エピローグ
みなさん、こんにちは。
今回はじめての小説です。
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━━エピローグ━━
「…ここはどこだろう?」
ロシア人、ウラジーミルはそう思った。
見渡す限りの海。空は晴れていた。白い雲が東から湧き上がっていた。入道雲というやつだ。
波は高い。
仰向けの姿勢のまま、波間を漂っていた。
ウラジーミルは軍服を着ていた。 武器は流されてしまったようだ。防弾チョッキも身につけていない。
コツン!
頭に軽い痛みが走る。
波間を漂っていると思っていたが、後ろを振り向くとサンゴ礁があった。
サンゴに引っかかっていたようだ。
ウラジーミルはサンゴ礁に登る。
固い軍用ブーツを履いているため、サンゴの上だろうと問題なく動ける。
上着を脱いで、軍服を絞る。
ウラジーミルには武道の経験がある。そのため軍服を絞るときは、右手が上、左が下。刀を持つように絞る。
「どこなんだここは?」
サンゴ礁は巨大で、最も幅が広いところで4〜5kmほどもありそうだった。
巨大なサンゴ礁の中心部に建物のようなものが見えたので近づいてみた。
「ビル!?…いやそんなはず」
近づくと高床式の3階建ての施設がサンゴ礁の上に建っていた。
基礎柱は高く、13mほどもある。
基礎柱のひとつに、階段が取り付けられていた。
ウラジーミルはそこを登る。
海の中で人工物を発見し、安心したのか、急に後頭部に痛みを感じてきた。
手で触ってみるとヌメッていた。出血しそれが生乾き状態だったのだ。
「よくあることさ」
軍人であるウラジーミルは過去に怪我は何度も経験していた。
それが放っておいても良い軽傷だということもすぐに分かった。
階段を登ると、コンクリートの広いテラスに出た。広さは数百メートルはあろうか。
テラスの端に小さな白いボックスと煙突のようなものがあり、近づいていった。
煙突ではなかった。
それはごく小さな、背の低い灯台であった。
漢字の記入があったが、ウラジーミルには読めない。
ここは中国!? いや、あるいは…。
まだまだ序章の序章です。




