表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/81

04 名付けって、進化の鉄板じゃ?

 さて、陽光を浴び始めてから何日経っただろうか?

 その前に私はこの世界に転生して何日経ったわけ?

 おーい、誰か―!カレンダー持ってないー?

 この世界にカレンダーがあるのかは分からないが、取り敢えず叫びたいので叫ぶ。心の中で。


 そんな風に今も光を浴びている。これだけ浴びてれば大魔法の一つや二つくらいは使えそうだな。早く魔法とか使ってみたいわー。


 「魔法、興味あるの?」


 そうそう。興味津々でさ。もう魔法使うのが夢だったんだよねー。

 ん?私、誰と話してるん?


 「なんかエインの匂いがする。君、エインなの?」

 

 うわーお、頭の中に直接響いて来るんだけど、なにこれ凄い!

 というかこれは普通に返せばいいんだよね?


 えっと、エイン?さん?って誰ですか?というかあなたはどちら様?


 私がそう問うと突如私の目の前に小さな、やけに小さなまるでゲームやアニメで出てくるような小さな羽の生えた妖精が出て来る。

 そう、とても小さな。もう一度言おう。小さな、それでいて可愛らしい。

 

 「テティは妖精じゃないよ。精霊だよ?」

 

 ほう。精霊さんなのか。そんでもって名前はテティか。名前まで可愛いな。

 なんでテティはここに?


 「この間、誰かの叫ぶ声が聞こえたから。少し気になって来てみた」


 そう楽しそうに笑うテティと名乗る精霊。

 サイズは人間の手の平サイズくらいだろうか?でも、物凄い魔素量を感じる。これはアレだ、実は物凄い強い実力隠してる系の精霊さんだ。しかも精霊だから隠しているとしたら結構馬鹿にならないくらいの力を隠してるまである。


 「エインに凄く近い感じがするけど。でも、あの時エインは消えちゃったし……転生したのかな?」

 

 おお、そのエインさんとかいう人は知らないしどうでもいいのだが、転生については一応知識があるらしい。


 「ねえ、君はエインじゃないんでしょ?」


 そうですとも。そのエイン?とか言う人は一切何一つとして知らない。


 「そうだよね。名前はあるの?」


 名前?そう言えばこういう場合って名前とかはどうなるんだろうか?

 一応前世の名前を名乗るべきなのか?こっちの名前はないしなぁー。


 「もしかして、転生者?記憶持ち?異世界人?」


 おっと色々凄い言葉が飛び出してきた。

 物凄い重要ワードじゃない?

 転生者についても理解があるらしかったけど、まさか異世界のことまで知ってるとは、そのうえ記憶のことまで。


 「テティは昔エインに教えて貰ったことがあるから。異世界人についても。だから異世界人でも別に驚いたりはしないよ。エイン言ってたもん。異世界人はたまにこの世界に流れて来るって」


 へー、この世界の事なんて何も分からなかったけど、それでもどうやら他にも異世界人とかはいるらしい。なんだかそれを聞いただけで安心する。


 「でも、木になるなんて聞いたことはないけど。それで名前は?」

 

 それが、名前ないんですよ。一応向こうの名前ならありますけど


 「そっか、うーん。でも、ここにいるならエインの関係者だろうし。じゃあ、テティが名前つける?」

 

 名前つけてくれるんすか?あれっすよね?名前を貰うと進化したりするんすよね?いやぁー、旦那ってば話が分かりやすね!


 「名前を付けても進化はしないよ?」

 

 え?進化しないの?


 「うん。別に名前はただの名前だから。それで進化したりするのは魔物とか、それこそ悪魔とかだけ」


 えー!?じゃあ、私一生ここから出られないの?一生ここから動けないの?マジでスローライフキングになっちゃうの?

 ないわー!!あり得ないでしょ!?転生したら一生木として生きてきますってか?ふざけんな!

 転生した意味ないやん!?もはやただの死に損じゃん!!


 「でも、進化は出来るよ?」

 

 え?


 「時間が経てばいつか進化できる。皆そうやって進化する。精樹霊になればそこからも動けるようになるよ?」


 そっか、ここから動けるようになれるのかぁー!!

 ちなみにそれ、どのくらいでなれますかね?


 「皆それぞれ違うけど、早い子でも100年。普通は1000年くらい」


 うんうん。100年~1000年かー、っていや、長いわ!待ってる間に心の老化が半端ないって!

 

 「ふふっ!やっぱり面白い。ここにいるといっつも面白い。エインも面白かった。エインに似てるからもしかしてって思ったけど、やっぱり面白かった!」


 お、おう?なんだか喜んでもらえてるみたいです。

 なんか凄い可愛いな。まあ、精霊だから可愛いもんなんだろうけど、それにしたって可愛すぎる。

 私の秘めたる母性がここに!!解放はされません。だって私木ですもん。


 「じゃあ、名前決めてあげる。テティが名前決めてあげる」

 

 おお、そうか。私にも名前が!

 いや、進化出来ないのは残念だし、あと少なくとも100年はこのままだというのは結構心に来てるが、それでもテティが可愛いので100年くらいなら待っていられる気もしてくる。

 それに前世のあの残業からの徹夜スパイラルに比べれば、のほほんとした数百年、数千年なんてあっという間だろう。


 「じゃあ、うーん」

 

 テティは私に付ける名前を必死に頭を抱えて考えてくれる。

 なんていい子なの!?うちの子にならない?ならないよね。知ってます。言ってみただけだから。別にショタコンじゃないです!!


 そんなこんなで日が沈み、月が出て、また日が昇る。それを三回くらい繰り返したところでようやく決まったらしい。

 いや長いわ!もう3日経ってるけど!?

 

 「精霊は長生きだからほとんど時間は気にしない。これも大事な事!」


 どうやら精霊や木は寿命が長いのでその分時間の使い方が贅沢らしい。

 そして私に付けられた名前。


 「さっきまで見てた月が綺麗だったから、ルアが良い!!」

 

 ルアか、なかなかいい響きじゃないか。由来が月っていうのもなんだかロマンチックで良いね!

 きっとテティは適当に付けていたのだろうが、それでも私はこの名前は気に入った。なのでこれから私はルアと名乗ることにする。


 「じゃあ、名前も決まったし、お話ししようルア!」


 こうして私はこれからおよそ一週間ほどテティと話をするのだった。

 一週間、一緒に過ごし、語らいそして絆を深める。今までどれくらいの時間かは分からないが、それでも長い間ずっと一人だったから、テティとの話は凄く楽しかった。


 やっぱり話が通じるっていいね!

 私も早くその、精樹霊?ってのになってテティとはしゃぎまわりたいものだ。


 私と話すテティの表情はとても楽しそうで、私まで嬉しくなってくるのだった。

これ書かないと評価は要らないと思われるらしいので。

面白い、続きが気になる、などなど色々思われた方はページ下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして貰えるとありがたいです。

皆さんのその評価が執筆意欲に繋がりますのでどうかよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「木」ってなかなか大胆な設定ですね。自分で書いたらまったく展開が思いつかない、竹みたいにあたりに根をはって世界征服(!)ぐらいかな?いや~、先の展開楽しみです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