8 香澄ちゃんと友達勢揃い
「ねぇ、みんな!これ何!何で私抜きで孝ちゃんと話してるの?何話してるの?」
「待って!香澄、落ち着いて。ちょっとお話してただけだから!」
「じゃあ何話してたか言って!!」
「それは…。」
「「……。」」
「…もういいだろ?言っちまっても。コイツがどんな奴かバラしちまおうぜ!」
「ああ。いいか、香澄。コイツはさ、香澄の事、ただの幼馴染だって言ったんだよ!」
それの何が悪いんだよ。
「え?それいつの話?」
「昨日だよ。俺たちが昨日コイツを呼び出して話したんだ。」
「何で?何でそんな勝手な事するの?」
「いや、だって昨日香澄、コイツに朝挨拶してから元気なかったから、コイツに何かされたんかと思って。」
「ねぇ、私、そんな事頼んでないよ!酷いよ!」
「いや、でもコイツは香澄がどんな思いで探してたのかも知らねぇのに、ただの幼馴染だって言ったんだぞ!」
「………。もう言わなくちゃいけなくなっちゃったじゃない…。孝ちゃん、私ね、あの頃からずっと孝ちゃんが好きだったの。それをみんなに相談してたの。」
まぁ、そうだろうね。
「だから、孝ちゃんが私の事ただの幼馴染だって言って怒っちゃったんだと思うの。」
「香澄ちゃんも怒ってるの?」
「ううん、それで怒るのはおかしいと思う。幼馴染だからって、私がずっと想ってたからって、孝ちゃんが私を好きになる理由にはならないから。」
そりゃそうだよね。いくら香澄ちゃんが思いやりがあっていい子だからって、6年離れてて急に好きにはなれない。
「だから、新しく関係を積み重ねて告白しようと思ってた。孝ちゃんと一緒に居られるように、友達との関係も大事にしながら2人の時間を作れたらいいなって思ってた。」
「それだったら、俺も納得してた。香澄ちゃんの友達と合わないからって、香澄ちゃんと合わないってワケじゃないと思ってたから。」
「ありがとう。それなのに私の知らないところでどうして孝ちゃんと揉めたの?本当に私の為?」
「……悪い。俺のせいだ、俺ずっと香澄の事好きだったから。コイツの事許せなくて…。」
「……気付いてなかった私も悪いのかもしれないけど、でも…。酷いよ!」
「ごめん、俺たちが悪かった。勝手なことして本当にごめん。」
「……ちょっと3人とは距離置きたい。私の事を思っての事だと思うけど、すぐに許して元通りっていうのは難しいと思う。」
「…わかった。本当にすまなかった。」
「私じゃなくて孝ちゃんに謝って。」
「……悪かった。一方的に話をしちまった。」
「感情的になって仁科を悪者にして悪かった。」
「俺もコイツの気持ち知ってたから…、申し訳ない。」
「もういいよ。」
香澄ちゃんの男友達3人組は帰っていった。