スタンプカードにコウノトリは来ない
お馴染み？ 月曜“真っ黒シリーズ”です。
ため息の様に漏らして夫は私から離れた。
それを引き留めるのは今や寝乱れた私の髪だけ。
もぞもぞと背中を向ける夫に私は天井を見つめたまま釘を刺す。
「お風呂には入って下さいね。でないと私がお義母様にしかられますから」
そうなのだ、私達の子作りの様子を舅は“男の興味”で姑は“嫁への怨念”で聞き耳を立てているに違いない！！
この間も、夕食の世話を焼いている私に向かって姑は「あなたの努力は分かるけど一度病院で診てもらったら」とだしぬけに言葉を投げ付け、私からビールを注がれていた舅はグラスを揺らしながらグフグフと笑った。
なんでこの人たちから！！
こんな扱いを受けなければいけないのか？？
結婚しても別居の筈の約束はやすやすと違えられて２年が経ち、石女扱いの私。
姑がどこかに電話している時に発した『嫁して三年、子なきは去る』のひと言は一瞬、私に殺意を抱かせた。
口が裂けても言えないが私は不妊ではない！！
だから原因があるとしたら、この夫の方だ！！
「明日もお願いできますか？」
と背中に言うと
「そうそうできるか！」と私から更に離れた。
なら、どこならできるの？
お義母様からダメ出しを食らった元カノ？
それとも若い火遊びのお相手？
良かったわね！タネが薄くて！！
ああ！！ ホント！！
お見合い結婚なんてするんじゃなかった！！
でも自業自得……
口うるさい実家を出る為の方便だったから。
今更戻る事もできない私の……“無実”を証明する為に必要な夫の“検査”など出来得る訳も無い。
だからこうして……毎月判で押したような“行為”を繰り返すだけ。“とど”が詰まるまで……
いきなりやって来て『迷惑だから』と無理やり追い払ったコウノトリは来て欲しい時には現れない。
そう、気まぐれなコウノトリは、スタンプカードの様な女の所へは一向にやって来ない。
月曜真っ黒シリーズですが、最近は過激もしくはドス黒い物しか思い付かず、書く前に殆どボツにしております。
そんな事情でいつ書けなくなるか……
だとしたら“なろうの健全化”に微力ながら貢献できるわけですね(*^^)v（笑）
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