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27 いや、上に立つ気概とか無いんで!

 私はどうやら本当に木に戻れていたらしい。

 その姿は以前と変わる事無くそのままだ。

 

 景色は結構変わっているものの、それでも以前と配置はほとんど変わっていない。

 

 緑は増えた。

 命は前より溢れている。

 それでも、やはり基盤はそのまま残っている。


 「テティ、色々と聞いても良いかな?」


 本当はテティの方が色々と聞きたいだろう。

 それでも、やっぱり確認しなきゃいけない。

 

 「私が森を再生させてから、どれくらいの時間が経ったの?」

 

 これだけは聞いておきたい。

 だって、起きたら森は変わっているわ、樹霊はいつの間にか凄い増えてるわで色々と変わり過ぎている。

 確実に数年は経っていると考えた方が良いかもしれない。


 「それはね、」

 「私の口からお話ししましょう。テティは時間感覚はまだあまりありませんから」


 そう言って森から続々と何かが出てきて……


 「お待ちしておりました、ルア様。私たち精霊一同、あなた様のご復活を心よりお待ちしておりました」


 な、なんで?

 私起きたのついさっきだよね?


 うん。もう謎だわ、精霊って色々と謎多いね!


 「さ、様って」

 「ですが、その前に……やはり、森の再生も、そして、呪いの消失も全てルア様が?」

 「た、多分、そうですけど……」


 なにかまずいのだろうか?

 なにかやらかした?

 まさか、呪いが消えてなかったとか!?


 「そうでしたか。でしたら、そうですね。ルア様、私はこれからあなた様に全ての信頼を預けることをお約束します」

 「信頼?預ける?……え、ちょ、何を言って、」

 「この森に生きる全てのものは、あなた様に救って頂いたのです。私ですらどうすることも出来なかった数万年の呪いを、そこからあなた様は私たちを救ってくださった。ならば、この信頼も、忠誠も、全てをあなた様に捧げるとここに誓いましょう」

 「え、え?えええー!!?」


 信頼?忠誠?誓い?

 いや、重いし怖いわ!!

 生き返ったと思ったら急にそんな事を言われても……


 「そ、そのー、忠誠とかは……別に、いいかなーみたいな」

 「いいえ、この命も、ここにいる者達も全てがあなた様に救われて」

 「で、でも……」


 どうすればいいの?

 ねえ、誰かー!!

 私前世は後悔だらけの社畜だったわけじゃん?

 それが急に忠誠奉げられても困るっていうかさ、


 「やっぱり、ユフェリス様、忠誠はまだ早いんですよ。ルア様にも色々と準備があるんですから」

  

 そうユフェリスに話しかけるのは、テティと同じくらいの大きさで、それでいて活発そうな精霊。

 あの日、しにかけていたリニィだ。


 「そりゃあ忠誠なんてまだ要らないですよね。私たちは返しきれない恩がありますけど、ルア様は私たちの忠誠を受け入れるかは慎重にならないとですもんね」

 「そうそう。ユフェリス様は少し早とちり?」

 「て、テティまで?しかし、やはり私は精霊たちの王として、」

 

 テティにまでからかわれ始めるユフェリス。

 以前出会ったことのある面子は変わらず今もしっかり生きているようだ。


 「精霊王様は、少し硬すぎるのですよ。もう少し柔らかく、柔軟な思考を持つことをお勧めしますよ」

 

 そう、いかにも大人な女性!って感じの精霊がまたもや私の前にやって来る。

 これは、アレだ、あの日リニィと一緒に助けたであろう大精霊。名前は確か……


 「ルア様。私からご挨拶するのは初めてですね。私の名前はレリス。この森の三柱の大精霊が一柱でございます。あの日、ルア様に救われた精霊の一人です」 

 「あー、レリスさんだ。そうそう。それで、どこか悪いとことかないですか?しっかり治ってますか?」


 私としてはそれが何より心配だ。

 もし治っていなかったら、それはそれで一大事だしね!


 「……やはり、お話しで聞いていた通り、お優しい方なのですね」

 「話し?」

 「はい。テティや、精霊王様からもお話は聞いておりました。とても慈悲深い、まるでエイン様のようなお方だ、と」

 「そ、そんなー。褒め過ぎですよー」

 

 褒めたって何もあげられないって。前世ならミントタブくらいならあげられたけど、

 まあ、褒められて悪い気はしないんだけどね!

 

 「あなた様から頂いたこの命、本来なら忠誠を誓い、あなた様の配下になるべきなのでしょう。ですが、それはあまり望んでいないとお見受けします」

 「そう、ですね。あんまりそう言うのは、やっぱり、ねえ?」

 「はい。確かに、いきなり見ず知らずのただ助けた相手を配下にするのは少し気が引けると思います。ですので、私はこれ以上は言いません。いつか、ルア様が良いと仰るまで私は待つつもりですので」

 

 待つ、ってつまりは私が配下を募集するのを待つってことだよね?

 別に配下とかいらないんだよねー。

 そんな配下とか言われても、元社畜には上に立つ気概なんてある筈がない。

 だから、諦めないまでも、もう少し力を付けて、少なくとも樹霊辺りに進化するまでは待ってもらいたい。


 「ま、まあ、気長に待っててよ。多分、いつかは……」

 「はい。いつかは必ず配下に加わらせて頂きますね!」

 

 お、おう。

 もう、配下に加わることは決定なんだ?


 でもさ、こんな木の私が主ってどうなの?

 それに、そんな主従関係とか必要なの?

 とは思ったけど、そんな疑ってばかりなのは悪いので、それ以上は考えない。


 せめて、私も主に相応しい風格を手にれられるように頑張らないと。

 一先ずは進化を目指すとしようかな?


 「テティは、やっぱりルアとは友達が良い」

 「うん。私もそれが良いと思うよ。やっぱりテティは話が分かる!」

 「ルアの事なら色々分かるよ。じゃあ、これからはもっとずっと一緒だね!」

  

 そうだ。

 これからはもっとずっと一緒に。

 

 先は長いのだ。

 

 もう、焦らず、ゆっくりのんびりと、普通の樹生を遅れれば十分だしね!

もう、ここら辺でそろそろ物語を進めようと思います。


これ書かないと評価は要らないと思われるらしいので。

面白い、続きが気になる、などなど色々思われた方はページ下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして貰えるとありがたいです。

皆さんのその評価が執筆意欲に繋がりますのでどうかよろしくお願いします!

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