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56 意外とみんな個性的?

話が中々進まなくてすみません。進めようと思うんですけど、色々と書いていると中々話が進まなくて(汗)

それでも読んでくれている人がいるので結構捗ってはいるんです。

評価やブックマークも少しずつ増えていてありがたいです!これからもお願いします!

 テティ(私)はテーブルの上にドカッと座りながら果物を貪っている。

 これは私がしている事ではなく、この身体の主であるテティの行動だ。

 そのマイペースはいかな大精霊の前であろうと崩れることは無く、今も無遠慮に林檎に似たものにかじりつく。

 その体には少々釣り合いの取れていない大きさのそれに対し、テティは満足そうに抱き着きながら食べている。

 

 「な、なんか……ごめん」

 「いえ。これはいつもの事ですから仕方がありません。あ、神樹様の事ではございませんよ?」

 「分かってる。テティの事でしょ?」

 

 それにしてもいつもの事か。

 私がここに転生する前からテティはこんな感じなのだろう。怖いもの知らずというか恐れ知らずというか。とにかく大物であることは間違いないだろう。

 でもレリスなら注意すると思っていたのだが少し意外だ。


 「テティは、実は私よりも長生きなんですよ」

 「うそ!?」


 衝撃の事実発覚!!

 まさかのテティさん、大精霊よりも長生き説!?


 「あれ?でもだったらなんでテティはこのまま?」

 「それはテティも分からない。でも、ずっとこのまま」

 「私が生まれたのがエイン様がいなくなったすぐらしいので、この森ではユフェリス様とテティだけがエイン様を知っているんです」


 そういえばテティはエインさんとやらともいつも話をしていたっていつか言ってたよね。

 でもまさかテティがそこまでの古参勢だとは思わなかった。


 「テティが進化出来ないのは私たちも随分長い事研究していたんですが、それでもやっぱり原因は分かりません」

 「そっか。テティ、実はすごい精霊だったんだ」


 そんな私の感心をよそにテティは何も変わらずもぐもぐと口を動かす。

 凄い精霊でもやっぱり性格とかはいつものテティだ。そこに少し安心する。

 

 「ま、テティはどんな姿になろうとテティだし、私には関係ないかな」

 「ふふっ、少しテティが羨ましいですね」

 

 レリスはまた一口とコップを口元に近づける。

 さて、テティの話は今は置いておいて、まずは本題だろう。

 

 「それで、レリス。今日私がここに来たことだけど」

 「はい。そうでしたね。では、ご用件をお伺いいたします」


 カップをテーブルに置きこちらを真剣な眼差しで見つめるレリス。

 いやー、そこまでガン見されると恥ずかしいなーっていうか、まず真剣度合いがレリスと私で全く違うんですよねー。

 向こうは凄い真剣なのに、私はというとテーブルで果物かじってるわけだ。

 もちろん、これはテティ自身がやっていることで私の意思ではないんだけど、それでも真面目な顔してガン見されているこの光景は傍から見たらかなりシュールなものに見えるだろう。


 「あ、えっと、別にそこまで大したことじゃないからそんなに気合を入れなくても……」

 「いえ、神樹様のお言葉は一言一句だろうと聞き逃せませんので!」


 前々から思っていたが神樹という肩書は私には重すぎる。

 特に何か力があるわけでもない私が、それこそレリスたちの方が強いはずなのにその肩書だけで過度の信頼を寄せて来るのだ。はっきり言って怖い。

 だが、今はそれをいっても仕方が無いので言いはしない。しないが、いつかは言おうと心に決める。


 「そ、それじゃあ。最近人間とのいざこざがあったでしょ?」

 「はい。ありました!」

 「それはまあ、私の苦労と引き換えに何とか撃退したんだけどさ、村はその、結構駄目になっててね」

 「そうでしたか。では村の立て直しを?」

 「まあ、それも出来るなら手伝ってあげたいんだけど、それ以上の問題があって」

 「と言いますと?」

 「魔物が、多すぎて困ってるんだって」

 「魔物、ですか?でもエルフならば魔物など……」

 

 確かに、普段のエルフたちならば魔物相手でもあまり苦戦はしなかっただろう。

 特に強い魔物が相手でも、何とか協力して勝利出来ていた。

 だが、それも村がなくなり、一帯が開けてしまえば彼らの得意とする戦法も使う事すら出来ない。

 

 「人間の使った火とかが原因で、周りの木々が焼けちゃって、彼らの戦い方が使えなくなってる。それくらいなら村を建て直せばいいんだけど、それでもここ最近は特に強力な魔物も生まれてるらしくて少し困ってるんだって」

 「つまり、この森から誰かを派遣したいと?」

 「そう!つまりはそう言う事!」

 

 要点をしっかり踏まえて私の言わんとしてくれていることをちゃんと理解していてくれたらしい。

 

