帰路に着く
日が沈みかけ空が赤く染まる頃、授業は終わり下校の時間となった。
「梨穏〜、かえろ〜」
楓がそう言いながら近づいてくる
「少し待って」
そう言いながら鞄に荷物を入れていく。
荷物を入れ終わると「よし、帰ろうっか」そう言い廊下へとでる。
他愛のない話をしながら廊下から階段に行き、階段を降り下駄箱についた頃、昼間の質問の答えを聞いてみる。
「そういえばあの動画、いろんな人に聞きに行ったんだよね?」
靴を履きながら聞いてみる。
「そーだよ?」
靴を履き終え歩き始めた頃。
「聞き回った結果、どうだったの?」
と聞いてみる。
「ん〜…やっぱりCGや現実じゃないって言う人が多かったかなぁ……でもでも!多少は現実かもねぇって言ってる人もいたよ!」
と元気よく答えが返ってきた。
「それ、その多少の人はただ楓をおもしろがってるだけじゃない…?」
と淡々と答える。
「確かにそうかもしれないけど…答えてくれただけありがたいと思わない?」
と無垢な答えが返ってきた。
「…なんとも言えない…」
と少し困惑気味に答えた。
楓と別れをつげ家に着く頃、1人考えながら歩いていた。
もし、あれがCGじゃないとしたらなんなのか、そしてあの現象はどう言うことなのか。
ずっと考えて家に着く。
結局、答えは出ずにいた。
理解しようにも理解できない現象はある、感情もある。
私はそんな時、[そういうもの]として理解している。
しかしながら、何故かコンカイだけは[そういうもの]で理解できなかった、考えるのを止められなかった。
だって、あの映像で聞いた声は、まるで
本当に悲痛に叫んでいるように聞こえたから