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26 母の実家に行く

剣の訓練が始まってから一か月が過ぎ、俺が俺はほぼ健康を回復した。家庭教師による授業も再開されていた。


我が家は正式に貴族ではないので、私塾に行ってもいい。下級貴族向けの安価な少しグレードの高い私塾もあるが、『外聞が悪い』という母の言葉で分不相応に家庭教師を雇っている。ただ、かつてのガルゼイの素行のせいで、良い人は来てくれない。


今来ているのは、食い詰めた若い学者崩れの男で、授業もやる気がない。何となく時間いっぱい過ごして、早く帰ろうという気持ちが全身に表れている。


俺も勉強には興味が無いので、前でだらだらと説明しているのを聞き流して、教科書の面白そうな部分だけを拾い読みしていた。


お互いに干渉せずに、無事に時間いっぱいやり過ごすのが一番平和だ。


今日も授業が済んで、教師が逃げるように去っていく。


俺も席を立って部屋を出ようとすると、ドアのところで母マリエルが顔の右半分をドアの陰から覗かせて、こっちを睨むように見ていた。


「あ、どうも…」


と気の抜けた感じでなんとなく挨拶をする。


「私の部屋へ」


とだけ言って母上は踵を返す。


ああ、またかと思いその後に続く。


このところ数日おきにこんなことが続いている。


母上の部屋ではお茶が用意されていて、二人だけのお茶会が開かれる。


と言っても、母上の愚痴を一方的に聞かされるだけだが。


過去に遡って母上が言うには、この家に嫁いだのは母上一生の不覚と言うこと。それを息子の俺に聞かせてどうするのかと思うが、逆らうと機嫌が悪くなるので、とりあえずハイハイと適当に相槌を打って聞いたふりをしている。


母上の生家は由緒ある歴史を持つ伯爵家で、現王族との血縁のある家柄だ。


ただ、先代の伯爵の時(ガルゼイの祖父)の時に没落して、経済的に困窮することとなる。それは母の思春期、10代前半の頃のことで、一家はぜいたくな暮らしから貧困倹約生活へと急落してしまう。当主が母マリエルの長兄(ガルゼイの伯父)に代わり立て直しを図るがなかなか上手くいかず、マリエルと2歳上の母マリエルの姉は持参金が用意できないので、二人とも結婚せずに神殿に入るしかないという話になっていた。


母上のメダス伯爵家は、王党派のゼルガ公爵家の頼子だ。


ミドルネームにはゼルガ公爵家の一門であることを示す『リース』が入る。一門と言っても、血縁があるか、分家か、後に名前を貰ったか、と言うだけのもので、同じミドルネームだからと言って必ずしも味方とか仲間とか言うわけではない。同じ一門でも敵対関係であることは多々ある。ただ、母のメダス家は完全にゼルガ公爵家の庇護下にあった。


生活が困窮して進退極まった現メダス家当主(母上の長兄)のロイスは、


「このままでは屋敷を売りに出すしかない」


とゼルガ公爵に泣きついた。そして、ゼルガ公爵から一つの提案をされる。


「私(ゼルガ公爵)の信頼する部下(俺の父のバルド)がヘーデン商会という会社を経営して成功を収めている。この男は準男爵で正式な貴族ではないが、今後の活動を円滑にするため地位を上げておきたい。その男の男爵への昇爵を貴族院に推薦するにあたって、由緒ある貴族家の血縁となる必要があるのだ。そこで、歴史と伝統のある貴殿のメダス伯爵家の、二人いる娘のうち一人をその家に嫁がせるのはどうだろう?」


という話だった。


毎回、話がこのあたりになると母マリエルの眉間のしわが深くなり、機嫌の悪さがピークになる。


そんなに嫌なら話さなければいいのにと思いつつ「へいへい」と生返事をして聞いている。


「娘を嫁がせる見返りとしてその準男爵から、今ある借金の肩代わりと今後の経済援助を約束されました。血縁となればメダス伯爵家は血縁になります。それならば借金と言う形でなく身内を援助するという名目で、月々の生活費を用立てくれるという事だったのです」


と、血を吐くような苦悶の表情で母マリエルは話す。


年齢的には上の姉が比較的釣り合うのだが、当時姉には、貴族の通う私塾で同級生だった男の恋人がいた。それを別れさせるのを不憫に思った前当主(母の父)の意向で嫁ぐのが母マリエルに決められた。若い方が新しい環境に馴染めるだろうという判断もあったという。


そして、メダス家は経済的に立ち直り、貴族としての品位を保てるようになり、母上の姉は恋人の中級伯爵家に、高額の持参金付きで正妻として嫁ぐことができた。


「私は次女なので家のために犠牲になるつもりでこの家に嫁ぎました。しかし、爵位は落ちても、あの男が男爵になり、正式な貴族に昇爵するという話だったので、この婚姻を受け入れたのです。なのに、その最低限の前提を反故にされ、その後14年もそのままです。皆、私の献身を忘れて知らぬ顔をしているのが許せないのです。特にあの男、元山賊は詫びの一つもありません」


