3 放課後
翌日。
「孝ちゃん!!今日の放課後何か予定ある?」
イキナリだな…。今日は…何もないか。
「いや、ないけど…。」
「じゃあみんなで今日カラオケ行くんだけど、どうかな?」
「えっ?カラオケ…?」
「そう!きっと楽しいよ!私の歌も聞いて欲しいし!」
「いやぁ、俺は…。」
「孝ちゃんの歌も聞いてみたいな!」
「俺はあんまりカラオケ得意じゃないし…。」
カラオケ好きじゃないし…。
「大丈夫!みんながみんな歌が上手いワケじゃないから!」
「うーん、分ったよ…。でも俺は皆の歌聞いてるよ。」
「それでもいいよ!よし!決まり!」
うーん、まぁ大人しく聞いてりゃいいかな…?
「オッケーだって!今日は皆でカラオケね!」
「よっしゃあ!歌うぜ!」
「いや、お前は上手くねぇんだから少しは歌うの遠慮しろよ?」
「ひっでぇ!じゃあ、盛り上げるぜ!」
「そうしてよ。私は香澄の歌が聞きたいんだから。」
「楽しみだね~!」
そして放課後。
「じゃ、早速行きますか!」
「「おー!!」」
カラオケまでの道を7人で歩く。
「孝ちゃん、一人で後ろ歩いてないで、こっちおいでよ!」
「え?あぁ。」
「孝ちゃんはいつも家帰ってから何してるの?」
「ゲームとか、学校の勉強とか、プログラミングの勉強とか…。」
「へぇ!凄いんだね!頑張ってるんだね!」
「あ、ありがとう。」
そんな会話をしていると店に着いた。
「誰から歌う~?」
「俺だろ!」
「俺も!」
「じゃあ、曲入れちゃうよ~。」
順番で歌っているみたいだ。俺は静かに聞いていた。
「次は私だね!聞いててね!孝ちゃん!」
「わかった。」
香澄ちゃんの歌は上手かった。拍手していると、
「次、仁科な!何歌うんだ?」
「えっ?いや俺は…。」
「あっ!孝ちゃんはあんまりカラオケ得意じゃないんだって!」
「そうなん?」
「うん…。」
「なら次俺入れちゃおっかな!」
「ごめん、ちょっと俺トイレ。」
居たたまれなくなってトイレに立った。
用を足していると、香澄ちゃんの友達の一人がトイレに入って来た。
「なぁ、ちょっといいか、仁科。」