 「でしたら、ルア様の考え通りになさればよろしいかと思うのですが……?」


 普通の回答が返って来る。

 そう、普通なら自分の部下たちは自分の好きに使えば良いと思うのが普通だ。それが私の仕事でもあるのだから。私も出来るならそうしたい。

 だが、ここでもう一つ重大な問題がある。


 「そうしたいのは山々なんだけど……わ、私この森の精霊たち、ほとんど知らないんだ」

 「……そ、そういえば紹介してませんでした!!す、すみません!!私としたことが、まさかルア様に他の仲間たちを紹介し忘れるなんて!?」

 「あ、いや、別にそこまで怒ってないからあんまり気にしないで!」

 「そ、そうはいきません!すぐに招集をおかけします!!」


 そう言ってレリスは目を閉じる。 

 一見寝たようにも見えるが、どうやら違うようだ。


 「今呼びつけましたのでもう少しだけお待ちいただけますか?本当にすみません!!」


 なんだろう。レリスの心労をもう少し減らせないか?なんて思っていたのに、またレリスに苦労を掛けさせてしまった。

 凄く申し訳なくなってくる。

 本当に申し訳ない。


 「な、なんか……ごめんね?」

 「な、何を謝るのですか!?」

 

 あ、もうこれ何も言わない方が良いやつだ。

 ということで、それ以降、全員がそこに揃うまで、私は何も喋らないのだった。

 





 ――――――


 一時間くらい経っただろうか?

 今私の目の前にはレリスともう一人、こっちは男?っぽい人が座っている。普通の人間と同じくらいの大きさなので多分大精霊だろう。

 私の後ろには精霊たちが立っている。


 ピシッとレリスの様に礼儀正しいアルマ。

 おろおろしながらも私と目が合うと少し嬉しそうに手を振るリニィ。多分これはテティに対して振ったのだろう。まあ、テティは赤参無しに足を延ばして寛いでいるのだが。

 そしてもう一人はというと、これは少し難しそうな子で、多分男の子何だと思うが少し冷たい印象を感じさせる。私を見てもあまり動じることは無く、それよりもなぜか敵意のような者を向けられている。


 この場にいるのは精霊がテティを含めて四柱、大精霊が二柱だ。

 前聞いた話によれば精霊は全部で五柱、大精霊が三柱だった。つまりどっちも後一人いないことになる。遅刻だろうか?精霊にもそんなルーズな人いるんだなー。

 いや、テティは実際マイペースすぎるのでいても全然不思議ではないのだが。


 そうやってしばらく待っているとやがて一人が呑気な声で遅れたことを詫びる。


 「いやーすみません。急な話だったんで少し準備に手間取っちゃって」

 「あなたに準備なんて無いでしょう?どうせまた寝過ごしてたんでしょ?」

 「い、嫌だなーレリス様は。僕が寝過ごすなんてあるわけ、無いじゃん?」

 「いつも呼び出すと遅れるのは気のせいかしら?」

 「……す、少し昼寝をしてまして」

 

 最後は諦めたのか少し声を小さくしてそう白状した。

 それにまたもため息をつくレリス。 

 別に私としては遅刻にいちいち目くじらを立てるつもりは無いので良いのだが、でもレリスさんが少し可哀想なのでもう少し気を使って欲しいと思う。

 

 それにしても本当に眠そうだ。寝癖まで付けているのだから本当に寝ていたのか?

 そこでリニィの横にだるそうに並ぶその精霊。しかも最後は大きな欠伸をする。

 こいつもこいつで大概だね!


 「では、これで全員集まったので初めて行きたいと思います」

 「あれ?もう一人いなくない?」

 

 それは大精霊が一柱。私は見たこともないし名前も知らないけどテティが言うにはいるとのことなので全員は揃ってないだろう。


 「その、彼は少し用事があるらしくて、来れないと断られてしまいました」

 「へー、私の事より優先させるんだ?」

 「あ、いえ、決してそのような事ではございません!彼もどうしても手が離せないだけでルア様によろしくお伝えくださいと、」

 「あー違う違う。そう言う事じゃなくて、少し意外だったから。ごめんね、勘違いさせちゃった」


 レリスにはまたもいらぬ勘違いをさせてしまった。

 別に仕事で手が離せないのは私としても良いのだ。ただ少し意外だっただけ。

 この森は、少なくともレリスやユフェリス。エルフたちなどは私を神の様に崇めていたのでそんな私の招集を断る事が意外だったのだ。別にそれに対しては何も怒っていない。

寧ろ結構素直な人そうで安心した。だってレリスみたいに私は特に何もしてないのに無条件で敬われたらそれはそれで結構きついしね!


 「ま、じゃあこれで全部らしいし始めよう」

 「はい。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」


 レリスはまたしても頭を下げる。

 ここまでされるのはなんだか少し複雑な気持ちだ。

 だが、多分レリスもこうしないと気が済まないのだろう。

 

 やがて顔を上げて他の精霊たち、とくに遅れてきた子を睨んでから席に座る。


 「それじゃあみんな集まったらしいので始めようと思います」


 テーブルから飛び上がり、そして彼らを見渡して、私は早速話を始める。

 気が難しそうな子もいるが、まあ何とかなるだろう。と思いながら。


 最悪、リニィ辺りを無理やり引っ張っていけばいいしね!

 


 

これ書かないと評価は要らないと思われるらしいので。

面白い、続きが気になる、などなど色々思われた方はページ下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして貰えるとありがたいです。

皆さんのその評価が執筆意欲に繋がりますのでどうかよろしくお願いします!

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