と憤る。


つまり、皆がハッピーエンドになる中、母上一人が貧乏くじを引いたという感じなのだ。


だから、その不満が母上の中でマグマのように煮えたぎっていて、ちょっとしたきっかけで噴出する。俺に対しても、自分の貴族としての誇りを奪った男の子と言うことで、複雑な感情があったようだ。


ただ、今回俺が瀕死になったのを受け、何か心境の変化があったように見える。それが何か分からないが妙にウザ絡みをしてくるのでなかなか迷惑をしている。


母上の実家も母に負い目を感じているので、母上に対しては腫物を触るような扱いだ。


母上はメダス家の経済的生命線なのでないがしろにはできないだろう。母上が機嫌を損ねて、離縁でもしようものなら、ヘーデン商会からの収入も絶たれるし、何よりゼルガ公爵家への面目が立たない。


俺が嫡男でいれば、血縁は続くので母上が居なくてもいいという判断にもなるかもしれないが、今回俺が廃嫡されたので、メダス伯爵家の立場が揺らいでいる。俺の廃嫡はゼルガ公爵家の意向でもあるので、直接文句は言われないだろうが、メダス伯爵家の重要度が下がるのは間違いない。


「今日は実家に行きます。分かっていますね」


と母。


「えっ、そうでしたか?」


と俺。初耳だ。


「ちゃんを言いましたよ。なぜ忘れるのですか。大体あなたは人の話を…」


と説教が始まってしまった。確かに聞いた覚えはないのだが、母の中では言ったことになっている。こんなことが多々あるので、対応に困る。とりあえず『すいません。不注意でした』と謝って嵐が過ぎるのを待つ。


説教の後身なりを整えて、俺と母は馬車で出かけた。ここでは『馬車』と言っているが、こちらでは『マ荷車まにしゃ』と言う。『マ荷車まにしゃ』を引くのはもちろんワマだ。あの大きな口で目の細い、不細工で凶悪な顔にはなかなか馴染めない。近くに行くとあの牙で噛みつかれたらどうしようと不安になるが、やはり性格は穏やからしく、御者がなでると機嫌よく鼻を鳴らしている。


ただ、敵に対しては容赦なく噛みつき攻撃をするそうなので、敵認定されないように気を付けようと思う。


俺と母の乗る『マ荷車まにしゃ』は新市街から王城への第二城門を越え、旧市街に入る。旧市街は貴族の住宅が密集する地区で、歴史ある旧家は皆この地区に邸宅を持つ。旧市街はインフラなども古く坂道が多い。生活するには結構不便なのだが、この地区に家があるというのが王都での貴族のステイタスになっている。


母の実家メダス伯爵家は名門貴族とあって、奥まった王城への第一城門のすぐそばの一角にあった。


さすがに王都の一等地とあって土地が貴重なので、通りに面した庭などはない。広い中庭を邸宅の建物が取り囲む作りになっていて、『マ荷車まにしゃ』は大きな門のある入り口から直接中庭に乗り入れていく。


表通りへの門が軋みながら大きな音を上げて閉じる。


俺がまず『マ荷車』を下り、後から降りる母の手を取ってエスコートする。


「やあよく来たね、マリエル」


と人のよさそうなくすんだブロンドで面長のモブ顔の男が満面の笑顔で母と俺を迎えた。


現メダス伯爵で母の5歳上の兄のロイスだ。


「父と母に、エリシア、マークも中で待っているよ」


と言う。エリシアと言うのは伯爵家に嫁いだ2歳上の母の姉だ。マーク叔父は母上の弟でこの家の末っ子で次男だ。母上とは12歳離れているので今18歳か。結構若いな。俺の5歳上だ。この弟は母とは腹違いだ。長男が若いころ病弱だったので何かあった時のスペアとして生まれたという。長男が家督を継いだ今は立場が微妙らしい。まあ、それはどうでもいい。俺の知ったことではない。


ただ、母上の話では今回の俺の不始末で何か良からぬことを考えているという話で、そのことに釘をさしておく必要があるそうだ。まあ、それもどうでもいい。俺の知ったことではない。


