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33 木だって喋れるんです!

あらすじ書き直しました。

以前は一応あらすじ(仮)的な感じだったので変えておきました。なんか凄い難しかったけど……

 輝くような金色の髪。青い宝石のような瞳。そしてすらっと細長い手足に、前世のモデルや女優をはるかに凌駕するであろう美貌。


 その少女はテティに気が付くと話しかけて来る。

 しかもこれがまた声が綺麗なのなんの。

 

 「きみ、人間?」

 

 テティは先ほどまで私と話していた疑問を聞いてくれる。

 やっぱりこれはテティも気になるのだろう。

 

 「ええ、人間よ」


 人間ですって!

 もういっそのこと精霊ですって言ってくれた方が良かったわ。

 なんか全てに於いて負けている気がする。いや、別に戦ってるわけじゃないんだけど。

 でも、前世でどんな徳を積めばあんな人外級の美貌を手に入れられるのか分からない。

 あんなのね、前世でもいなかった。

 なんかもう光ってんだわー。 

 あ、あれだ、精霊みたいなもんだ。精霊ってなんか少し光ってるじゃん?

 それとおんなじで、あの少女もなんか光ってるからどこか人間離れしてるように見えるんだ。

 前世であんなに苦労したんだから私だって美少女になっても良かったのに、なんで木なんだろう?


 「人間が精霊の魔力を?」


 さて、ここからが本題。

 テティさんが気にしていたこと。

 精霊の魔力をなぜ人間が持っているのか。

 テティさん曰く、彼女が持っている精霊の魔力は多くは無いらしい。

 割合にしたら1割程度。

 でも、それでも異なる二つの魔力を持ち、そのうえ他種族の、しかも精霊の魔力を持つなんていうのは本来は決してあり得ない事らしい。


 「精霊の……ああ、加護の事かしら?」


 加護?

 いかにもなワードが出てきたよ? 

 そうか、これもチート能力か。

 いいなー、私にだってチートの一つや二つあってもいいのに!

 天は彼女に二物も三物も与えるという事か。

 まるで現代社会みたい!あの腐った世界。平等公平を謳っておきながらそんなびの字もこの字も無いような世界。

 平等?公平?なにそれ美味しいの!?まあ、美味しくっても私は食べられないから意味ないけど。

 

 「加護?あと、その幻霊は?」

 

 そうそう。その子狼。

 さっきから私の目はその子狼に釘付けなわけだ。

 もうね。可愛いのなんの。

 毛並みが良くていかにもな幻霊で、しかも色が少し銀色っぽい。

 私が木じゃなきゃすぐにでもその体に顔を埋めているというのに。


 「そうね。このあと全部話すんだけど、その前に、いくつか聞きたいの」

 「なに?」

 「まず、この森は精霊の森で合ってる?精霊王様は、ユフェリス様はいる?」

 「ユフェリス様を知ってるの?」


 そのテティの言葉を聞いて彼女は小さく安堵した表情を浮かべて息をつく。

 そして、もう一度テティに向き直る。


 「この前来たときはこの場所には何も無かったけど、いつからこんな大きな木が?」

 「随分と長生きなんだね?」

 「ここには世界樹様が立っていた。でもそれが消えてからは命すら芽吹かなかった。そうじゃなかったかしら?」

 「それも知ってるんだ?」


 驚いた。この人世界樹のことまで知ってるらしい。

 それに以前ここに来たときって言ってた。

 私が眠っていたのですら100年。で、その間も私はここに立ち続けたわけだから、少なくとも100年以上は昔になるわけだ。

 この人こんな姿で、実はめっちゃ長生き?

 まあ、それは確実か。でも、人間にそんな長い時間生きられる?


 そこでテティが何やら納得している。


 「そうか。だからその魔力を」

 「そう言う事」

 

 ちょっとちょっと、二人で納得しないで欲しいんだけど?

 私にはさっぱりちんぷんかんぷんなんですけど?

 魔力?精霊の魔力?それが長生きに?

 まあ、確かに精霊は長生きだからそりゃその魔力を持ってれば長生きくらいは出来るんだろうけど、でも、絶対それだけじゃないでしょ?もっとなんかいろいろ納得してたでしょ!


 「ちょ、テティさん?」

 「どうしたの?」

 「いやー、流石に話がよく分からないなーって、彼女の魔力がとかさ」

 

 念話で話しかけてみる。 

 

 「ああ、そっか。ルアは知らないね」

 「そうそう。なんならこの世界の事ほとんど何も知らない無知無知ウーマンだから」

 「むちむちうーまん?」

 「いや、なんでもないです」


 なんか私の言葉を繰り返すテティが可愛い。もっと向こうの言葉で色々言わせて……いや、勿論そう言う卑猥な事とかは考えてない。

 あ、でもテティが言ったら私の理性が、って木だから理性もなにも無いか!


 「ん?まあ、いっか。えっとね、多分彼女は……」

 「彼女は……ゴクリ!」

  

 そこで言葉が少女に遮られる。


 「精霊さん?なにと話してるの?」

 「え?これはルアって言って、」

 「ルア?精霊の名前?あ、それよりもまずこの木に挨拶しても良いのかな?」

 「挨拶?」

 「うん。この木は、世界樹、神樹様でしょ?以前は見れなかったけどまた蘇ったんでしょ?」


 なんか世界樹とかエインさんを知ってる人は私をそのエインさんと混同しがちらしい。

 別に私、神様でもなんでもなければ前世はしがない社畜の中の社畜ってだけなんだよね!


 「神樹様。あなた様のおかげで、私は多くの人々を救って来れました。あなた様のその慈悲深き御心に心からのお礼を」

 

 な、やばい。これむず痒い。

 そして、その神樹様私じゃないんだよね。

 私じゃないからなんだか罪悪感みたいなのも芽生えてきてる。

 

 「あ、えっと、うん。それ私じゃないんです」

 「え?」

 

 私は念話で話しかける。


 「あー、多分勘違いしてますよ?」

 「え?だ、誰?どこから?」

 「前、前です!あなたの目の前!」

 「目の前って、だって、木ですし」

 「そうそう。この木。これ私です。私がルアです」

 「……はい?」


 そんな私の言葉に混乱を隠せないでいる彼女。

 まあ、そりゃそうなるか。

 だって、木に話しかけられてるんだもんね。

 普通じゃ絶対あり得ない事だしね。

 なんなら軽いホラーですわ。夏の怖いドラマに取り上げられちゃう!


 その少女は私のそんな声を聞いて、今も目を瞬かせる。

 余程信じられないらしい。


 「ま、まあ。そりゃ驚きますよねー、まあ木ですが一応喋れるので、な、仲良くしましょう!?」

これ書かないと評価は要らないと思われるらしいので。

面白い、続きが気になる、などなど色々思われた方はページ下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして貰えるとありがたいです。

皆さんのその評価が執筆意欲に繋がりますのでどうかよろしくお願いします!

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