7 香澄ちゃんの女友達
「あ…。お、おはよう、孝ちゃん、まだどうするか決めてないの。ごめんね?」
「別にいいよ。」
「う、うん。またね。」
話しかけられて無視は出来ないし、昨日の事をアイツらが香澄ちゃんに話したかどうかもわからないし。
…とりあえず、俺からは関わらないようにしよう。
放課後になると今度は香澄ちゃんの女友達2人がやって来た。
「仁科君、ちょっと話があるの。」
「今度は何?」
「ごめん、アイツら先走ったみたいで、アタシらとも話してほしい。」
「…わかった。」
また屋上か。
「えっと、大体はあの3人から話聞いたんだけど、2度と関わらないとか勘弁してあげて。」
「じゃあ、どうすればいいと思う?」
「アタシら考えたんだけど、香澄と2人で過ごす時間を作ってあげて欲しい。」
「それは香澄ちゃんが望んだこと?」
「香澄と話し合って言ってる訳じゃないけど、香澄はそう思ってるはずだから。」
「けど、俺は昨日の3人から2度と関わるなって言われてるんだけど?」
「それは…。アイツらが勝手に言ったことだし、間違いなく香澄は悲しむよ。」
「そんなこと言われてもな…。」
「香澄の事嫌い?」
「嫌いじゃないけど、6年連絡とりあってないんだよ。香澄ちゃんの事は幼馴染としては好きだよ?でもそれだけだよ。」
「何でそんなこと言うの?!」
「え?別におかしな事言ってないよね?」
「だって…。それじゃあ香澄が可哀そうだよ…。」
「ちょっと!余計なことまで言っちゃダメじゃん!」
「だって!こんなこと言う奴になんで頼み事しなきゃいけないの?」
まぁ、話の流れから香澄ちゃんが俺の事を想い続けてくれていたんだろうなとはわかる。
でもな…。
「待てって!!香澄!!!」
香澄ちゃんまで来ちゃったか…。