こんな家がどうなろうと知らん。


今日はなんかうまいものを食べさせてもらえるそうなので、貴族の専属料理人の本気を見せてもらおうと思う。


まずは応接室で久しぶりの顔合わせだ。


重厚なハードウッドの猫脚テーブルと硬めのソファー。似たようなモブ顔達が集まっていた。


「随分久しいな。たまにはこちらに顔を出せと言っているだろう。ここはお前の実家なのだから遠慮はいらないのだぞ」


と言うのは先代当主の祖父マルセスだ。


白髪頭にふさふさのあごひげを蓄えている。道の段差で必ず蹴躓けつまずくダメなサンタクロースのような雰囲気だ。


「そうよ、お帰りなさい」


と隣の気品ある白髪の女性、祖母エミーナが笑顔で言う。育ちの良さが物腰に表れている。


昔はさぞ美しかったのだろうと思える凛とした顔立ちだ。母と似ず、背が高い。


こうして見るに、この祖母から容姿の美しい血が入っているはずなのだがそれが子供たちに反映されている様子がない。どういう訳か皆モブ顔だ。現当主ロイスは輪郭だけが母親に似ている。


新市街の屋根裏で見た曽祖父の絵は神経質そうな細面の鷲鼻だったから、このモブ顔は曾祖母からの遺伝のようだ。それにしてもあの絵がどうして実家でなくヘーデン家の屋根裏にあったのかは謎だ。


母マリエルの姉のエリシアは現当主ロイスの横に立ち、控えめな様子で微笑んでいる。エリシアは母と同じ明るいブロンド髪を、王都のはやりの巻貝ヘアーで高々と結い上げている。母の髪型と違うのは両サイドのドリル髪一房が無いことだ。モブ顔が母より薄くて、少しおとなしめの顔の美人さんだ。この人は俺が幼いころ、新市街の屋敷にお茶会で来て優しくしてもらった思い出がある。しばらく会っていないので今はどう思われているかは知らない。


ロイスの妻と子はここにはいない。


少し離れた場所にチャラそうな高身長のイケメンが一人。横分けの明るい赤毛で母の腹違いの弟のマーク叔父だ。


こいつはモブ顔でない。無駄に堀が深く、ぱっちりした大きい目をしている。多分母親の血が濃かったのだろう。と言っても母親の第二夫人はこの場に居ないし、今まで会ったことも無いので、実際にそうなのかは分からないが。家を没落させた爺さんの女性の好みがこんな感じかと想像した。


マーク叔父は微笑んでいるというより、人を小ばかにした顔でニヤニヤしている。嫌な感じだ。なぜか俺の方を見ているような気がする。お願いだから絡んでくるなよと心の中で思う。ナコねーちゃんと同じ赤毛なの腹が立つ。でもナコねーちゃんの方は濃い燃えるような赤で、こいつのよりずっと奇麗だ。


「皆様もすこやかなご様子で、嬉しいですわ。そうでなければ私があの家に嫁いだ甲斐がありませんからね。この頃は兄さまの王宮でのお仕事も順調なようだとお噂をお聞きしましたわ」


と、チクリと嫌味を交えつつ、にこやかに話す母。


「いや、仕事と言っても、知り合いのつてで文官の仕事を回してもらっただけで、大した働きはしていないよ」


と謙遜して見せる現当主のロイス。


人が良さそうな、気弱な性格が見て取れる静かな話し方だ。


「いえ、そんなことはありませんわ。兄さまは我が家の品位を保ってくれているのです。文官と言えど、王家を支える立派な仕事ではありませんか」


とそれにお世辞を返す母。


母の『我が家』と言う言葉にマーク叔父が不快そうな顔をする。この場に居る母は正式には平民であって、メダス伯爵家の人間ではない。つまり身分が下で彼等と対等ではない。


それが、伯爵家を『我が家』と言うのは無礼で不遜な態度とも言える。


ただ、今のメダス家でこの母の言葉に正面から異を唱えられる人は居ないだろう。


今のメダス伯爵家には領地がない。なのでこの家の正規の収入はロイスの給料だけだ。文官の安い給金でこの家と貴族としての品位を保つ生活費を維持するのは不可能だ。ヘーデン商会の援助が無くなれば、メダス伯爵家はすぐにでも破産することが確定しているのだ。


「そう言ってくれるのはマリエルくらいのものだ。この由緒ある家がかえって重荷だよ」


と弱気に笑う。虚勢を張らないところは好感が持てるが、貴族としてその物言いは大丈夫なのかと疑問に思った。


「まあ、積もる話は昼食の時にするとしよう。マリエルは自分の部屋で呼びに行くまでゆっくりしていなさい。ああ、ガルゼイも一緒にな」


祖父の俺を見る目は素っ気ない。他の者も俺に話しかけては来ない。今回の俺のやらかしは、情報戦で王都中に知れ渡っている。こちらからも情報戦の反撃はしているが、俺の鬼畜ぶりは反論しようのない事実として確定している。俺もあの時の俺のにやけ面や物言いを思い出すといまだに怒りが込み上げて来る。


