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異界の住人たち  作者: misato
プロローグ
1/53

***

 不意に目が覚めた。

 私のまわりは深い闇だった。なにも見えない。

 なのに、わかった。

 なにかがいる。すぐ近くに。

 私を見ている。じっと見つめている。

 逃げ出したいのに身体が動かない。怖い。

 どこかから声が聞こえた。

 ──おまえが悪いんだよ。おまえのせいだ。

 私のせい? 

 だから仕方ないの? 

 私は問う。

 でも、じゃあ私はどうすればいいの? 

 突然、闇の中に手が現れた。そこだけ浮かぶように白く。

 およそ人間のものとは思えない勢いで、私に向かって手がのびる。

 悲鳴をあげる間もなく──。

 そこで本当に目が覚めた。

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