05 進化の道は険しいようで
さて、テティと話をしてそろそろ一週間くらいだろうか?
話と言ってもずっと話していたわけではない。たまに少しいなくなったりするときはあるし、帰ってきたと思ったら大量の木の実を抱えて飛んできたりもした。
「ルアは、食べれないもんね。早く精霊になれればいいのにね?」
全く以てその通りですわ。ほんとね、隣で美味しそうに木の実を食べられるこっちの身にもなってみ?
まじで苦痛ですわ。隣ではもしゃもしゃ言ってるんすもん!
「そう言えば、ルアは前からここにいたんでしょ?」
ん?ああ、そう言えばそうですね。私いつからここにいたんだろう?まさか、そんなには時間経ってないとは思うけど、結構長い事突っ立てたからなぁー。
「エインについても知らない。転生者だとこの森も知らない?」
あー、そう言えばこの森ってなんか凄いとこだったんだっけ?
「うん。エインが作った最初の場所。生物にとっては楽園?」
最初?あれか?楽園って言うとエデンとか、アヴァロンとかそういうのあったなぁー。
アニメとかラノベ出てきては、神話とか調べてたなぁー。あー、パソコンをいじりたいよぉー!!
「ぱそこん?」
あ、それはこっちの話です。忘れて忘れて。
それで、ここは楽園だと?
「うん。世界の中心。エインがいたから一番魔素が濃い。森も普通の森よりも凄い。人間じゃ森の木には傷もつけられない」
へー、そりゃ凄いや。前世じゃ硬い木って言っても科学力には為す術もなく切り倒されてたしね!
「内に秘めた魔素が多ければ多いほど、木の強度は上がる。この森の一番端の方の木でも、普通の人間とかじゃ傷もつけられない」
ほえー。ん?内に秘めた魔素が多ければ多いほど?
って、そう言えば私ずっと光合成して魔素吸収してるけど、もしかして硬度が偉い事になってたり?
「こうごうせい?が何かは分からないけど、魔素は長い間かけてじっくりと増えてくもの。ルアは最初に会った時よりも魔素が凄い増えてる。これは異常」
まじか!てことは、ん?じゃあ、普通の木って光合成、じゃなくて光を浴びると魔素を作れたりしないの?
「普通の木はそんなことできない。まず、この森の木じゃないとここまで濃密な魔素の中では生きていけない。外の生物がここに来たらすぐ死んじゃう」
へー、こ、ここってやばい場所なんじゃ?というか、そんな場所ですら異色を放ってるわけでしょ私?え?なにこれ、やばくない?嬉しい反面、意味のよく分からない力って結構怖かったりするじゃん?強すぎる力には代償がある的なさ?
「まず、普通の木は思考もしない。テティが話しかけても、応えてくれて簡単な事だけ。こうして話が出来たのは、エインだけ」
そう。そのエインさん。その人は一体?
「エインは神様?聖霊?とにかく凄い。テティ達精霊よりも強い」
はへぇー、神様ね。そうですか。え?でも、エインって世界樹じゃなかった?
「最初は神様だった。でも、そのあと世界樹になった。さいやくをふういんするためにって言ってた」
ほぅ?つまりは最初は、世界を創り出したいわば創造神。んで、なんかイレギュラーな災厄が出てきたから世界樹になって封印した?みたいな?
「でも、エインは死んじゃった。エインが死んじゃうと世界は終わっちゃう
そうか、死んじゃったのか……は?世界が終わる?それってやばくない?どうなってんの?おかしくない?
「でも、今も世界は生きてる。今までエインはルアのいたとこにいた。今から、うーんと……随分前!テティがまだ樹霊だった頃」
樹霊?木の精霊的な?
《樹霊……長い時を生きた樹が霊体化した姿。知能は低いが自我を持ち、本体、つまり樹木とは切り離された存在》
へー?そう言えばテティは精霊って言ってたよね?樹霊じゃないの?
「精霊は種類がある。でも、テティは樹霊から進化した。進化を繰り返すと純粋な精霊になれる」
なんか、木からの進化も色々と種類があるらしい。結構難しいんだな、異世界。
でも、とりあえずは樹霊とか言うのになれば動けるようにはなりそうだ。
進化条件は……わっかんないなぁー、ゲームとかだと書いて……無いのもあるか?
これ書かないと評価は要らないと思われるらしいので。
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