・・

ホントの、、、 オレニ・・・ ノセテあgEryう。






クシャ! 音と共に鮮血が車内を包む。


ガリ! バキ!! ボリ!!! ムシャ!!!!

ジュルルッルルッルル!!

ブチ!! バキ!! ゴク。。。




お口に広がる甘美なテイストに膨れる幸福感。

お腹にたまる満腹感には、少女の絶望を隠し味に、胃もたれするんじゃないかと思える程の征服感を感じている。


幽霊って、、食べれるんだ。。。 へーーー。。。 フフフ。


そんな事を、、俺は考えていた。

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