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「確認したい事が、数点有るんだが良いか?」
『お主を巻き込んだ責任はワシに有るからのう。答えられる範囲で、そうだのう…………あと3つまでなら答えようかの』
3つか…………偉そうな割りに意外とケチだな、自称調律者か。まぁ、上手く誘導してみるか。
「では1つ目。僕にもステータスやスキルは有るのか?」
来るのか………チート。いや、来てくれチート。
『勿論じゃ、この世界に生きる全てのモノにはステータスが存在する。頭の中でステータスを念じて見るがよい。ワシにもお主のステータスは分からんからのう』
全てのモノにねぇ。
まぁ、それは置いといてステータスとやらを確認させて貰おうか、なんせ命が掛かっているからな。
頼むぞ………来てくれチート。
アッシュ・シラト?
一般人?/――――
Lv 3
HP 200
MP 0
攻撃力 100
防御力 100
素早さ 50
魔法攻撃力 400
魔法防御力 100
属性
全天88星座 -88
スキル
想星魔法☆☆☆☆☆
称号
???
???
???
???
???
???
う~む………他人のステータスが分からないから何とも言えないが、低く感じる。何気なくLvが3になっているのも気になるところだ。
1番気になるのは名前とジョブらしき物に?が付いている事だ。異世界では名前まで否定されるのか?幾ら僕の名前がキラキラネームだからと言っても、流石に嫌過ぎるぞ。
あと気になるのはスキルの想星魔法と属性の全天88星座だな。MPが全く無いので想星魔法は試す事は出来ないが、説明によると魔法を作る魔法らしい。全くもって謎だが………Lvが上がったら流石にMPは増えるよな、じゃないと色々と困るぞ。
属性も名前から想像は出来るのだが、念の為に確認した方が良いだろう。
『ステータスは分かったかのう。どうじゃったかの?』
「他人の事は分からないが低すぎるな。生きていける気がしない。2つ目の質問良いか?この世界での属性って何だ?」
『この世界の属性は88種の星座に由来しておる。別名、守護星座。1人につき1種~2種有るのじゃ。それと、星座やスキルは強味にも弱味にもなりえるのじや。おいそれとバラすものでは無いがのう。ちなみに12人の勇者達は最強と言われておる黄道12星座をそれぞれ持っておる、かなりレアな属性なのじゃぞ』
おい、「プライバシーはどうした」と数分話したいところだが、調律者自らが進んで話してくれているのだ。僕は甘んじて受けるぞ。
それにしても流石は勇者達だな、最強の属性持ちか…………テンプレだな。
僕自身は星座に対して特に知識は無いが、星座は星の大きさ、明るさ、見え方の組み合わせで形が決まっていたはずだ。と言う事はだ、この異世界の座標は地球と同じ………いや、ちょっと待て、数は地球と同じだが、地球の星座と形までが同じとは決まってないよな。
ただ、僕の場合は星座ですら無いし、-88も気になるが…………チート来たかもな。
どっちにしろ、星座に関しては早めに確認が必要だな。質問は後1つか…………本当は称号が???になっている理由と称号についても聞きたいのだが、ここは………
「では、最後の質問だ。これから僕が転移される場所は勇者を召喚した国か?それとも場所は選べるのか?」
もう1度転移させられる事は、最初の会話から分かっている。そして、この場所が異世界でも特殊な場所だと言う事も。
更に言うなら、この自称調律者は召喚者では無いだろうからな。
『お主の言う通り、召喚者達のいる国じや。ただし、場所は選べない。他の勇者達同様に4大国の何処かじゃ』
なるほど「召喚者達のいる国」それに「4大国」か、と言う事は1つの国に3人の勇者ってところか………アイツらが居るとしたら1国に固まっているかもな。
「その4大国には人間だけが住んでいるのか?」
『獣人やエルフ等も住んでおる。お主を転移させるのは人族が多いイストじゃ』
他の人種がいる事が分かったのは大きいぞ。これで最低限は聞きたい事も聞けたかな。仮にアイツらと別れる事になっても危険は低そうだな。
最初に転移させられる場所も安全そうだし、あとは4分の1の確率だな。
『では、転移させるのじゃ。おぉ、いい忘れておったが勇者達はここでの異世界の歩き方を覚えておらん。お主だけは巻き込まれたが為に、ここでの記憶を持って転移される。まぁ、気を付けるのじゃ』
最後にサラッと、とんでもない事を言われた気がするが……………手遅れだな。




