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カノジョ(仮)17

作者: GTM

 人類が人型兵器で戦争をするようになって半世紀。

 地球在住者が勝利した月移住者との全面戦争に巻き込まれアレコレあって人型兵器のパイロットになった少年ナナミと少女ミナミ。

 大戦当初は、宇宙巡洋艦アレックスコードに乗っていた。

 いつのまにか二人はデキていた・・・


「敵の女スパイってまたあいつか」

 単身赴任の艦長は頭を(なや)ませていた。

「一度逃げられた女でしょ。これでチャラじゃないですか」

 と、格納庫でスパイを発見した人型兵器隊の小隊長。

「ボクに話をさせてください」

 ブリッジに上がって来たナナミが申し出た。


 地球合同軍の(ふね)に単身潜入したハンナという女の子(見た目10代後半)が監禁されている部屋に入ってきたナナミを見た手錠の女は、

「さっき尋問は終わっただろうが!さては、おまえ、わたしを(はずか)しめに来たか‼」

「きみは複製人間か?」

「ちがう!」

「たしかめてやる!」

「やめろ、おまえ!胸をさわるな‼」

「この感触・・・わからん」

「わたしは複製人間でもスパイでもない。本業はパイロットだ」

「ボクもパイロットやってる」

「もしかして、やはり、白い機体のパイロットか!この鬼、悪魔、人でなし!何人の同胞が。普通だったら終身刑だ」

「戦争だから。戦争だからしょうがないじゃないか!」

「おまえ、泣いているのか・・・わたしも人のこと言えんな」

 二人は見つめあい、やがて唇を重ねた。

 短いセ、ップンを終えるとナナミが、

「きみは本当はいい子だよ。正直に本当のこと話して、おとなしくしていれば、悪いようにはしないはずだから。じゃあ」

 ナナミが部屋の外に出ると、パートナーのミナミちゃんがいて、

「ナナミ―、なに話したの?オッパイさわったりしなかった」

「そんなことするわけないだろ!」

 (さわってました)

「ナナミ―、口紅ついてるよ」

「本当!どこ?」

「うっそー」

「そういうの、よしてよね」

「彼女どうだった?」

「言うなれば、戦争が産んだ被害者か」 

「そうかなー」


 夜中、サイレンが鳴った。

「女が逃げたぞー」


(おわり)

 

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