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第16話:新たな依頼

料理祭から3日後。

俺たちはまだ王都に滞在していた。

優勝の余韻もあったが――それ以上に、様々な依頼が殺到していた。

「ケント様、ぜひ我が店で働いてください!」

「いや、うちの貴族の専属料理人に!」

「報酬は金貨100枚出します!」

毎日、色んな人が訪ねてくる。

「すごい人気だな……」

レイナさんが苦笑いしている。

「当然だろ。お前、王国料理祭の優勝者だぞ」

「でも、全部断ってるんですよね……」

リナが心配そうに言う。

「ああ。俺は、村に戻るつもりだから」

「村に?」

セシリアさんが驚いた。

「ええ。俺の居場所は、あの村のカフェです」

「でも、もったいないわ!王都で店を出せば、大成功間違いなしよ!」

「それは……嬉しいですけど」

俺は首を横に振った。

「俺は、小さなカフェで、お客さんと向き合いながら料理を作りたいんです」

「……」

「それが、俺の幸せなので」

セシリアさんは、少し寂しそうに微笑んだ。

「そう……残念だけど、あなたらしいわね」

「すみません」

「謝らないで。あなたの決断を尊重するわ」

その時――

執事が部屋に入ってきた。

「セシリア様、お客様です」

「お客様?誰?」

「王城からの使者です。ケント様に、お話があるとのことです」

「王城から!?」

全員が驚いた。

「分かったわ。応接室に通して」


応接室。

そこにいたのは、王宮の高官らしき人物だった。

「初めまして、ケント殿。私は王宮の宰相、グレゴリーと申します」

「宰相……!」

宰相といえば、王国のナンバー2だ。

「この度は、料理祭の優勝、誠におめでとうございます」

「ありがとうございます」

「早速ですが、本題に入ります」

グレゴリーさんは、一通の書簡を差し出した。

「これは、国王陛下からの親書です」

「国王陛下……!?」

「はい。陛下は、あなたの料理に大変興味を持たれました」

グレゴリーさんは続けた。

「そこで、陛下から依頼があります」

「依頼……ですか」

「1ヶ月後、王国では『建国祭』が開催されます」

「建国祭……」

「各国の王族や要人が集まる、国家最大の祭典です」

「そこで、晩餐会が開かれます。その料理長を、あなたに務めていただきたい」

「え……!?」

予想外の依頼に、言葉を失った。

「晩餐会の料理長……ですか……」

「はい。各国の王族に、あなたの料理を振る舞っていただきたいのです」

「でも、俺には……」

「大丈夫です。王宮の料理人たちが、全面的にサポートします」

グレゴリーさんは真剣な目で言った。

「これは、国家の威信をかけた晩餐会です。あなたの力が、必要なのです」

「……」

俺は考えた。

正直、プレッシャーは大きい。

でも――

「分かりました。お引き受けします」

「本当ですか!」

「はい。せっかくの機会ですし、挑戦してみたいと思います」

グレゴリーさんは、安堵の表情を浮かべた。

「ありがとうございます。では、詳細は後日お伝えします」

「はい」

グレゴリーさんが去った後――

「ケント、大丈夫?」

リナが心配そうに聞いてきた。

「ああ。やるからには、全力でやるよ」

「私も手伝うからね!」

「ありがとう、リナ」

こうして、俺は新たな挑戦を引き受けた。

建国祭の晩餐会――

王国の命運を背負った、大舞台。


ーー第17話に続く

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