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16 世界樹の呪い

 痛い?

 痛くない。

 気持ち悪い?

 気持ち悪くない。

 なんか視界がいっぱいある。

 なんかいろんな場所の景色が見える。


 あれ?私さっきまで……

 あ、天使が見える。

 エメラルドグリーンの光を伴った小さくて可愛い天使が。


 私死んだの?

 え?うそ!?そんなー!?


 「あ、起きた?大丈夫ルア?」


 うん。そうですよね。

 死んでないっすよね。

 知ってます。進化ですよね?


 あれ?でも、どこも痛くない?

 あの頭がおかしくなるような激痛は走らない?

 

 「ルア?」

 「あ、ごめん。少しボーっとしてた」

 「うん。進化したんだね?凄い大きくなってる」


 大きく?

 そう言えば視点が高くなったような?

 周りの木が若干小さくなって……


 うお!?

 凄い、私大きくなってるよ!

 まさか、もはや高校に上がる頃にはもう来ないだろうと思っていた私の成長期が、今ここでようやくやってきた!!

 ふっふっふ。寝る子は育つならぬ、寝る木は育つってか?

 て、おっと、私もう木じゃなくて樹だわ。

 

 進化で変わった名前はたった一文字、でもいろんなものが変わっている。

 特にスキルに関しては色々と変わり果てている。

 『森林操作』なんて軽く言ってチートじゃない?あの『植物操作』の上位互換だよ?

 『苦痛耐性』も加わって、かなり多くの樹木たちを動かせるようになっちゃったし、

 この森全域は無理だけど、というかどこに何があるかすらよく分からないけど、操作範囲がざっと2倍になってるのだから相当使い勝手も良くなってる。


 しかも、この『苦痛耐性』が凄いのなんの。

 もうね、あの激痛が緩和されまくってやばいんだわ。

 今まで情報多すぎるから頭痛すぎて萎えてたけど、もうその心配もあまりいらないじゃん?

 

 それに加えて、常時『感覚共有』を使っているのに、あの激痛がほとんどない。

 気持ち悪さもない。

 吐き気?あるわけない。

 腹痛?無いですわ。

 というか私、樹ですし。


 いや、そうじゃなくて。

 私が覚悟していたあの頭がかち割れるほどの痛みが、何一つないのだ。

 それどころか、気分が良い。

 これも進化パワーかな?

 それとも私のチートパワー?

 

 とうとう私も異世界主人公らしくなってきたってわけね?

 フッフッフッ!これが主人公補正ってやつか……我ながら、自分の力が恐ろしい。


 「ルア進化したんだよね?」

 「うんうん。もう凄いのなんの」

 「そっか。ルアは凄いって知ってたけど、想像以上だね」

 

 想像以上、か。

 ついにテティの想像すら超えてしまうか、私は。

 本当に、私が最強になる日も近いのでは?

 ま、別に最強じゃなくても私はテティといろんなところに行くのが夢なわけだし?

 

 「ん?そういえば、テティといたあの精霊ちゃんは?」

 「リニィの事?」

 「そうそう。それ」

 「リニィなら連れていかれた」


 つ、連れて?

 誘拐?

 拉致?

 監禁!?

 な、せ、精霊相手にそんな高度なプレイを!?

 一体どんな奴が!?


 「連れて行ったっていっても、ちゃんと仕事をしなかったからお説教だよ」

 「お説教?」

 「そう。レリスのお説教」


 レ、レリス? 

 名前、だよね?

 精霊?でも、リニィを説教するって、

 

 「レリスは大精霊。テティ達より偉い。それで凄く強いの」

 「へ、へぇー」

 

 出たよ、大精霊。

 人間たちとの戦いでテティは凄い魔法みたいなの使ってほぼ無双してたわけじゃん?

 そのテティよりも強いって、この森のパワーバランスおかしくない!?


 いくら外に出ない、交流しない、森に引きこもってる。

 って言ってもさ、明らかにパワーバランスおかしくない?


 精霊=魔王、みたいな世界だよ?

 なのに、それ以上の存在が普通に説教してる森って、


 異常、そうよ、この森は異常だわ!?

 

 「レリスが、ルアの事話したら会ってみたいって言ってた。もしかしたらあとで来るかもね」

 「いやいや、来んでええわ!というか来ないで!怖い、私凄い怖いから!」

 

 そんな危ない存在と出会って機嫌でも損ねようものなら私は一瞬でポッキリ行くね!

 こんな異世界来ても何もしてないうちから死ぬのは嫌だし。

 テティよりも偉いって、私が会っていい相手じゃないしね!


 でも、大精霊か。

 いつか私もなれるのかな?

 もしかしたら精霊王?とか言うのにもなれたりして。


 なんか興奮してきた。

 いいね。この世界は夢があるよ。

 

 でも、やっぱり大精霊さんは怖いのでお断りで。


 「テティさん。レリスさんには人見知りだから来ないでって伝えといて」

 「……」

 「テティ?」


 ん?まさか、テティが反抗期!?

 うそ!?私、テティがいないと生きていけないんだけど?

 ちょ、無視はきついって!

 

 それでもテティはそのまま固まったまま動かない。

 そして、少し険しい表情を作る。


 「て、テティ?一体どう……!?」


 そこで私も何か異変に気付く。

 物凄く……なにこれ、気持ち悪い!?

 なんか黒くて、ドロドロした、え?


 黒く、ドロッとした液体のような……


 「魔素?テティ、これって!?」

 

 テティはこの変な魔素に反応していたんだろう。

 マズイ。これは恐らくやばいやつだ。

 結構な有害物質と見た。

 そして、それはどうやら正しかったらしく、ようやくテティも口を開く。


 「まさか、こんな所にまで……世界樹(エイン)の呪いは厄介なのに」

 

 

 

レリスさんの名前がおかしなことになってました。

プロットで考えていた名前から変更し忘れてたみたいです。

すみません。


これ書かないと評価は要らないと思われるらしいので。

面白い、続きが気になる、などなど色々思われた方はページ下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして貰えるとありがたいです。

皆さんのその評価が執筆意欲に繋がりますのでどうかよろしくお願いします!

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