やられた俺が一番俺に腹を立てているのに、その被害者の俺が加害者の俺でもあり、極悪党として世間から非難されるという、訳の分からない状況だ。


祖父に促されて母と俺は元の母の部屋に向かう。


母が家を出て15年になるが、母の部屋は元のままだという。


次女の母の部屋は最上階の3階にある。新市街の部屋の半分ほどの広さで、畳8畳くらいだろうか?土地の少ない旧市街ではこれでも広い方だという。


部屋が最上階なのは母が次女だからだ。旧市街の家は下の階に行くほどいい部屋になる。家々が密集しているので、下の階は火事の時に逃げやすいという事のようだ。あと、女性は全て2階以上に住むことになっている。これには女性の地位が低いことと別に、侵入者から女性を守る目的のもある。


母の部屋で俺はテラスへの内開きガラス窓を開く。


ガラス窓は王都でも高級品だ。そして大きな1枚板のガラスは超高級品なので、普通はステンドグラスのように金属の小さなフレームで小分けして、タイル状のガラスを並べてはめ込む形式になっている。この部屋の窓もその形式だ。ガラスは厚さが一定でなく、外の景色が少し歪んで見える。


窓から外に出る。


外壁レンガの穴に木を渡してウッドデッキのような小さな出窓が設えてある。テラスにはテラコッタの植木が左右に二つほど置いてあり、黄色い大振りの朝顔のような花が密集してあふれるように咲いていた。


猫脚のデッキチェアーにかけて、旧市街を見下ろす。周りの家も大体3~4階の高さで、外庭の無い作りだ。つながった古いピンクの漆喰壁が狭い石畳の道の両サイドで連続した壁のように連なっている。


家々の壁と壁がくっついているのでどこまでが一軒の家か分りづらい。中庭への大門の数で判断する感じだ。


陽当りもあまり良くないし、生活環境で言えば新市街の方が断然いい。しかし、旧市街には、ここに住めるエリートであるという、変なステータスがあるのだ。あとは戦になった時に旧市街は、第二城門を閉じて籠城することで住人が守られるという話だ。しかし、最後に王都が敵に攻められたのは何百年前だったろうか?歴史はうる覚えだが、ここ数百年は攻められたことが無かったはずだ。


「母上、私は歓迎されていないようですね。やはり、来ない方が良かったのでは…」


と母に言う。


母は連れてきた年嵩の侍女に髪と化粧を直してもらっている。


この侍女は俺に呆れて『無いわー…』とつぶやいたあの侍女だ。名前はベスと言ったか?気難しい母の機嫌を取るのが上手く、母のお気に入りだ。この侍女だけは母が実家から連れてきた人間だ。子供のころから知っていて、気安いのだろう。


他に連れてきた御者と護衛は1階中庭の詰所で待機している。


待機と言っても、この家の門番や護衛と無駄話をしてお茶を飲んでいるのだろう。


護衛は騎士学校中退の崩れで、正式な騎士ではない。なので正規の騎士服が着られないから、それっぽく見えるなんちゃって騎士服を着ている。前世でガードマンが警察っぽいけどちょと違う制服を着ていたのと同じ感じだ。


青銅のような金属製の鏡の向こうで母がこちらを睨む。


「何を言っているのです。ここでしっかり釘をさすのです。あなたがまだ嫡男であることを示しておかないと、今後ないがしろにされるだけですよ。しっかりしなさい」


(えー、別にどうでもいいよ。もう嫡男じゃないし。よそから養子でも貰ってくれよ…)


と言いたかったが、また母に泣かれると困るので言わなかった。


侍女にも『無いわー…』と呆れられたくない。


このところ剣の訓練を頑張っているのを見て、この侍女『ベス』がいくらか優しくなってきたところだ。俺は小心者なので、周り全部を敵に回して、責められ続けるのは辛いし嫌だ。


なるべく早く死にたいが、母にあれほど泣かれては、簡単に死ねなくなった。


それに、俺が死のうとしても黒衣の老人の呪いで簡単に死なせてもらえない。この呪いを何とかして普通に死ねる体にする方法も考える必要がある。でないと一生この体から逃げられなくなってしまう。


自殺は駄目でも事故死なら何とか母も許容できるのではないか。すぐには無理でもこのままナコねーちゃんの敵としてずっと生き続けるという選択肢は無い。


この体に憑依した時のナコねーちゃんの憎しみに燃える目を思い出す。大好きなナコねーちゃんに今後あんな目で見られると考えると心が萎える。


黒衣の老人の呪いで『遠耳』の能力が使えるが、ランス湖の別邸で使って以来一度も発動していない。人の内緒話を聞いていい事は無い。それでかつてのガルゼイは病んでしまったのだ。恐らく、この家の中でも俺の悪口が話されているはずだ。それを聞いて平静でなど居られない。


などと物思いにふけってい居ると、この家のメイドが母と俺を呼びに来た昼食の準備ができたようだ。

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