38 ファンタジーな世界にも土下座ってあるんすね!?
少し急いだので誤字脱字、おかしな部分があるかもしれません。
立て込んでるので、この後直しに入ろうとは思いますが、遅くなるかもしれません。
本当にすみません。
飛び込んできたリニィに、瀕死の恐らくエルフだと思われるもの。
加護の引き取りを一時停止してユフェリスはリニィとエルフから状況説明を求める。
「このエルフは?」
「えっと、その、さっき森を飛んでたら倒れてて、苦しそうだったから助けてあげようとしたんです」
今も瀕死のエルフにはあちこちに切り傷やら何やらが残っていて、今も意識がはっきりしない。
「そしたら、その、エルフの村が襲われてるって言われたんです」
「エルフの村が!?なぜ!?」
「分からないんです。い、いろんなこと聞こうと思ったんですけど、でも、すぐに意識がなくなっちゃって、どうすればいいか分からなくて、それで」
「ここに来たわけだね」
エルフの村。
うん。初耳です。ファンタジーな世界だし、精霊いるならエルフだっていても不思議じゃないけど、まさかエルフが村をねー。しかも襲われてるなんて驚いたもんですわ。
「まずは起こさないとだね」
ユフェリスがぱちんと指を鳴らすと倒れているエルフの下に魔法陣が浮かぶ。
その魔法陣は光を放つと、倒れているエルフの傷がみるみる癒えていく。
指パッチンかぁー憧れるよねー。私もいつか指パッチンで魔法を使ってみたい。
「うぐ、こ、ここは……?」
「気が付いたかな?さて、何があったか話してくれるとありがたいんだけど」
まだ混乱しているのか少しふらついたまま立ちあがるそのエルフの男。
それからしばらくボーっとした後にユフェリスやレリス、そしてテティを見て、「はっ!?」と声を上げる。
「た、大変失礼いたしました!せ、精霊様方の御前でこのような醜態を」
「それはいいさ。それよりも、なぜ君はそんなに傷だらけに?それに村が襲われていると言ったそうだね?」
「はい!それを伝えるために、私は精霊様方に助けを……」
このエルフ、精霊の存在を知っているようだ。
まあ、エルフと言えば森の妖精とも呼ばれているし、精霊を知っていても何ら不思議はない。
「少し落ち着いて、ゆっくりと何が起きているのか説明してくれるかい?」
ユフェリスはそのエルフに椅子に座るように促す。
その場で呆然とする私たちも一旦机の近くに集まる。
セリアはというと、少し驚いた顔をしていたが、やがて元の席へと座る。もちろんテティ(私)は机の真ん中だ。
「では、話してもらえるかい?」
「はい。では、現在の村の状況について私、リルートがお話ししましょう」
リルートと名乗ったそのエルフは、とても整った顔立ちをしている。
うん、はい。私ごの……整いすぎて女と言われても信じられるよ、これ。しかも物凄く若々しい。
前世でもエルフって長命キャラとして有名だったし、その分体の成長が遅いんだったっけ?
「今、私たちエルフの村は、大規模な人間たちの軍と交戦状態にあります」
「……また、人間か」
ほえー!?人間でっせ、また人間でっせ!何かあるたび人間が関わる。人間て確かに好戦的で争いごとと血が大好きな野菜の国の愛国民だったけど、結構知性はあるはずだ。
私は不思議に思ったことを念話でユフェリスに聞く。
「あ、あのー、ユフェリスさん?エルフって、そんなに弱いの?」
「いえ、人間たちよりも遥かに魔素への適応が効くため、この森でも生きていけるんです。事実彼らの村はこの森への外的の侵入を防ぐために防衛を担っています。その村も、この森程ではありませんがなかなかの魔素濃度があります」
つまり、エルフさんも精霊ほどではないにしても人間が勝てるような相手ではないはず、と言う訳だ。
「ですが、エルフは長命であり、霊族、霊種ではありません。その上数が少ないのです」
あー、そう来たか。この戦力が高くても流石に一人に対して数千数万は厳しいだろう。
だが、だとしても精霊の王が力を認めるような種族が人間如きに遅れをとるなんて考えられないのですが?
「それでリルート、君の村と戦っている敵の数は?」
「その数、およそ……1万かと」
そこでユフェリスたちは驚きの声を上げる。
1万てそんなに多いの?確か前世の頃は、世界大戦時は数百万が当たり前だったし、中世の頃でも数万数十万が当たり前だった。それが1万程度だと考えると少し少なく感じる。
「対して、私の村の総人口は約3000名。戦える者は約2000名で、そのうち半数は戦いも知らぬ素人です」
あ、それはやばいわ。うん。私でもそれはやばいって分かった。
だって、これってつまりいくら弱いとはいえ、一人で5人、多くて10人相手にすることになるようなもんで、しかも半数は戦いを知らない。つまり未経験なわけだ。
戦ったことのない者を戦力としては考えづらい、つまり満足に戦えるのは約千名、たいして敵は1万。
そんなもの、いくらエルフの方が個で優っていようと勝つことは恐らく難しい。
私に戦争だとか争いについてはよく分からないが、それでも数の暴力がどれだけ恐ろしいかは想像に難くない。
「それで、私たちに参戦して欲しい、と?」
「いえ、それは誓約によって出来ぬことは分かっています」
誓約?こんな時に約束事?
「え?ユフェリスさん助けないんですか?」
「私としても助けたいは助けたいですが、これは誓約ですので」
「誓約って、どんな?」
「今からおよそ……数万年も前ですかね?その頃にエルフの初代村長たちが、私と交わした誓約。エイン様の意思。私たち精霊は如何なる時も外界の一切に直接関与はしない。という、まあ、エイン様の言いつけですね。それによって私たちはこの森の外に出ることも、手を出すことも出来ないのです」
「それで、エルフの村が滅びても?」
「はい。人間たちが私たちの森へ、何かの侵害行為を行わない限りは……」
なるほど、つまりは親の命令に今も従ってるってわけね。
なんて健気なのかしらん?って、言ってる場合じゃないね。うん。
つまりはエルフが蹂躙されようと、精霊たちはそれに一切関与できないと。
え?でも、それはリルートさんも分かってるわけで……
「ですので、この森にどうか村の者の避難許可と、出来るならば傷を負った者の治療をしていただきたく、お願いしに参った所存でございます」
そう言って、リルートは椅子から降りると、それはそれは、ファンタジーな世界には似合わないほど洗練され、磨き抜かれたジャパニーズDOGEZAを披露するのであった。
これ……どうすんのよ?
これ書かないと評価は要らないと思われるらしいので。
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