あとがき(めいたもの)特別篇二 ―スーパーヒロインズ! 霜月に参る―
♪ ゴールデン・中古・三昧〜 ♪
「おまっとうさんでした、ラヂヲ『ゴールデン中古三昧』のお時間ですぞ。わたしは、そちら下臈のメインパーソナリティ・土御門隆彬や」
「パーソナリティ見習いの、倭文野穏万喜でーす。皆、お疲れちゃんでーす♡」
「始めは、例によって例のごとく『お便りコーナー』や。
ほれ、倭文野、はがきをくれたも」
「はい! えー、内嶺県内嶺市、ラヂヲネーム・まほろばフラッシュさん、地下からです」
倭文野さん、聞いてください。先日、学校で追試を受けさせられました。欠点を取ったのは、私じゃなくてサークルの後輩だったのに、先生が「連座制だから」と一緒に受けることになったんです。今時、連帯責任とかひどくありませんか?
「やだ、どの講義の先生? えげつないじゃない。きっと鄙びた心の持ち主よ! 脳みそは化石ね!」
「…………倭文野、そち、今週末はわたし宅の庭で草むしりやりなはれ」
「ええ!? なんでですか!?」
「なんで、も、かんで、もあらへんわ。口ごたえしたので、池の水も抜いて掃除してもらおか」
「わー、分かりました!!」
「次のはがきは、なんやろな。内嶺県は紀元市のラヂヲネーム・フランシウム、位は従四位かや」
先月、放課後で初めて聞いて以来、いつも楽しみに聞かせていただいております。
お二人の好きなカクテルは、何ですか。せんえつながら私は、チャイナブルーが好きです。
「カクテルな……。日本酒か焼酎をよう飲んどるわたしは、舞乙女ですかな。そこの見習いが、カクテルをかじっとってな、いろいろ作っていますぞ」
「僕はレインボーが好き! 決まった順番に注がなきゃ汚くなるけれど、成功した時の喜びといったら、徹夜明けにあっつい風呂に入るよう! 一層ずつ飲んでゆく楽しみは、ひとりでも、妻とでもOK!」
「ここらで一杯ひっかけますかな。倭文野、からすみ取ってきてたも。共同研究室に残っとったやろ」
「はいただいまー!」
「ふぉふぉ、よう動ける手足やの。ここらで音楽でも鳴らしますかな。わたし土御門が歌う世紀のヒットソング「源氏数え歌」や。耳かき使うて、心して聴きなされ」
♪♪♪〜
「続いてのおたよりは、初投稿、内嶺県空満市お住まいの、ラヂヲネーム・かんしゃく玉爆裂3秒前さん、庶人からでーす」
あたしは、まだコーヒーのおいしさが分かりません。牛乳とか砂糖入れても、苦いもんは苦いです。コーヒー飲めたら大人なイメージがありますけど、飲めない大人だっていますよね。その理屈を通したら、コーヒー飲めない大人は、大人じゃないことになります。おかしくないですか。
「かんしゃく玉は、難しい年頃なんやろうな。あくまでイメージやからの、珈琲を嗜む人が絶対に大人ちゅうわけやあらへん。飲める子どももいるさかい、深く考える必要はありませんぞ」
「僕は、苦手ではないけれど、あんまり飲まないかな。それしかなかったらしかたなく、という感じね。お酒は熱烈歓迎! コーヒー味なら好き。ティラミスはバケツ一杯分余裕です」
「そち、いづれ糖尿病になるで」
「人生は二度もない! されば、食べたい物を食べたいだけ食べる! 糖と脂肪がなんだ! カロリー? 何それおいしいのか? 僕は、欲のままに生きます!」
「まだまだお便りがたまっとるな。なんや、泰盤府泰盤市、ラヂヲネーム・風薫る園生、位は正三位」
もしも、1日だけ誰かと心が入れ替われるとしたら、誰が良いですか。私は、お慕いしている先生か、父か迷いましたが、母に決めました。母には、あまり、思っていることをはっきり言えなくなったので、インパクトある事件でも起きないと、関係に変化が訪れないような気がしたのです。期待している私は、母から逃げている恥ずかしい者なのですが。
「ある程度大きくなると、親とまともに話せないわよ。学業や仕事で忙しくなるし、親の言う事をきくだけの関係じゃなくなるでしょう。あ、質問の答えか。僕は、妻一択! 一日に密着してみたいな」
「わたしは、舞の生徒ですかな。なまけ癖がついとるお子でな、師範であるわたしの目を盗んで昼寝しよるのや。わたしかて、日曜の午後はひなたに当たって夢を見たいですぞ」
「舞の教室、続けられていたのですか。やめるおつもりだったのでは?」
「医者に健康のため続けなはれとうるさうてな。生徒はひとりやが、汗かかせてもろとる。ほいで、園生や。そちと母君の詳しい事情は知らなんだが、後になって、あの時こないしたら良かった、と悔やむことだけは、やめなされ。親は、先に逝くのや。言いたかったことを言えずに別れるのは、母君にとっても悲しいものですぞ」
「わざわざ二人きりになる機会を作らなくても、料理しながら、おやつつまみながら、さらっと話したら? その方が緊張しないんじゃない?」
「おー、ネットからも届いているのね。えっと、内嶺県空満市の、ラヂヲネーム・イノセント☆ヘヴンさん、地下です」
ゴールデン中古三昧、略して「ゴ中三」のDJさん達、こんにちは。
ワタシが通っている大学の先生に、属性をつけてみました。放課後に異能力バトルをしてそうだったので。それか、実は夜、学校で妖怪を倒しにいっているんですか? めちゃくちゃ気になってます!
まゆみセンセ:風→矢を自由に飛ばしてそう
ツッチー:水→扇からピューと水を出してそう
ひろポン:火→熱血スポ根先生だから
近ちゃんセンセ:鋼→剣術半端ないので
森センセ:光→癒し! 回復専門でいてほすぃ
ときとき:木→本といえば紙。紙といえば木。
ついでに、マブチン:闇→これしかない。
「わかるー! 先生方がRPGに召喚されたらそんな感じかなと思っていたわ」
「教師をあだ名で呼ぶのは、心の内だけにせい。誰が誰だか分かりにくいですぞ。わたしは、水属性で合っとるのか?」
「そうでーす。先生、購読会の飲み会でされていたじゃないですか。水芸とか、水占いとか」
「そうやったかいな」
「占いは、すごく当たっていましたよ。どこどこのどの場所でだれだれと会ってどうのこうの、細かく的中。僕だって、臨時収入出たの、占いのおかげなんですよ?」
「ふぉっふぉっふぉっ。雅そのもののわたしの占いは、確かに当たりますからな!」
「イノセント☆ヘヴンさんも、先生に声かけてみたらいいよ。なんでも見てもらえるからね。では、そんなイノセント☆ヘヴンさんからのリクエスト、流すわよ。鳳あきこ(CV:明宵夕星)「無尽蔵ノ愛、伝エテ」!」
♪♪♪〜