1話
その日、俺は“真実”を聞いてしまった。
「アイツのことは全然好きじゃないから。嘘コクだったしね」
その声は、間違いなく俺の彼女の声だった。
「まだアイツと付き合ってたんだ?」
「うん。もうとっくに期限は過ぎてるけど、面白いからこのままにしてる」
……理解ができなかった。
本気で、彼女は俺のことを愛してくれていると思っていた。
キスだって、何度もした。
なのに、どういうことだ?
全部、嘘だったってことか。
俺は、ずっと一つの疑問を抱いていた。
彼女は付き合う前、俺のことをすごく嫌っていた。
本人は「照れ隠しだった」と言っていたが、それにしてはあまりにも態度が冷たすぎた。
付き合い始めのころも、彼女はよく嫌そうな顔をしていたし、時々、舌打ちも聞こえた。
それでも俺は、「あんなに可愛い彼女が俺なんかと付き合ってくれるなんて、夢みたいだ」と思っていた。
ーーーーー
家に帰ると、恒例の連絡が入っていた。
スマホは何度も鳴っていたが、俺は無視した。
そしてその夜、一晩中考えて――決めた。
「別れよう。」
だが、俺は知らなかった。
この“別れの決意”が、彼女のある行動によって悲劇に変わることを――。
「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!」
ブックマークや高評価、ランキングでこれからの投稿に力が入ります
___




