5.慰めてみました
「……よし。終了。帰るよ」
「はい」
僕はこの辺りで1番高い場所、この人の屋敷にある塔の天辺に死体をおいた。目立つだろうけど、見せしめだからこれでいいんだよ。
僕たちが塔から降りたところで、
「おい!あれ!」
「んあ?何だ、あれ?」
「……ちょっと待て!あれ、人じゃないか!?」
なんてちょっと騒がしくなってたけど気にしない。こういうときは逃げるに限るね。
事務所まで戻った僕たちは、飲み物を飲みつつ休憩。僕はココア。懸山ちゃんはコーヒーだね。ブラックではなく、砂糖とミルク多めだよ。お互い自分の好きな物を飲んで落ち着いていると、懸山ちゃんが真面目な顔をして僕を見てきた。
「隊長」
「ん?どうしたの?」
「前の隊の隊長を散々言っておきながら、私も同じミスを犯していました。隊長がいなければ、私は笑いものにされたと思います。……本当に、ありがとうございました」
懸山ちゃんはそう言って、僕に深く頭を下げた。顔と机がすれすれだよ。ここまで感謝されるとは思わなかったね。
「…………」
僕は無言で席を立つ。そして、懸山ちゃんに近寄って、
「え?あ、あの」
「よしよし。良い子だね。頑張って取り組んで、失敗しても反省して。懸山ちゃんはよくやってると思うよ」
僕は少し懸山ちゃんの頭を上げさせて、その頭を優しく撫でる。身長差の問題で、座った状態だと手が頭に届かないんだよね。懸山ちゃんが座った状態で、僕が立たないと頭に手が届かない。
こういうときに低身長は疎ましいね!潜入の時は役立つときが多いんだけど。
「た、隊長。……ありがとうございます」
最初は困惑して恥ずかしがってた懸山ちゃんだったけど、すぐに僕に頭を預けてきた。それから、気持ちよさそうに目を細めて撫でられつっづける。
ぐへへっ。美少女の頭を合法的に撫でられる素晴らしい時間だぜ!
なんて僕が考えていると、
「……隊長。お願いがあるんですけど、聞いて貰えませんか?」
「ん?いいよ。頑張ってる懸山ちゃんに、ご褒美をあげようじゃないか。物騒なお願いじゃなければ大抵は聞いてあげるよ」
「ほ、本当ですか?…………あ、あの、隊長は私が受けてない拷問の訓練があるって言ったの覚えてますか?」
「うん。覚えてるよ」
性的快楽による拷問だね。覚えてるよ。これが意味するのは、懸山ちゃんのアレはまだ破られてないってこと!
「隊長、私の初めての訓練相手になって貰えませんか?」
「……良いよ」
わぉ。美少女からのお誘いだよ!やったね!
……って、思うところなんだけど、ちょっと内心ビックリ。懐かれてるとは思ったけど、まさかここまでとは。
特殊部隊として恋愛感情を持つのはマズいから、快楽関係のことも名目上は訓練ってことになってる。でも、この訓練は結局恋仲の証明みたいアンモノなんだよね。一般人の恋愛と違って、こっちは訓練だから不特定多数と相手するって言うのはあるけど。
「じゃあ、僕の家に来る?家はそこまで広くないけど、ベットも大きめだし防音性能もバッチリだよ」
「隊長のお家ですか?………行きたいです」
ということで、僕は懸山ちゃんを家に連れ込んだ。見た目はかなり地味な家だけど、内装はちゃんとしてるよ。僕が細かいところまで頑張って考えたんだから。
「外観は微妙でしたけど、中は綺麗ですねぇ。私の家と違って散らかって無くて羨ましいです」
「……おっと?懸山ちゃんは汚部屋の住人なのかな?」
「そそそそ、そんなわけ無いじゃないですか!」
……どうやら図星みたいね。今度掃除しに行ってあげよう。
僕はそんなことを考えながら懸山ちゃんと一緒に料理を作って夕食を。食べ終わったらお風呂に入って、
「初めてでも、手加減してあげないから」
「いいですよ。来て下さい……んっ//」
僕はその唇を奪い、身体をベットへ押し倒す。拷問の訓練って名目だし、激しくやってあげることにしようか。気絶するまでやっちゃうぞぉ~。
……で、朝。
「……んっ!んぅ!」
ビクンビクンと震える身体。懸山ちゃんは十連戦近くやって、気絶してしまった。ついでって言うわけでもないけど、ビクンビクンと激しく痙攣もしてる。
僕としては物足りないけど、仕方ないかなぁ。……とりあえず、今日のお仕事はお休みだね。お休みなさぁい。
「……ふぁ~」
朝。いや。朝までやって朝に寝たから、今は昼かな?とりあえず僕は起床。懸山ちゃんは、
「…………くぅ」
寝てるね。起きてたらまた朝からやるところだったんだけど、寝てるなら仕方ない。起こすのも忍びないし、ご飯でも作ろうかなぁ。
