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dual  作者: T.D.W.
● プロローグ
1/12

今日

お初です、T.D.W.といいます。初作品・初投稿です。

誤字・脱字・アドバイス・感想など、何かしら頂ける場合には

ぜひとも感想にてよろしくお願いします

そしてあまりにも拙いですが、ご容赦下さい。


それでは始まります。

理由なんて聞いてはいない

必要がない上に”あれ”に興味がないからだ。

ただ、いつもの様に与えられた事を確実にこなせばいい。

それだけの事だ。

自分には「力」があるし、そこから来る絶対的自信もある。


では何故。

何故、自分はこんなにも焦っているのか。

知りたくない。

解りたくない。

認めたくない。

だが、既に気づいてしまっている。

事は単純明快。

自分に絶対的自信を持たせてくれる「力」が通じない。

それだけの事だった。




■■■■





とある友人の話だ。

彼は、ことあるごとに自分の事を落ちこぼれと言っていた。

努力は人一番していたし、成績も悪くなかったのにも関わらずだ。

別の友人が彼に質問をした。


『何故そこまで自分を卑下するのか』


期待に応えられてないから。と、彼は答えた。


彼には二人の妹がいた。

彼女らはとても優秀で「力」も持っていた。

彼は妹達と比べられ、自分の親から落ちこぼれと呼ばれていたのだ。


彼は、努力は必ずしも報われるものではないという事を知っていた。

彼は、自分の凡庸さを知っていた。

彼は、この世界の「力」ある者の理不尽さを知っていた。


しかし絶望はしていなかった。

この世界の理不尽さは、誰もが知っている事だからだ。

「力」をもたなき者の方が多いからだ。

そして何より彼は、もたなき者側に立っている事に幸せを感じていたからだった。


ところがある日、彼は姿を消した。

抗った結果の事ではあった。

彼は絶望したのだ。

自分が、



「ちょぉおっと待ってくれぃ」



酷く酒臭い息を吐きながら、中年の男が話しを止めてきた。

顔は赤く染まり、いい感じに酔っ払っている。



「いやぁ~なにか面白い話をしてくれぇってぇ頼んだのは俺だがよぉ・・・兄ちゃん。

 正直、これはねぇぜ」



「なにが無いんだなにが。後4~5文字程度でクライマックスだったのを

 止められたんだぞ?俺の方がそのセリフを吐きたくなるわ」



「いやいや兄ちゃん。これだと全くもって微妙な気持ちにしかなんねぇからなぁ

 ホントもう、初対面の酒の席で聞くような話じゃねぇから」



「その初対面さんに無茶ぶりしてきたのはそっちじゃね?」



「そうは言ってもよう・・・もっと・・・他にあんだろうがよぅ・・コレの話とかよぅ」



酔っ払いは右手の小指を立てながらニヤニヤしていた。

正直、とても殴りたくなるような顔だ。



「あ~俺マジ無理なんだわそれ。鳥肌から冷や汗から色々抑えないといけなくなる

 まぁそもそも、そういうの出来た事ないから話そうにも話せないしなっ」



「ドヤ顔しながら言うことじゃねぇぜ兄ちゃん・・・・

 顔は悪くないんだから頑張りなよなぁ、うかうかしてると魔法使いになっちまうぜぇ」



「むしろその都市伝説的な力を手に入れてやるよ俺は」



町に数多くある酒場の中の一軒

ふらりと暇つぶし程度に一杯やろうと思ったのが

そもそもの間違いだったのかもしれない。カウンター席に1人で座った結果、

同じように1人酒していたこの中年に絡まれているわけだ。



「しかしなぁさっきの話だけどな兄ちゃん。お前さんはあれかぃ?

 上級学校出なのかい?」



「おっさん名推理だなー。ま、成績の良し悪しとか話しに出してたらわかるか」



「いやぁー、上級学校の卒業生となっちゃあこりゃぁ、俺の首が飛びかねない

 身分の方だったりするんじゃないか? まぁいいか!! ワハハハハ!!」



と、目の前の中年は豪快に笑った。

絶対、素面になった時後悔するタイプだろう。



「安心しなよ、ただのプー太郎。ルーツ・レス(根無し)だよ」



「上級学校卒業のルーツ・レス? おいおい、冗談だろう!?その話が本当なら

 落ちこぼれは友人じゃなくて兄ちゃんの方だなぁ! ワハハハ!!」



「・・・・」



ぐぅの音も出ないとはこの事だろうと思う。言い返そうにも言い返せない。

だが、ここは我が尊厳を守るために!!



「よかろう、ならば戦s」



「ところで兄ちゃん、あれぇ見ろよ」



「・・・あんたはとりあえず人の話を聞け酔っ払い」



中年が指差したのはカウンター席の一番端。

一人のフードをかぶった人物がいた。

あからさまに怪しい。だがこの酔っ払いはなんでわざわざそんな事を俺に伝え――、



「グラスをシャーってやって飲みな俺の奢りだ(キリッ)って出来んじゃね!?

 出来んじゃね!?」



「やらねぇよ!そしてなにその顔ウザっ!」



「おじさん一回やってみたかったんだよねアレ。よしやろう!マスター!

 とびっきり強いの頼む!」



「ねぇやめよう。マジ今更古いよそれ、マスターあんたも酒出してんじゃないよ

 っていうかマスターが直接渡して『あちらのお客様からです(キリッ』って

 やったほうがってああああああぁぁああああ!!」



グラスに入れられた酒は、中年の手から離れカウンター席を滑る様に一直線向かいながら

フードの人物の場所へと――、



「よっしゃぁ!!」



丁度止まる訳もなく、フードの人物の手へ直撃。グラスは倒れ酒は服を濡らした。



「・・・・・・・」



「「・・・・・・・」っじゃねぇよオッサァアン!!なんかもう色々予想通りだよ!

 あれ?なんで指を俺に向けててんの?おいやめろ勘違いされんだろ。

 あれ?ねぇあのフードの人、グラス持ってこっち振りかぶってない?

 あれ?俺狙ってない?おいおいそこのアンタ!真犯人は他に――――ぶっ!!」




結論、今日は厄日である。

チラシの裏は両面刷りなので書けませんでした。


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