私から世界がセカイに変わった日
いつも通りの世界、何も変わらぬ日常、なのに何かが違う、今日はそんな気がする一日だった。
ある子供は学校に、ある大人は会社に、ある学生は友達と遊びに、ある年寄りは病院に、ある者は家に籠る…
世界は回り続けていた、世化イは少しずつ変わっていった、世カイは誰にも知られず少しずつ変わってしまった、人が気づいた時にはもうセカイは変わってしまっていた。
今日も今日とて今日が始まる。
終わることはずっと先の人生が始まる。
ただ、人生がいつ終わるかなんて誰にもわからない。
その時が来ない限りわからない。
しかも、残念なことにその時は唐突にくる。
構えられずただ運命の歯車に踊らされる。
世界はそうできている。
しかしながら 悪魔 を作るのはいつも人間である。
誰も気づかないだけで。
今日、学校で全校集会があった
緊急の全校集会だ
なぜか先生方の空気がピリついている
まるで全員が緊張をあらわにするように
校長が壇上の演台に着き話し始める
「生徒の皆さん、おはよう。
最近は夏の猛暑が続きますが如何お過ごしでしょうか。猛暑が続きますので体調管理は気をつけてください。そういえば…」
校長の長い話が始まった
ちゃんと聴いてる人もいれば目をつぶって寝ている人、友達と小さな声で話す人も居る
全校集会で校長が呑気な話をしているのはいつものことだった
しかしながら、今回は一つだけ違う
それは先生方のピリつき方だ
なぜか今回だけ異様にピリついている
嵐の前の静けさとは真反対だがそれに近しいものを感じた
「ですので、暑いですが集中力を切らさず頑張って勉学に励んでください
では、本題に入ります」
校長が一呼吸起き、さっきの呑気な声とは裏腹に真面目なトーンで話し始める
「皆さんはもう知っているかもしれませんが、現在ネットで有名になっているこの動画」
そういうと近くのモニターに映し出されたのは昨日、楓に聞かれた"あの動画"だった
「見たことある生徒や初めて見た生徒も居るかと思います。
人が粉へと変わり消えていく現象、ネットでは様々な反応や考察が出ておりますが理解にまでは至っておりません。
さて話を戻しますが、この動画はCGに見えますが"本物"です。
もう一度言います、"本物"です。」
体育館が静まり返る
生徒全員が耳を疑った
'何を言っているんだ'という顔をしている
「現在、この現象…不治の病"小型粒子転換症候群"
言いづらいですね、粉微塵とでも言いますか。
が現在世界各地で少数ですが見られており、この学校"蜿蜿市立源流高校"も3名、同じ症状の生徒が確認されております。名前は…」
と校長が話し続ける
生徒全員が唖然としている
「あれはCGじゃないのか?」「?????」「えっ…ちょ…どういう」
様々な反応がある、緊張感が一気に増してパニック寸前の状態となっている
誰も理解が追いつかなかった
誰も
理解できなかった