そう考えてベットから抜け出し、キッチンへ。食材は色々とあるから、ちょっと豪華な朝食を作っちゃおう。まずはご飯を炊いて、スープでも作ろうかな。おかずはその後でも良いでしょ。
「……おはようございます」
「おはよぉ~」
おかずがもう少しで完成する、って言うタイミングで懸山ちゃんは起きてきた。これを作り終わったら起こそうと思ってたし、グッドタイミングだね。
「もう少しで作り終わるからちょっと待ってて」
「はい。……お手伝いできなくてすみません」
「良いよ良いよ。気絶しちゃった子を無理矢理起こそうとも思わないから」
「っ!?……あっ、そ、それはその……」
顔を赤くして恥ずかしそうにする懸山ちゃん。いいねぇ。初心だねぇ。可愛いねぇ。
「今日はどうする?流石に仕事は辞めておいた方が良いとおもうけど、帰っちゃう?それとも……する?」
僕はニヤニヤしながら尋ねる。答えなんて分かってるからね。
懸山ちゃんは僕の予想通り、
「や、やりたいです」
頷いた。
さぁて。今回は何回耐えられるかな?僕としては20回くらいやらないと気が済まないんだけど。
「ふふっ。よく言えました。偉いねぇ~。……ご褒美に朝ご飯、口移ししてあげようか?」
「お願いします」
恥ずかしがると余計に僕がニヤニヤすると分かってるみたいで、すぐに頷いてきた。でも、顔は真っ赤だから恥ずかしがってるのは丸わかりだね。口移ししながらもっとからかお~。
「んっ///」
とてもお楽しみしましたとさ。
その次の日は流石に仕事しようって事になって、2人で暗殺を再開した。まだ懸山ちゃんは足腰が辛いみたいで、走り方がちょっと不自然なのは面白かった。
ただ、それでも仕事は効率的。1日で3件くらいは片付けることが来た。仕事が終わったら汚部屋だという懸山ちゃんの部屋に行って片付けをして、訓練という名のお楽しみを。そんな生活が暫く続いた。そんなある日のこと、
「……隊長。今月はうちの隊が小隊で1番の成績みたいですよ」
「そうなの?やったねぇ~」
僕たちの成績が出た。小隊で1番だから、喜ぶのは当然。僕も今知ったとばかりに喜んで、ハイタッチしておく。すでに数日前から知ってたけど、それは言わないお約束だね。
でも、嬉しいのは確かだよ。ほぼ左遷みたいな物だったけど、良い成績を収められたからね。もしかしたら、普通に出世コースを通るよりも出世に近いかもしれない。流石に結果を出してるのに評価されないって言うことはないだろうからね。今年度の評価が楽しみだなぁ~。僕を左遷した前の隊長の悔しがる顔が見たいよぉ。
なんて思ってたんだけど、
「……よぉ。夏川」
「あっ。先輩!お久しぶりで~す」
僕を左遷してくれた人が事務所に来たよ。流石に今は僕の隊長じゃないから、先輩って呼んでる。
先輩の姿を見た懸山ちゃんは、凄い警戒してるね。ここに他の隊の人が来ることはなかったから、どんな面倒ごとを持ってきたんだって思ってるみたい。左遷経験があるから、この小隊の解体とかも予想してるのかもね。
でも、その予想は外れて、
「喜べ。お前の隊に新しいメンバーが加わるぞ」
「……は?」
何それ。僕知らないよ。聞いてないんだけど。
そんな風に混乱してると、先輩の背中からひょこっと女の子が現れて、
「あんたが新しい隊長さん?弱っちそうだね。……まあいいや。アタシは戦場ヶ原厚美。気に入らなければぶっ飛ばすから、よろしく」
なんて挨拶をしてきた。また随分と癖が強そうな子が来たねぇ。
……でも、大丈夫。どうせこの子も天才過ぎたんでしょ?天才の扱いなら僕は上手いよ。どうにかやってみせるさ。
まずは、隣で固まってる懸山ちゃんに挨拶させるところからやっていかないとね。
「美少女部下が天才過ぎるので自由にさせてみました ~責任は僕が持つと言ったら目茶苦茶なつかれたんですけど?~」 《完》
この作品は一旦ここで終了です!
この作品の他にも同じような短さの作品を投稿しているので、作者のページから「長編化予備群」のシリーズを覗いて頂ければ!!
人気があった作品は長編化します。勿論この作品も……チラチラッ(ブックマークや☆をつけて頂ければ、続きが書かれるかも……
すでに
呪いの装備で狙う一発逆転 「え?呪われた剣であって呪いの剣じゃない?何言ってるの?」
を投稿済みです。
また、1時間後から
悪役転生と女神に言われて信じているが、実際は主人公へ転生してる話 女神「原作主人公超えてるんだけど!?」